2026年4月5日、マツダスタジアムで行われた阪神タイガース対広島東洋カープの一戦は、阪神が1-2でサヨナラ負けを喫した。スコアは阪神が5安打1得点、広島が8安打2得点。9回表に追いつきながら、9回裏にサヨナラHRを許した悔しい敗戦だった。
試合は1回裏、広島が先に動いた。阪神先発・髙橋遥人は先頭の大盛穂に中前打を許し、中村奨成に送りバントを決められて一死二塁。ここで小園海斗を空振り三振に仕留めて二死までこぎつけたが、4番・佐々木泰にセンターへの先制適時打を浴び、広島に1点を先行された。続くファビアンは遊ゴロに打ち取ったものの、阪神は立ち上がりに追う展開を強いられた。
この日の阪神打線は、広島先発・栗林良吏の前に序盤から苦しんだ。1回表は近本光司、中野拓夢、森下翔太が三者凡退。2回表は佐藤輝明、大山悠輔、木浪聖也が三者凡退で、2回終了まで無安打だった。3回表に福島圭音が右前打を放ち、髙橋が送りバントでつないで二死二塁としたが、近本が二ゴロ。初回の1点をすぐに取り返すことはできなかった。
栗林を打ち崩せず 重苦しい展開の中で阪神打線は沈黙
広島先発・栗林は、阪神打線に最後まで主導権を渡さなかった。4回表は中野が一ゴロ、森下が空振り三振、佐藤が空振り三振。5回表も大山が中飛、木浪と伏見寅威が連続三振に倒れ、阪神は5回終了時点で福島の1安打だけという苦しい内容だった。
それでも阪神は、投手陣が追加点を許さず試合を崩さなかったことが、終盤の反撃につながる土台になった。髙橋は2回裏を三者凡退、3回裏は一死から大盛に中前打を許しながらも中村奨成に再び送りバントを決められた後、小園を遊ゴロに打ち取った。4回裏も佐々木、ファビアンを打ち取り、坂倉将吾を三球三振。5回裏も先頭のモンテロに中前打を浴びたが、勝田成を三振、栗林に送りバントを許した後、大盛を二ゴロに抑えた。
6回裏には無死から中村奨成に四球を与え、小園の送りバントで一死二塁。さらに佐々木の打球がショートへの内野安打となって一死一、三塁とされたが、ファビアンを二飛、坂倉を二ゴロに仕留めて無失点で切り抜けた。この回をしのいだことで、阪神はなお1点差のまま終盤勝負に持ち込んだ。
一方で打線は、6回表にようやく二死から中野が左前打を放ったが、森下が三ゴロ。7回表も大山が二死から左前打で出塁したものの、木浪が空振り三振に倒れた。安打は出ても連打にならず、得点圏での決定打も生まれない。栗林の前に、阪神は終盤までゼロを並べ続けた。
Tiktok動画はこちら
8回に執念の同点劇 坂本の代打安打と近本の犠飛で追いつく
試合が動いたのは8回表だった。阪神は先頭の代打・髙寺望夢が中前打で出塁。続く福島の遊ゴロで一死二塁とし、ここで代打・坂本誠志郎がレフト前打を放って一死一、三塁の好機を作る。広島バッテリーにとっては、この試合で最も大きなピンチだった。
ここで打席に入った近本光司は、1アウト一三塁からレフトへの犠牲フライを放ち、三塁走者の髙寺が生還。阪神はついに1-1の同点に追いついた。
この回の阪神は、先頭打者の出塁、進塁打、代打安打、犠牲フライと、無理に長打を狙うのではなく、一つずつアウトを使いながら同点までこぎ着けた。終盤の1点をどう取るかという意味で、非常に洗練された攻撃だった。ただし、二死一塁から中野が空振り三振に倒れ、勝ち越し点までは奪えなかった。ここで試合をひっくり返せなかったことが、結果的には大きく響いた。
阪神投手陣も同点直後まで踏ん張っていた。7回裏からは早川太貴が登板し、モンテロを中飛、勝田に中越え二塁打を許した後、栗林に送りバントを決められて二死三塁となったが、大盛を見逃し三振。1点も与えず、阪神に9回の攻撃機会を残した。終盤の流れを切らさなかった点は評価できる内容だった。
敗因は序盤の1点と打線の停滞 最後はサヨナラ弾で力尽きる
だが、同点で迎えた9回裏、阪神は最後の最後で踏みとどまれなかった。マウンドに上がった桐敷拓馬は、一死走者なしからモンテロに右翼へのサヨナラ本塁打を浴び、試合終了。阪神は1-2で敗れた。終盤に追いついた粘りは見せたものの、最後は一発で決着をつけられた。
この試合の敗因として考えられる事といえば、第一に初回の先制点が重かった。広島は初回、一死二塁からの適時打で確実に1点を取り切ったのに対し、阪神は8回まで無得点。常に追う立場になったことで、攻撃の選択肢も限られた。
第二に、栗林を打ち崩せなかった打線の停滞がある。阪神の5安打のうち、同点につながった8回は髙寺、坂本の連打と近本の犠飛で1点を取ったが、全体としては三振も多く、2回、4回、5回は三者凡退。得点圏での打撃以前に、攻撃を連続させる回数自体が少なかった。栗林は8回1失点、阪神はその投球の前に終盤まで主導権を握れなかった。
第三に、追いついた直後の9回裏をしのげなかったことも決定的だった。接戦では、同点に追いついた勢いを次の守りで定着させられるかどうかが勝敗を分ける。この試合の阪神はそこを越えられず、モンテロの一発で試合を落とした。
それでも、髙橋が6回を1失点でまとめ、早川も7回裏のピンチを抑え、8回には代打陣と近本の仕事で追いついた。勝機がまったくなかった試合ではない。だからこそ、序盤の1点、終盤のもう一本、最後の1球――そのわずかな差が、より痛く映る敗戦だった。
