2025年6月5日、交流戦の北海道日本ハムファイターズ対阪神タイガース第3戦がエスコンフィールド北海道で行われた。この試合は、猛虎の4番・佐藤輝明がプロ通算100本塁打を達成する記念すべき日となっただけでなく、阪神が7対1で快勝し、チームとしても交流戦3カード連続の勝ち越しを決める内容となった。
初回から試合は動いた。阪神の先頭・近本光司が日本ハム先発の加藤貴之からライト線を破るツーベースを放ち、早速チャンスを演出。続く中野拓夢は送りバントこそ失敗したが、3番森下翔太が鋭い打球をレフト前に運び、近本が先制のホームを踏んだ。さらに4番大山悠輔がレフトへ犠牲フライを放ち、阪神はわずか12球で2点を先取する理想的な立ち上がりを見せた。
さらに3回表には再び森下が中堅フェンス直撃のツーベースを放つと、大山が今度はしぶとくレフト線に落とすタイムリー。スコアは4対0と広がり、日本ハムベンチはすでに浮足立ち始めていた。加藤貴之にとっては制球の甘さと球威不足が重なり、阪神打線の巧みな対応に打つ手がない状況だった。
そしてこの日最大のハイライトが訪れたのは8回表だった。阪神は追加点を奪いたい場面で、先頭の佐藤輝明がカウント1ボールから高めに浮いたスライダーを完璧にとらえた。放たれた打球は快音を残して高々と舞い上がり、バックスクリーン右へ飛び込むソロホームラン。観客席からはどよめきが起き、ベンチではナイン全員が総立ちとなった。
これが佐藤にとって節目となるプロ通算100号本塁打。「打った瞬間、入ると確信した。ここまで長かったけど、やっと大台に届いた」と佐藤は試合後、記念球を受け取りながら目を潤ませた。2019年ドラフト1位で鳴り物入りで入団してから約6年。三振と本塁打の荒々しいスタイルで批判も浴びたが、ここ一番で魅せる長打力は球界屈指だ。
この一発でチームも完全に勢いづき、続くヘルナンデスがライト前ヒット。代走の熊谷が盗塁を決めてさらにチャンスを広げると、木浪の一打と相手のエラーが絡んで2点を追加し、7対0と突き放した。試合を通じて阪神は13安打と打線が繋がり、犠打や走塁も絡めた“矢野野球”から続く総合力の高さを見せた。
投げては先発のジョン・デュプランティエが圧巻の内容だった。6回2/3を投げ、被安打5、無失点、12奪三振と相手打線を完全に封じた。鋭く沈むスライダーとカットボールのコンビネーションが冴え、日本ハムの若手打者たちは完全にタイミングを外されていた。特に清宮幸太郎からは3三振を奪い、制球力と球威の両立を証明した。
リリーフ陣も奮闘した。7回途中から登板した湯浅京己は復帰後最長となる1イニングを無失点に抑え、岡留英貴もランナーを背負いながら粘投。そして最終回には石黒佑弥がマウンドに上がり1失点はしたものの、落ち着いてゲームを締めくくった。
一方の日本ハムは、攻守ともに精彩を欠いた。2番の石井一成がマルチヒットを放ったものの後続が続かず、唯一の得点は9回裏、万波中正の右前打から始まった連打での1点のみ。加藤貴之は序盤に崩れ、試合を作れなかったのが痛手となった。
試合後の岡田彰布監督は「ええ流れで打線が繋がったし、投手もよぉ頑張った。佐藤の100号はええ記念になったんちゃうか」と語り、佐藤の節目の一発と勝利を喜んだ。
この勝利で阪神は交流戦成績を5勝3敗とし、パ・リーグ勢相手にも互角以上の戦いを続けている。打線の復調、若手の成長、そしてエース・村上頌樹の復帰も間近とあって、後半戦に向けた明るい材料が揃いつつある。佐藤輝明の100号は、その先の飛躍を予感させる一打となったに違いない。
