2025年7月26日、甲子園球場で行われた阪神タイガース対DeNAベイスターズのシーズン後半開幕戦は、先発した才木浩人投手が116球、被安打4・無四球・9奪三振の力投で見事な完封勝利を飾り、阪神が2−0で快勝した。
甲子園は蒸し暑い夏の夜。先発の才木は序盤からテンポ良いピッチングを展開し、開幕投手としての意地を見せた。初回早々にDeNA・桑原に右前打を許し、2死三塁まで攻め込まれた場面では、直球で牧から見逃し三振を奪って切り抜けた。その後も六回に再び2死三塁のピンチを迎えるが、牧の打球をフェンス前で近本がグラブに収め、またも無失点で切り抜けた。いざという場面では危機管理能力の高さを示し、修正力の成果が伺えた。球宴前から取り組んできた投球フォームの修正が功を奏し、直球の精度とカウントでの優位性が際立ったという。
その才木を援護したのは、打線の核となる選手たちだった。初回、相手のミスにつけ込みチャンスを作ると、そこを逃さず大山悠輔が2死一・三塁から中前適時打を放ち、先制点を奪取。後半戦の幕開けにふさわしいタイムリーだった。さらに六回、佐藤輝明がDeNA・ケイのスライダーを完璧に捉え、右翼スタンドへ飛び込む今季26号ソロホームラン。打球速度178キロ、飛距離124メートルの豪快な一発で勝負を決めた。佐藤はこの一発で今季100安打にも到達し、球団初の新人年から5年連続100安打の記録を達成した。
捕手・坂本とのバッテリーもこの日の決め手。才木が「誠志郎さんとのリベンジという思いがあった」と振り返ったように、4月1日の京セラドームでの敗戦を経て再び組んだバッテリーが、後半戦の初戦で見事に機能した。配球の妙とテンポ感が際立ち、両者の信頼関係と連携が光った。
藤川球児監督のコメントからも才木への信頼感が伝わる。藤川監督は「メカニックの修正ができていた。今後が非常に楽しみになる投球内容だった」と高く評価し、「後半戦も期待できる」と手放しの称賛を送った。また、チームとしても大きな意味のある完封だった。才木が作り出した8勝目により、チームの無失点勝利は21度目。これは1970年以来55年ぶり、即ち球団史上2番目に多い完封回数となり、チームの安定力と層の厚さを示す記録でもある。
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観衆からは「才木コール」が起こり、九回最後の宮崎との対戦を終えた瞬間、彼は拳を握って喜びを表し、ヒーローインタビューでは笑顔でお立ち台へ。マウンド上の冷静さと試合後の感情の発露のギャップが印象的だった。お立ち台では「最高でーす!」と満面の笑みを浮かべ、虎キチの大声援に応えた。
この勝利で阪神は貯金を今季最多タイの19とし、巨人に対して10ゲーム差をつけて首位を快走。後半戦に向けて勢いに乗るには理想的なスタートとなった。選手たちは浮かれることなく、佐藤も「油断していない。一戦一戦しっかり戦う」と語り、浮かれる様子は微塵も感じられない。
この試合は才木が長い9回をしっかり最後まで投げ切り、無四球という数字以上の精神的成長を示した完封劇だった。一方で大山、佐藤の役割も機能し、まさに投打がしっかり噛み合った試合であった。後半戦の序章としてふさわしい勝利であり、今季のタイガースの強さと安定感をあらためて印象づける内容だったといえる。
─後半戦の初戦で見せた阪神の総合力。今後もこの勢いを保ち、リーグ優勝へ向け、虎戦士たちの挑戦は続いていく。
