何度もリプレー検証される度、敵地に詰めかけた虎キチからはブーイングの嵐となりました。走塁妨害にしか見えないプレーに、岡田監督は激昂。審判に詰め寄り猛抗議するも判定は覆らず、後味の悪い敗戦となってしまいました。少なくとも監督の勝利への執念は、選手達には伝わったはずです。
「オレはもう引かん!」阪神・岡田監督、退場覚悟5分半の猛抗議 試合後は「もうしゃべることないわ」
(スポーツニッポンより)
阪神の岡田彰布監督(65)が18日のDeNA戦で、審判団に退場覚悟の猛抗議をした。1点を追う9回1死一塁で代走・熊谷の二盗を巡って、相手リクエストによってセーフの判定がアウトに覆った。横浜ファンのブーイングや退場コールを浴びながら、5分以上に及ぶ走塁妨害の主張は認められず、7月13~16日(3連敗)以来の2連敗を喫した。広島が巨人に敗れてマジックが1つ減って28になったものの、鬼の形相のまま球場を後にした。
岡田監督のはらわたは、試合後も煮えくり返ったままだった。報道陣に「もうしゃべることないわ」と吐き捨てるように一言だけ残し、姿を消した。
怒ったのは1点を追う9回1死一塁だ。代打・糸原の4球目に代走・熊谷が二盗。捕手からの送球がやや一塁側にそれ、遊撃・京田と真正面から激突した。際どいタイミングのプレーの判定はセーフ。しかし、三浦監督のリクエスト要求によって覆る。責任審判を務めた三塁・敷田審判の「二塁ベースで走者と野手が接触していますが、妨害とはいたしません。よってアウト」という場内アナウンスが流れると、岡田監督はけげんな顔を見せながら審判団に近づく。そして時間とともに口調が激しくなった。
三塁塁審の敷田審判によると、岡田監督は最初、場内アナウンスが聞き取れなかったことで言葉の確認をし、その後は「走塁妨害」を主張したという。京田が走路を防いでブロックしたことで、熊谷はベースに到達できなかった。よって「走塁妨害だ」という訴えだ。しかし、退場覚悟の猛抗議は認められることはなかった。
優勝に導いた05年は、9月7日の中日戦で判定に納得がいかず、選手をベンチに引き揚げさせたほどの猛抗議をした。その試合で、指揮官の“盾”となって退場処分を受けた平田ヘッドコーチはこの日、5分がリミットの遅延行為の退場を危惧して、間に割って入る場面があった。
それでも猛抗議は5分半にも及んだ。遅延行為の可能性を指摘された審判団に対しては「オレはもう引かん!」と声を荒らげるほどの激しさだった。采配でも勝負にこだわっていた。同点の7回は、宮崎の好守に阻まれて無得点に終わったとはいえ、2者連続代打を送って1死満塁のチャンスを演出していた。それほど、この一戦に勝ちたかったのだ。
しかし、大原則としてリプレイ検証への抗議は認められていない。横浜ファンからはブーイングと退場コールが飛ぶ中、最後は審判団にうながされて渋々、引き下がった。広島が敗れてマジックは1つ減って28としたものの、後味が悪い幕切れで約1カ月ぶりに連敗を喫した。
▼敷田直人審判員 リプレイ検証したところ、足を防いだ形にはなったが、ワンバウンドを捕るために互いに精いっぱいのプレーをして、偶然ああいう形になった。ベースに届いていないのでアウトにした。走塁妨害とは見ていない。故意でフェアでないなら考えますが、精いっぱいのプレーの結果だった。
◆前回優勝の05年の岡田監督抗議 岡田監督は前回優勝の05年にも審判に激しい抗議を行った。天王山と言われたナゴヤドームでの9月7日の中日戦で、9回に不可解な判定が続いた。2死満塁で本塁突入した中村豊は微妙なタイミングでアウト。その裏には、無死二、三塁からのアレックスがホーム突入が微妙なタイミングながらセーフで1点差。激怒した岡田監督は選手を引き揚げさせ猛抗議を行った。中断は18分に及び、牧田球団社長の説得もあり、試合は再開。岡田監督はマウンドの久保田に「むちゃくちゃやったれ。責任はおれが取る」と指示したことも語り継がれている。
◆選手権試合アグリーメント 3・グラウンド上の規則適用に関する事項 (6)監督の異議申し立ての時間 監督の異議申し立てが3分に及んだ場合、審判員はその旨を必ず監督に通告し、5分を経過した後なお異議申し立てをやめない場合は退場を命じる。
◆NPBリプレイ検証制度「リクエスト」 8・リクエスト行使における注意事項は以下の通り。(5)リプレイ検証によって出た全ての決定に対して異議を唱えることは許されない。異議を唱えた者と監督は試合から除かれる。
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