乱戦の末に5-4で意地の勝利!ドリスが2180日ぶり白星飾る

乱戦の末に5-4で意地の勝利!ドリスが2180日ぶり白星飾る

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2025年8月19日、京セラドーム大阪。
阪神は中日との対戦で5-4の接戦をものにした。先発は阪神がビーズリー、中日はマラー。舞台も顔ぶれも、前夜の余韻を引き継いだ張りつめた空気のまま、1球ごとに主導権が揺れ動いた。

先手を取ったのは中日。2回表、四球と安打で走者をためられたビーズリーが押し込まれ、1点を先制される。制球に苦しみ球数もかさむ展開だったが、最少失点で切り抜けたことがのちの勝機につながった。対する阪神は直後の2回裏、榮枝の右前適時打で同点。さらに井坪の三ゴロで三塁・チェイビスの一塁悪送球(記録は内野安打+失策)を誘発し、二者が一気に生還。この回一挙3得点で逆転に成功する。プロ初昇格から2戦目でスタメン中堅に抜擢された井坪は、この打席の一打がプロ初安打となり、記念の一歩をチームの逆襲として実践した。

ビーズリーは4回1/3で降板。被安打5、与四球3、与死球2、失点3。球威は十分ながらカウントを苦しくして痛打や進塁打を許す場面が目立った。5回表には中日打線の連続長短打で2点を失い、試合は3-3の振り出しへ。それでも後続のハートウィグが同点止まりで火消しすると、阪神ベンチは継投勝負に舵を切る。

迎えた6回裏、2死二塁で代打・糸原。低めに沈むフォークに食らいついた打球は前進守備のライト前にぽとりと落ちる勝ち越し打となった。続く熊谷も中前へ運び、この回2点。渋さと確実性で試合を動かす“いぶし銀”の芸当が、終盤まで効く重たい追加点になった。糸原の適時打は昨季9月29日以来のタイムリーで今季初。勝負所で1球を仕留めた巧みさは、代打の妙味を体現した一振りだった。

 

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守りでも阪神は集中力を切らさない。二遊間の機動力を生かした併殺や前さばきで投手陣を援護。終盤、中日の反撃ムードを要所で断ち切った。この日の阪神は失策0。一方、中日は2回と6回に三塁・チェイビスの失策が失点に直結し、拙守が試合の趨勢を左右した。守り切る力が問われる1点差ゲームでの守備の差、それが結果にも如実に表れた。 

継投はドリス、及川、石井、岩崎のリレー。ドリスは6回を無失点で切り、2019年8月31日以来となる“2180日ぶり”のNPB白星を手にした。豪腕は「どんな状況でも仕事をする準備はできている」と語り、短いイニングに全てを注ぐ役割で存在感を示す。7回、及川が岡林に右翼席へ運ばれるソロを浴びて1点差に詰め寄られるが、直後の立て直しも含め“最少失点で次へ”の原則を徹底。8回は石井がゼロでつなぎ、9回は岩崎が静かに3アウトを刻んで25セーブ目。勝ちパターンの形が、夏場の連戦の中でさらに研ぎ澄まされている。

打線では、4番・大山が四球2つを含む出塁で流れを作り、3番・森下は適時機会での凡退も含め打席の質を高め続けた。榮枝は2安打1打点で攻撃の流れを生み、途中からマスクをかぶった坂本は配球とブロッキングで終盤の微差を守った。何より熊谷が先頭に立って“守り勝つ野球”を引っ張り、二遊間の要としての価値を改めて証明した。ベンチワークも含め、「攻め急がず、守りをほどかない」チームの色が、勝負所の1球、1歩の差を生んでいる。

一方の中日は、岡林が7回にソロ本塁打を放って1点差に迫り、細川、ボスラー、チェイビスら中軸も随所で粘りを見せたが、あと一押しを欠いた。井上監督は「しょうもないミスをした方が負ける」と悔しさをにじませ、拙守の連鎖を断ち切ることの重要性を強調。拮抗戦での細部の質が、白星の確率を大きく左右するという教訓を改めて感じたことだろう。

この日は近本が休養で今季初の欠場となり、昨季6月30日から続いた連続試合出場は180でストップ。それでもスタメンを大幅に入れ替えながら勝ち切った事実は、総合力と層の厚みの裏づけだ。藤川監督は先を見据えつつ、要所のカードで確実に白星を拾う戦い方を浸透させている。勝利で優勝マジックは「21」に。シーズンの最終コーナーへ向け、1点差ゲームを落とさない集中と執念が、確かな推進力になっている。

数字が示すのは“総合力の勝利”だ。阪神は無失策、与四球も最小限に抑え、救援陣は通算の役割通りにゼロで締めた。打席数や出塁の積み上げで見れば派手さはないが、2回の3得点と6回の2得点――得点イニングの質と重みがきっちり勝敗に直結している。中日は安打11ながらも4点まで。阪神の9安打5得点は効率が高く、終盤の“1点を守る技術”では一枚上回ったと言える。次戦以降、相手守備のほころびをどう突き、こちらはどう未然に防ぐか。夏場の勝率を左右する分岐が、この1試合の中に凝縮されていた。

最後に、この日のキーマンを3人挙げたい。まずは代打で勝負どころを仕留めた糸原。少ない打席で最大値を引き出す準備と集中が、接戦を動かした。次に熊谷。適時打はもちろん、二遊間の守備範囲と判断力が投手陣の勇気になった。そしてドリス。2180日ぶりの白星は、経験値の厚みを示す勲章であり、ブルペン全体の士気をも押し上げる価値がある。投打の“ツボ”を押さえた阪神が、乱戦の輪郭を最後まで自分たちの色で塗りつぶした。

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