2025年シーズン、阪神タイガースの内野陣において、守備面の評価が最も安定して紙面に登場した選手の一人が小幡竜平だった。打撃成績が日替わりで上下する中でも、守備に関する評価は春から秋、そしてオフに至るまで大きくブレなかった。スタメン定着とはならなかったものの、幾度となく好守で投手を助けたシーンは印象に残っている。今回は、そんな小幡の守備力についてフォーカスを当ててみたい。
一歩目とポジショニング
4月の開幕直後、まず注目されたのが小幡の「一歩目の速さ」と「打球への反応」だった。
遊撃というポジションにおいて、守備範囲の広さは数値化しづらい要素だが、試合に関する記事では「追いついた」「間に合った」という表現が頻繁に使われている。
特に、二遊間のゴロ処理や、三遊間の深い位置からの捕球について、無理のない体勢で処理している点が繰り返し言及された。これは、守備力を語る際に「派手なファインプレー」ではなく、「アウトにできる確率の高さ」を評価していることを示す。
送球の安定感
2025年シーズンの小幡に関して特徴的なのは、送球ミスが大きく取り上げられた記事が見当たらない点だ。
スポーツ紙において、内野手の送球ミスは失点と直結するため必ず記事化されるが、小幡の場合は「無難にさばいた」「落ち着いて処理した」といった表現で終わるケースが多かった。
これは、記者が「特筆するミスがなかった」ことを意味する。
守備面の評価において、この“記事にならない安定感”は、実は最も重要な要素の一つである。
終盤起用が示した信頼―守備固めで名前が出続けた理由
夏場以降、特に8月から9月にかけての試合記事では、終盤の守備固めで小幡が起用される場面が複数回あった。
リードした展開で投入されるということは、「失点を防ぐ役割」を任されているという証だ。
マスコミはこの起用について、「守備を重視した交代」「内野の安定を優先」といった表現をしている。
これは小幡が、ベンチの選択肢の中で“最もリスクが低い確実性の高い遊撃手”として認識されていた事実を示している。
競争下でも評価が下がらなかった現実
2025年の阪神遊撃は、木浪などと併用・競争が続いたポジションだった。
その中で、小幡は一時的にスタメンを外れる時期があっても、守備面の評価そのものは下がらなかった。
むしろ、スタメン復帰時には「守備力を買われて」「終盤を任せられる存在」として1軍戦に登場している。
これは、競争の中でも「守備要員としての立ち位置」を失わなかったことを示す、極めて重要な事実である。
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2025年は「守備で立場を守り切った一年」
小幡竜平の2025年は、やはり守備でチームを盛り立てた1年であったと言えるだろう。
派手なプレーで評価を上げたのではなく、確実にゴロを捌き、ライナーを捕球し、終盤を任され続けたことで信頼を積み重ねた一年だった。
コーチが彼に与えたのは「守れる」「計算できる」「終盤を任せられる」という評価。
バッティングでも快音を響かせた場面もあったが、やはり守備力を買われての起用が多くなっていたのは事実だろう。
“遊撃守備で1軍に残り続けた”。
来る26年シーズンは、バットでもさらなる進化を求めたい。
