4時間56分の熱闘も、勝ちきれずドロー

4時間56分の熱闘も、勝ちきれずドロー

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カープと熾烈な首位攻防戦が続いています。この日は先発の青柳投手が本来の持ち味を発揮しゲームを作りましたが、2−2のまま延長戦へ。勝機を生かしきれず5時間近い激戦は引き分けに終わりました。勝てなかったが、負けなかった。前向きに捉えましょう!

岡田阪神 激闘ドローで首位守った 首位決戦第3Rも自然体で臨む「高校野球の決勝じゃないんやで」
デイリースポーツより)

「阪神タイガース2-2広島東洋カープ」(29日、甲子園球場)

 負けられない2位・広島との一戦は、延長戦にもつれ込む激闘の末、両者譲らずドローに終わった。試合後、阪神・岡田彰布監督(65)は八回、同点に追い付かれた岩貞の1球を悔やみながらも、負けなかった一戦に落胆する様子はなかった。この引き分けで7月の勝ち越しが確定。首位攻防第3ラウンドを制して、気持ちよく8月の長期ロードへと向かう。

 梅野のバットが空を斬り、聖地に落胆のため息が漏れた。延長十二回、4時間56分の死闘は無念の引き分けに終わった。首位を死守したという結果が、全身を覆う疲労を辛うじて癒やしてくれた。

 会見場に姿を見せた岡田監督は、苦笑いのような笑みを浮かべていた。

 「あの1球だけやなあ。岩貞の初球なあ。もうちょっとなあ、慎重に入ったら良かったけど、あの1球だけやったよ」

 終盤に白星がこぼれ落ちた。1点リードで迎えた八回だった。岡田監督は好投の青柳に代えて加治屋を投入。1死一塁となったところで岩貞を送り出した。「(もともと)小園から岩貞を行く予定やったからな、(走者が)セカンド行かんと一塁で止めたからな『よっしゃ』と思ったけどな」。この回を左右両腕でしのぎ切ることは想定していた。

 誤算は岩貞が小園に投じた初球だった。147キロの直球をはじき返された。打球は虎党の悲鳴を切り裂くように左中間を深々と破り、一走が生還。“勝利の方程式”が崩れ、土壇場で試合を振り出しに戻された。

 失意の左腕は「抑えたいと思っていったんですけど、失投というか考えが甘かったというか残念な投球でしたね。次回またやり返します」と雪辱を誓った。

 岩崎が九回を3者連続三振で切り抜けると、延長突入後は救援陣が踏ん張った。浜地、桐敷、島本が無失点でバトンをつないだ。前夜はベンチ外として温存した桐敷も好投。岡田監督は「いやいや、昨日、日にち空けとったからな、桐敷も。今日は青柳やから、左(打者)ばっかり並べてくるのは分かってたから」。虎将の読み通りに試合は進んだが、岩貞の1球のみ、思惑が外れた形だった。

 それでも7月の月間勝ち越しは決めた。首位攻防第3戦は、8月の長期ロードを前にした聖地最後の一戦となる。“勝利で終えたいか”と問われた指揮官は「そら結果的に勝ったら、気持ちよく行けるだけの話やないの。なんでそんな、高校野球の決勝じゃないんやで」と語気を強めた。勝敗に一喜一憂することなく、一歩ずつ“アレ”に突き進んでいく。

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