“Mr.ゼロ”交流戦で大ブレイクの才木、絶好調の要因とは?

“Mr.ゼロ”交流戦で大ブレイクの才木、絶好調の要因とは?

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手術からの復活を果たし、チームとして苦戦が続いた交流戦の中でも全3試合で無失点ピッチングを続けた才木投手。その秘訣は、ボールの握りにあったようです。後半戦も、この調子を維持して“アレ”実現へフル回転を期待したいですね。

「ミスターゼロ」才木浩人の直球はなぜ打たれないのか 秘密は「江川+球児」の独特握り
日刊スポーツより)

なぜ若き右腕の直球は打たれないのか-。日刊スポーツの随時企画「虎を深掘り。」第7回では、阪神才木浩人投手(24)が繰り出す剛速球に迫った。

交流戦は全3試合21イニングを無失点。史上4人目となる同戦防御率0・00を達成した。4日ロッテ戦(甲子園)では佐々木朗との投げ合いを制して完封勝利も飾った。生命線となったのは交流戦全投球の6割弱を占めた直球。その握りには秘密があった。

「ミスターゼロ」才木を語る上で、欠かせない球種がある。交流戦全3試合で投じた309球のうち、183球が直球だった。割合にすると、実に59・2%だ。しかも直球で奪った空振りが18球もあり、直球の空振り率は9・8%。交流戦に限れば、この数字はロッテ佐々木朗の6・5%を上回る。令和の怪物をもしのぐ「空振りを奪える直球」は一体、どのように生み出されているのだろうか。

高校時代から「投げやすい形でそうなった」という理由で、中指と人さし指を離さずにボールを握る。両指の間隔がない分、ボールに力が1点集中。一般的にプロの平均が2200から2300回転(1分あたり)とされる中、才木の平均回転は2500後半から2600前半に及ぶ。

本人は「多分、両指を開く人の方が多いんじゃないですかね」と言う。1点に力が集まる分、指先のズレなども生じそうなものだが、本人は「逆に広げている方が力の入れどころが幅広くなるから、自分はそっちの方が難しい」と説明する。藤川球児球団本部付スペシャルアシスタントも、現役時代は同様の握り方でホップする「火の玉ストレート」を生み出した。

「なかなかいないんじゃないですかね」という握り方も独特だ。一般的にフォーシーム(直球)は縫い目が「逆くの字型」になるような握り方が浸透している。人さし指と中指の長さの関係で、より縫い目にフィットしやすい形だ。だが、才木は反対の「くの字型」の縫い目で握る。

「投げる時のリリースで、すごく上から押し込める感じが出た。感触もいいし、ちゃんと手首が立つようになった」。プロ入り後、キャッチボールでたまたま試したところ、好感触をつかんだという。偶然にも往年の名投手でもある元巨人江川卓氏と同様の握り方。高スピンの直球は「江川卓+藤川球児」の独自の握り方で生み出されていた。

ノビのある直球を生かし、全試合でバッテリーを組む梅野はあえて高めに要求する場面も少なくない。女房役は「回転が縦回転できれいだし、スピン量があるからできること」と意図を説明する。

高め直球でフライアウトを奪うシーンは1度や2度ではない。交流戦では全球団が初対戦となった中、スピンの利いた真っすぐでパ・リーグの強打者たちをなぎ倒してきた。次戦は2位DeNA3連戦の3戦目、25日に先発予定。首位攻防戦でも自慢の真っすぐから目が離せない。

◆才木の投球スタイル 最速157キロの直球とキレ味鋭い130キロ中盤のフォークが投球の中心。全投球の約8割以上を占める2球種にスライダー、カーブで緩急をつける。直球の空振り率は9.8%と高い数値を示すが、フォークの空振り率は22.2%と、さらに高い数値を残している。

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