―数字が語る、石井大智の2025年シーズンー
2025年シーズン、阪神タイガースのブルペンにおいて、石井大智の名前は日常的に呼ばれ続けた。登板数は53試合。リリーフ投手としては十分に多い数字であり、しかもシーズンを通して一軍の戦力として起用され続けたことを示している。投球回は53イニング。登板機会の多さだけでなく、1試合あたりの役割が短く終わる「軽い登板」ではなかったことも、公式記録から読み取れる。
この年の石井の防御率は0.17。自責点はわずか1でシーズンを終えた。これは、一定以上の投球回数を投げたリリーフ投手として、極めて低い数値である。勝敗は1勝0敗、ホールドは36、セーブは9。数字だけを並べても、石井が「中継ぎ専門」あるいは「抑え専任」といった単一の役割に固定されていなかったことは明らかだ。7回、8回、時には9回。登板イニングとシチュエーションが複数にまたがりながらも、結果として失点を抑え続けたシーズンだった。
これらの成績は、単発の好調期によるものではない。2021年以降、石井は毎年おおむね50試合前後に登板し、防御率も年々改善させてきた。2025年は、その積み上げが最も明確な形で数字に表れた一年だったと言える。
勝ち試合の流れの中で
――石井大智が担っていた現実の役割
石井の2025年シーズンを振り返ると、「どの場面で投げていたか」が重要な要素として浮かび上がる。公式記録を確認すると、石井は敗戦処理的な登板よりも、リードを保つ状況、あるいは同点・僅差の局面での登板が多かった。ホールド数36という数字は、その役割を端的に示している。
開幕直後から石井は継続的に登板を重ね、4月の段階で無失点登板を続けた。交流戦に入ってからも防御率は0点台を維持し、登板間隔を調整されながらも成績を崩さなかった。交流戦終了時点でも自責点は記録されておらず、長期日程の中でも安定した投球内容を維持していたことが確認できる。
夏場以降も状況は変わらない。複数の報道では、石井が40試合以上連続して自責点を与えなかったことが伝えられている。これは公式記録と試合結果を積み上げることで裏付けられる内容であり、シーズン後半にかけて登板数が増えても、防御率が上昇しなかった事実と整合する。
また、9セーブを記録している点も見逃せない。これは抑え投手が登板できない状況や、試合展開によって石井が最終回を任されたケースがあったことを示している。役割が固定されない中でも、失点を防ぎ、試合を締めた登板が公式記録として残っている。
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数字が示す継続性
――「一時的な好調」とは異なる積み上げ
石井大智の2025年を評価する際、単年成績だけを見ると突出した数字が並ぶ。しかし重要なのは、その前後にある数年間の推移だ。2021年以降、石井は毎年一軍で安定して登板し、防御率は3点台から2点台、1点台へと段階的に改善してきた。2025年の0.17という防御率は、その延長線上に位置づけることができる。
ホールド数も同様である。2021年の14から、2022年20、2023年26、2024年24、そして2025年は36。年によって多少の増減はあるものの、ブルペンの中心的役割を担ってきた事実は数字として一貫している。登板数も大きく落ち込んだ年はなく、5年連続で50試合前後に登板している。
この継続性は、リリーフ投手としては重要な評価軸となる。短期間の活躍だけでなく、複数年にわたって一定以上の結果を残し続けていることは、公式成績から明確に確認できる。2025年は、その中でも最も完成度の高い一年だった。
契約更改という結果
――数字と金額の整合性
2025年12月、石井大智は契約更改交渉に臨み、年俸2億円でサインしたことが報じられた。前年からの増額は約1億1800万円とされている。この金額について、球団から詳細な評価基準が公表されているわけではないが、成績と照らし合わせることで、金額を検証することは可能だ。
2025年の公式成績は、防御率0.17、53試合登板、36ホールド、9セーブ。阪神投手陣の中でも、防御率は最も低い水準にあり、登板数・役割の幅という点でも上位に位置している。さらに、2021年以降の複数年にわたる安定稼働という実績も加わる。
これらの事実を並べると、契約更改で大幅な増額が行われた理由は、数字上から説明がつく。突出した単年成績と、積み上げてきた複数年の実績。その両方が2025年に揃った結果として、年俸2億円という評価に至ったと整理できる。
石井大智の2025年シーズンは、特定の試合や一瞬の活躍によって語られるべきものではない。頭部への打球直撃という事故を乗り越え、53試合という登板数と、1という自責点の少なさ。公式記録として残った数字そのものが、シーズンを通じた役割と結果を物語っている。契約更改は、その数字を金額として反映した結果であり、堂々と胸を張るに値する内容であった。
