10月15日、甲子園球場で開幕を迎えた2025年クライマックスシリーズのセ・リーグファイナルステージ第1戦。阪神が2-0でDeNAを封じ、シリーズ制覇に向けて白星発進となった。先発の東投手が踏ん張ったDeNAを、阪神は村上-及川-石井-岩崎と鉄の零封リレー。及川雅貴が勝利投手、岩崎がセーブ、少ないチャンスをモノにして初戦を勝ち取った。入場者数42,643人、試合時間3時間36分。
この一戦は、阪神がリーグを圧倒して独走優勝し、挑戦者としてDeNAとのCS戦を迎え撃つ構図となった中での対決。DeNAはリーグ最多勝を記録した東克樹を先発に据え、阪神打線をどこまでねじ伏せられるかが注目された。阪神は村上頌樹を先発に据え、投手戦の予想が巷で賑わっていた。
さらに、阪神とDeNAのCS対戦は今回で5度目。過去4度はすべてファーストステージでの対戦だったが、今回はファイナルステージでの対戦という因縁もある。過去は2勝2敗と互角の戦いだったが、すべて敵地チームが突破を果たしてきたというデータも存在する。今夜、阪神は“地の利”を生かして歴史を変えられるか。
スターティングオーダー
両軍のスタメンは次のとおり。阪神は1番近本、2番中野、3番森下、4番佐藤輝、5番大山、6番中川、7番捕手坂本、8番熊谷、9番先発村上。DeNAは蝦名、桑原、佐野、筒香、牧、山本、石上、林、そして先発・東。試合は18時01分にプレーボール。序盤は投手戦の様相を呈し、両軍無得点が続く。阪神は中盤までわずかなチャンスを作るが、DeNA先発・東の制球と球威に抑えられ、得点には至らない。しかし、その構築された流れを阪神は後半、巧みに崩した。
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イニング展開と転機
1回~5回
両先発は慎重な立ち上がり。阪神・村上は毎回、打者を低めの変化球とストレートで制球が乱れ、球数が増えてしまうものの得点だけは許さない。DeNA・東も同様に強さを見せ、1回から5回までゼロの交換。いずれも得点機を迎えられない緊迫した序盤ラウンドだった。
6回裏:まず阪神が均衡破り
試合が動いたのは6回裏。近本が内野安打で出塁し、中野が送りバント。さらに近本が三盗でチャンスを拡げると、森下がセンター前へはじき返し、待望の先制点を獲得する。さらに2アウトから代走出場となった小野寺がライトへ流し打ち、貴重な2点目を奪う。スコアは2-0。ホームで大きな大きな2点をもぎ取り、第1戦の勝利へ向けて動き出した。
6回以降:継投で零点リレー
阪神は6回表から継投に入る。及川雅貴がマウンドに立ち、ヒットこそ打たれても後続を断ち切り、チャンスを作らせない磐石のピッチング。回跨ぎとなった7回には、筒香を三振に打ち取ったところで石井大智に交代となる。2アウトから牧にはヒットを許すが代打・フォードをしっかり抑えてここも無得点に封じ込めた。さらに回跨ぎとなった8回は3人で切って取り、最終回の9回は岩崎が登板し、完璧な零封を継続。DeNA打線に安打を許すも要所で抑え、最後まで揺るがなかった。
投手成績と責任投手
勝利投手に及川、敗戦投手は東。岩崎がセーブを記録した。この日の村上は5回103球を投げ、その後は継投体制へ。東は5回2/3を投げ6安打5奪三振、2本の与四球で2失点。阪神打線に捕まり、マウンドを降りる結果となった。
攻撃陣の働き
阪神は6安打。4番〜下位打線まで均等に出塁し、特に6回の先制打から次のタイムリーを繋ぎ、2点を奪取。中軸が一本ではなく、繋ぎで機能した点が光った。DeNAは8安打を放ったが得点には至らず、効率の悪さが響いた。守備のミスも1失策記録されている。
意義と展望
この1勝は、阪神にとって極めて重い意味を持つ。CSファイナル第1戦を制することは、過去以来圧倒的にシリーズ突破につながるデータが示す通り、有利な立場を作る大きな一歩となった。このまま一気呵成に3連勝で決めてしまいたい。
