役割は変わっても、試合に絡み続けた“信頼の一打”
2025年シーズン、阪神タイガースの内野手・糸原健斗はスタメン固定の立場ではなかった。それでも一軍の試合に継続して出場し、代打・途中出場・守備交代という形で試合の流れに関与し続けたシーズンだった。派手な数字よりも、「必要な場面で呼ばれた回数」が、糸原の価値を示している。
代打起用が示したベンチの信頼
4月から6月にかけて、糸原は主に代打で起用される場面が多かった。打順が固定される選手ではないが、試合終盤の打席で名前が呼ばれる機会があった。これはベンチが「勝負どころで任せられる選手」として計算に入れていたことを示している。
糸原は長打で試合を決めるタイプではない。だが、コンパクトなスイングと状況対応力が評価され、リードされている場面や走者を置いた局面で起用されるケースが継続した。
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8月19日――流れを変えた代打タイムリー
今季を象徴する場面の一つが8月19日の中日ドラゴンズ戦だった。糸原はこの試合、途中出場で代打として打席に立ち、走者を返すタイムリーヒットを記録。試合の流れを動かす1点がスコアボードに刻まれた。
この一打は、スタメンではなくベンチスタートだった選手が“代打の切り札として、勝負どころで仕事を果たした”典型例だった。ベンチワークの中で、最も緊張感の高い打席に送り出されるのが代打だ。その場面で結果を残した事実は、この年の糸原の役割と評価を端的に示している。
守備起用と一軍帯同の継続
夏以降は守備からの途中出場も増えた。主に三塁手のバックアップとして起用され、何度も守備機会を得た。終盤の守備交代で投入されるケースが続いたことは、失点を防ぐべき局面で起用されていた証拠だ。
9月以降も一軍登録が継続し、代打・守備要員としてベンチに名前が残り続けた。スタメン固定ではない立場でも、チーム内での役割が途切れなかったことが、このシーズンの糸原の最大の功績でもある。
“主役ではないが不可欠な存在”であり続けたシーズン
糸原健斗の2025年は、レギュラーとして数字を積み上げるシーズンではなかった。しかし、
・代打起用が続いた
・守備交代で投入された
・8月19日に代打タイムリーを放った
・一軍帯同が継続した
この事実の積み重ねが、この年の糸原の評価そのものだ。
しかし、当の本人がこれで満足するはずがない。
26年シーズンは、スタメン奪取をかけて猛練習に打ち込んでいくだろう。
