1年前は再就任したばかりだった岡田監督も、今回はじっくり選手の能力、パフォーマンスを把握しながら底上げに取り組めたのではないでしょうか。全チームから標的とされる事になる来季、それでも圧倒的なパワーで連覇を果たしてほしいものです。
【虎になれ】秋に思う阪神連覇への期待と不安
(日刊スポーツより)
やはり指揮官・岡田彰布は面白い。安芸・秋季キャンプ最終日。虎番キャップたちから「特に目を引いた選手は?」と問われ、門別啓人の名前を挙げた。にもかかわらず「隠したいからあんまり(記事を)書くなよ。ええことないって書け、言うてるやん」と注文するなど楽しんでいる様子。これも日本一効果か、などと勝手に思った。
昨年の同じ秋季キャンプを思い出す。岡田にとっては15年ぶりに監督に復帰し、初めての指導だった。その最終日。テレビインタビューで「キャンプMVP」を聞かれたときに、こう答えていたのを記憶する虎党も多いだろう。
「MVPて、みんな一生懸命やってんだから、そら、MVPは全員でしょ」-。はっきりとモノを言う岡田にしては一般的というか普通のコメントだったが、そもそも「試合も何もしてないのにMVPもないやろ」という考えなので、そうなったようだ。
それを考えれば門別に対する期待の大きさが伝わってくる。今季、成功した「投手を中心にした守りの野球」を続けていくためにも新しい投手は必要。助っ人獲得もあるが、やはり、自身の目で見ているだけに手応えがあるはずだ。
なにより岡田が門別の名を上げて、力説するのには指揮官として誰でも考えるものがあるはず。それは「現状維持では勝てない」ということだ。この世界の常識で過去に取材させてもらった仰木彬、星野仙一という名だたる監督たちも同じことを口にしていた。
来季は日本一の翌年である。セ・リーグはおろかパ・リーグを含め、11球団が「打倒・阪神」でくる。そんなことは過去に1度だけ。その86年は勝率5割の3位だった。ある意味、今年以上に厳しいシーズンになるのだ。
そこへの不安を上げれば、やはり佐藤輝明、森下翔太という若い主軸打者を侍ジャパンに取られ、文字通り、鍛え上げられなかったことか。今月6日のオーナー報告の際、岡田もそのことを口にしていたが、これは結構、大きなポイントではないかと思っている。
もちろん、今更言っても仕方のないことではある。願わくば侍ジャパンでの経験を生かし、2人が特に精神面、心理面でレベルアップしていることだ。それがあれば意味のあるオフを過ごすだろうし、球団史上初のセ連覇への夢も広がっていくはずだ。
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