タイガース・2025秋ドラフト採点レポート

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中軸候補を積み増しつつ、将来の投打の核も確保 —— 総合評価:92点

2025年の阪神は、ドラフト会議で非常にわかりやすいメッセージを出した。
「右の強打者を軸にした得点力アップ」と「先発・中継ぎの層の再構築」

この2点に一直線に向かった指名内容だ。上位3人は全員右打ちの野手。そのうち2人は内野手、1人は外野手で、いずれも将来のクリーンアップ候補と評されるスケールの持ち主。
投手は高校生の本格派右腕と、社会人の技巧派右腕を1人ずつという組み合わせで、即戦力と伸びしろの両方を押さえた。

育成2人を含めると、プロでの“化け方”次第では10年単位でチームの顔が変わりうるドラフトと言っていい。


◆1位 立石 正広(創価大・内野手)

評価:98点 —— 「大学No.1右のスラッガー」を一本釣り

立石は、球団公式も“大学トップクラスの右の強打者”と紹介するほどのスラッガー。ガッチリした体格から鋭くバットが出て、センターから逆方向にもスタンドインできるだけの飛距離がある。

阪神にとっては、

  • 将来のクリーンアップ候補となる右打ち内野手

  • 大山の次世代を見据えた三塁・一塁の柱候補

という2つの意味で非常に重要なピース。1年目からいきなりレギュラー奪取…とまでは行かなくても、キャンプ・オープン戦次第では開幕一軍ベンチスタートも十分ありうる完成度だろう。

守備位置はサードかファーストが中心になると見られるが、打撃のポテンシャルを考えれば多少守備に目をつぶってでも使いたくなるタイプ。
「長年欲しかった右の本格派スラッガーを、最も良いタイミングで獲れた」という意味で、1位は文句なしの大成功指名と言ってよい。


◆2位 谷端 将伍(日本大・内野手)

評価:94点 —— 左右どちらにも長打を飛ばせる“セカンドの主砲候補”

谷端もまた右打ちの内野手だが、立石とは少しタイプが違う。こちらはコンタクト能力と広角への長打力を兼ね備えた中距離〜長距離打者。球団コメントでも“広角に長打を放てる打撃センスと勝負強さ”が強く推されている。

経歴は星稜高〜日本大という、勝負どころを知る“勝ち慣れた”キャリア。三塁・二塁・一塁と複数ポジションをこなせる器用さも魅力で、将来的には「どこを守らせても3番・5番が打てる内野手」という理想像が見えてくる。

  • 立石:どっしり構えた典型的な大砲型

  • 谷端:ミートもできる“飛ばせる巧打者”

この2人を上位で並べて獲得できたことで、阪神の中軸候補は一気に厚みを増した。
「1位と2位が両方とも数年後のクリーンアップ候補」——そのインパクトだけでも、このドラフトの評価を一段押し上げている。


◆3位 岡城 快生(筑波大・外野手)

評価:90点 —— 走攻守三拍子揃った外野の“総合力型スター候補”

岡城は、身体能力の高さと総合力が魅力の外野手。強い打球を広角に飛ばす打撃、俊足、強肩と、走攻守のバランスの良さがストロングポイントだ。

近本・森下らがいる外野は一見“埋まっている”ように見えるが、

  • 近い将来の世代交代

  • ポジション別の層の厚さ

  • ケガ・不調時のバックアップ

まで考えると、外野の上位指名は決して贅沢ではない。岡城は守備範囲の広さと肩を生かしてセンター・ライトを任せられるタイプで、「センターラインの守備力を落とさずに打力を上げる」という理想像にも合致する。

1〜2位が“打撃寄りの内野手”だったのに対し、3位で「守れて走れて打てる外野手」を押さえたことで、野手全体のバランスも整った。

 

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◆4位 早瀬 朔(神村学園高・投手)

評価:88点 —— 150km/h級の直球を持つ、高卒本格派右腕

早瀬は、高校生ながら150km/h近いストレートを投げ込む本格派。マウンド上で物怖じせず、打者に向かっていくスタイルが評価されている。

現時点では体づくりやスタミナ面に課題は残るが、

  • 身長185cmの長身

  • 球速アップの余地

  • 変化球の精度が上がった時の上限値

を考えると、ローテーション投手になれるポテンシャルは十分。高卒4位という順位は、リスクとリターンのバランスが非常に良い

阪神は高卒投手の育成に実績があり、早瀬はまさに「時間をかけて磨きたい素材」。2〜3年ファームで鍛えたのち、先発として頭角を現すシナリオが現実味を帯びている。


◆5位 能登 嵩都(オイシックス新潟・投手)

評価:86点 —— 縦割れカーブが武器の“技巧派右腕”

能登は、独立リーグで実績を積んだ社会人右腕。特徴的なのは、大きく縦に落ちるカーブと、タイミングを外す巧みなピッチングセンスだ。球団はコメントで、変化球のキレとゲームメイク能力を高く評価している。

ストレートの球速は今後の伸びしろとされているが、

  • 既にプロ打者相手でも通用しそうなカーブ

  • 配球と駆け引きの上手さ

があるため、中継ぎ・ロングリリーフとしては早期に戦力になる可能性がある。
4位早瀬が“将来の先発柱候補”なら、5位能登は“今不足している枠を早めに埋めたい即戦力寄りの投手”という位置づけで、ここでもバランス感覚の良さが光る。


◆育成:神宮 僚介/山﨑 照英

評価:育成枠として高評価の“お買い得コンビ”

  • 神宮 僚介:サイド気味のフォームから150km/h近い速球とキレのある変化球を投げ込む右腕。先発・中継ぎどちらもイメージできるタイプで、支配下昇格までの距離はそこまで遠くない。

  • 山﨑 照英:独立リーグで鍛えられた俊足外野手。盗塁技術と守備範囲に優れ、リードオフマン候補としてのポテンシャルを評価されている。

“育成でも即戦力候補を拾う”というよりは、一芸に秀でた素材を預かって自前で磨く指名で、阪神の育成力との相性が良い2人と言える。


◆総括:ニーズと将来像がきれいに重なったドラフト

総合評価:92点

  • 右の中軸候補を1位・2位でダブル獲得

  • 走攻守バランス型の外野手で将来の外野陣を底上げ

  • 高卒本格派&社会人技巧派という“タイプ違いの投手”で先発・中継ぎの将来設計

  • 育成では、150km/h級右腕と俊足外野手を指名

という構図は、非常にロジカルかつバランスの良いものだ。

とくに、立石・谷端・岡城の3人は、数年後の打線の骨格を塗り替えかねないポテンシャルを持っており、「打てる阪神」へのシフトチェンジを加速させる可能性がある。
一方で、早瀬・能登・神宮は、投手王国としての看板を守るための“先手の打ち方”としても評価できる。

総じて、「3〜5年後のチーム像」がしっかりリンクしたドラフトになっており、12球団の中でも成功の部類に入ると見ていいだろう。

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