豊富な投手が揃う今のタイガースにあって、「実績組」の湯浅投手も苦しい戦いが続きます。オープン戦で結果を残せず2軍行きを命じられたばかりですが、ここでしっかり調整して本来のピッチングを取り戻してほしいですね。大事な場面で活躍してほしいですね。
【元虎番キャップ・稲見誠の話】阪神の昨季開幕星バッテリー離脱 梅野隆太郎は時間が解決 湯浅京己は何が必要なのか…
(サンケイスポーツより)
「ノーコメントで」
非情通告から一夜明けた24日、2軍に合流した阪神・湯浅京己は感想を求められ、努めて明るく振る舞った。巨人、ヤクルト、中日とのセ・リーグ3連戦で中1日で登板する予定も岡田彰布監督の逆鱗に触れた。ブルペンで105球。福原忍2軍投手コーチもアドバイスを送る。復肩を目指す戦いが始まった。
22日の練習中に右肩に痛みを覚えた梅野隆太郎には「肉離れ」の診断が待っていた。キャンプ打ち上げは27日とあって、本体から離脱することなく、帯同する。18年ぶりリーグ優勝に輝き、1985年以来、2度目の日本一を手にした2023年。シーズン開幕星を挙げた3月31日のDeNA戦(京セラ)の九回のバッテリーを務めた2人が戦列を離れた。本来なら一大事となる捕手の負傷も今のチームなら、最小限の影響で抑えられる。時間が解決する梅野。それまで坂本を中心に復帰を待つ。しかし湯浅は無期限不在でも戦える状況だ。
間が悪すぎた。開幕1軍を目指すハイレベルな競争を続ける虎投。岡田監督は中継ぎ陣を「8枠」と明言。「右4、左4」を軸として、見極めに入ると語っていた矢先の乱調だった。23日の巨人戦。開幕前哨戦の七回、5番手で登板した湯浅は無死から3連打を浴びるなど、4安打1四球で2点を失った。加治屋蓮、石井大智、浜地真澄、桐敷拓馬がゼロを並べる中で異質だった。「ずっと言うてるやんか」。岡田監督にしてみれば『ほれ、見たことか』ー。もう止まらなかった。
「明日から2軍やん。投げてる最中に言うたよ。そんなん無理やん。ずっと言うてるやんか、いろんな面でやり直さなアカンのちゃう? もう一回」
今キャンプの湯浅に対する厳しい言葉を思えば、これでもマシ。2月の苦投の前触れとなったのが、1回3安打1失点だった11日の紅白戦後のコメントだった。連覇への「新戦力」と期待していただけに、その反動は大きかった。
「湯浅だけやな。初球から球速ばっかり見とったんな」「ホームラン打たれても、平気な顔しろって言ったやんか。知らんぷりしとけって。グラウンドに帽子を投げてるようなピッチャー、俺は使わへんよ」「悔しかったら打たれんように投げたらええねん。お前が悔しいちゃうねん。チームが悔しいねん。そやろ? お前1人でやってるんちゃうんやから」
本人の心中を察すれば…。別に球速を気にしているわけではない、打たれた自分を責めて何が悪いのか。そんな思いがあったはず。それでも「知らんぷり」で、昨年クイック投法を指摘された青柳晃洋のように己の感情を鎮めた。岡田阪神では親分の辛辣な激励の対処法は聞き流すか、数字を残すかの二つ。湯浅の場合は、どちらもクリアできなかった。
試行錯誤か迷走か…。オフは2度渡米し、自身をアップさせる術を求めた。理解しているのだろうが、結果が伴わない。「質のいいボールを投げるためのフォーム」「下半身使いながら全身で投げられるように」「開幕まで状態上げて…やるだけかなという感じ」「一昨年から福原さんと話しながらやっていることを今回話しながら」。冒頭のフレーズの後に続けた発言を読むと、口では説明できない領域で、もがいている。それだけはわかる。だから治療と時間があれば1軍復帰が叶う梅野とは、そこが根本的に違う。無期限。孤独とは言えないが、〝ドクター〟は不在。1軍マウンドで勝利の儀式を終え、ベンチ前で岡田監督の出迎えを受ける。昨季の開幕戦後、さほど見られなかった光景を実現するために、湯浅は地道な日々の作業を続ける。
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