今季、タイガースの大躍進を根底から支えたのはトレード組でも助っ人外国人選手でもなく、生え抜きで育った若虎達でした。潜在能力はまだまだ引き出せる余地があるはず。彼らの成長と共に、連覇へのステップを上り続けていきます。
日本一を導いた「アフター鳥谷」生え抜き野手の台頭で黄金時代到来の予感
(日刊スポーツより)
「アフター鳥谷」のチームづくりを成し遂げ、阪神が日本一に輝いた。今シーズンの規定打席に到達した、生え抜き選手は大山、近本、中野、木浪、佐藤輝の5人(ほかにノイジー)。レギュラー選手の目安である年間443打席を、阪神にドラフト入団してきた選手たちが相次いで満たした。
近年の阪神生え抜き野手の勢力図は、まさに「鳥谷1強」ともいうべき状態が続いていた。鳥谷敬は04年から19年までの16年間、チームに君臨。プロ2年目の05年から13年連続で規定打席を満たし、打率10傑に5度も入った。自己最高順位は11年の4位で、14年にはキャリアハイの3割1分3厘をはじき出した。
ところがこの16年間に阪神へドラフト入団したその他の選手の規定打席到達も、やはり13度。8人の野手が束になって、やっと鳥谷1人分だ。初の到達は13年の大和。到達回数の最多は上本博紀の3度。ベスト10入りも3割打者もいなかった。
チームは長らく、金本知憲、新井貴浩、福留孝介、糸井嘉男といった移籍選手に打線の中軸を任せてきた。またマートンやブラゼル、ゴメスら助っ人も脇を固めてきた。安定的にポジションを確保できる生え抜きは、育ちにくいという土壌があった。
タイトル獲得でみると、事態はより深刻だった。鳥谷在籍中に阪神へドラフト入団した選手のタイトル獲得は、わずか2度。11年鳥谷の最高出塁率と、19年近本の盗塁王だけだった。
19年限りで鳥谷が去ると、若手の台頭が一気に進む。20年からの4シーズンで、生え抜き選手の規定打席到達は7人、18度にのぼる。前述のように今季だけで5人、21年には近本、中野、大山、糸原、梅野、佐藤輝と6人に達した(他にマルテ、サンズ)。
またタイトル獲得も、今季は中野の最多安打、大山の最高出塁率、近本の盗塁王と一挙に3人。20~22年の近本3度(最多安打1度、盗塁王2度)中野1度(盗塁王)と合わせ、4年で7タイトルとなった。
今季の規定打席を満たした生え抜き5人のうち、大山、近本、木浪が29歳、中野が27歳、佐藤輝は24歳だ。さらに新人で23歳の森下も10本塁打を放ち、来季は定位置確保の期待がかかる。
このように阪神には、選手生活の佳境を迎える、働き盛りの野手がひしめいている。FA獲得のベテランや助っ人頼みを脱却し、自前戦力の整備は見事に果たされた。長年の懸案「アフター鳥谷」を成し遂げた、岡田阪神の日本一だった。
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