2025年、優勝を目指してセ・パ交流戦に挑む阪神タイガース。ここまでの戦いでは、チーム最多タイの6戦5勝1敗と好調を維持し、チームを単独首位に押し上げている。その立役者が、佐藤輝明外野手(26)。通算100号にも17号グランドスラムにも輝いた“虎の大砲”を、日本ハム戦からオリックス戦までの激闘を紐解きながらレポートする。
まず、6月5日、日本ハムとの交流戦開幕カード第3戦(エスコン)。阪神は4-0で迎えた八回、佐藤が今季16号ソロをライト席へ運び、通算100号を達成。575試合目での大台到達は、球団生え抜きでは史上最速級という快挙だった。試合は7-1で勝利し、首位相手との3連戦を2勝1敗で勝ち越す幸先の良いスタートとなった。
その後、カードをオリックスとの関西ダービーへ移し、6月8日の甲子園。八回1死満塁で迎えた打席、佐藤は「一発いったろ」と気合いを込め、川瀬の直球を完璧に捉えてバックスクリーン右へ17号のグランドスラムを叩き込んだ。満塁の場面を“ド派手な大一発”で決め、スタンドを熱狂させた。
この一撃で阪神はオリックス戦3連勝。1試合ごとに強さを加速させ、交流戦単独首位へと浮上した。その時点の成績は5勝1敗、借金どころか“貯金14”。チームは“球団最速”での交流戦5勝到達を果たし、かつてない勢いで上昇気流へ乗った。
そんな活躍の裏には、佐藤自身の技術と“こだわり”が光る。グリップやリストバンドに“ティファニーブルー”を愛用し、メジャー流行も取り入れる姿勢は自由かつ意欲的。6月8日は母の日カラーとして一時的にピンクのギアで登場するなど、気分の変化にも柔軟に対応している。
試合後のコメントでは、チーム状況を冷静に見つめる姿勢が印象的だ。佐藤自身も「やることは変わらない。気持ちを入れてやるしかない」と話し、盤石のゲームプランを継続。その言葉どおり、チームも佐藤に続く形で好循環を築き、首位独走へ駆け抜けている。
今季から4番に定着した佐藤は、全試合打率.259、91本塁打に近いスラッガーとして恐れられてきた。交流戦前まではリーグ1位の本塁打数37本を誇り、昨年の日本一リードを継承するべく気迫をにじませる。投手陣にも安心感があり、野手陣全体の機運が高まっている。
特筆すべきは、チームワーク。森下翔太との“アベック弾”も話題だ。6月8日には敬遠された森下の後に火をつける形で佐藤が満塁弾を放ち、「森下には負けない」とお互いを刺激し合う関係がファンを虜にしている。
交流戦はまだ序盤だが、この勢いなら阪神初の交流戦優勝も視野に入る。6月10日からは敵地ビジター6連戦。若手にも経験豊富な投手陣にもチャンス到来だ。佐藤を軸にした打線が火を噴けば、パ・リーグ本拠でも“虎戦士”たちがさらに猛威を振るうだろう。
今後も注目は、佐藤がいつ通算キャリア100本塁打を大きく更新し、“虎の大砲”としてどんな数字を残すか、そして交流戦のクライマックスでどんな心打つ活躍を見せてくれるかだ。6月中旬以降の大一番も、輝かしい軌跡を刻む“佐藤軌道”に期待が高まる。
阪神の交流戦連覇、そして交流戦全体優勝への挑戦は、まさに佐藤輝明不在では語れない。打撃スタイル、ギアへのこだわり、人間的な気迫──すべてが一丸となり、2025年の交流戦は“虎の季節”への序章となりつつある。これからも全国の野球ファンを熱狂させるであろう大砲の一発一発に、注視が止まらない。
