7月21日、東京ドームで繰り広げられた伝統の一戦、阪神タイガース対読売ジャイアンツの一戦。この日の“ドラマ”は、まず阪神の圧倒的な攻勢から始まった。初回こそ静かな立ち上がりだったものの、2回に小幡竜平が前日に続いて右翼席へ先制ソロ。続く3回、今度は2打席連続となるソロアーチを放ち、阪神が2‐0とリードを奪う。さらに5回には大山悠輔が無死一塁から2ランを放ち、3本の1発攻勢で一挙5点を積み重ね、序盤に試合の主導権を握った。
投げては、阪神の先発・伊藤将司が6回まで無失点の好投。被安打2本のみでテンポよく攻め、阪神ファンが“ゲーム終盤”と胸を張る投球だった。だが7回に入ると一変。巨人の打線が本格的に目覚める。
先頭・佐々木が左翼線へ二塁打を放つと、連打とタイムリーでまず2点を返す。さらに失策が失点を重ねさせる痛恨の場面も。なおも無死一・三塁で登板した2番手ニック・ネルソンから、巨人・リチャードが左翼席へ3ランを叩き込み同点。これが勢いづく逆転の狼煙となった。
試合は5-5で迎えた9回裏。阪神の継投策が裏目に出る。伊原陵人が2死満塁のピンチを招くと、巨人・吉川尚輝が中前に鮮やかなサヨナラ打。巨人は今季5度目のサヨナラ勝ちを、阪神に対しても35年ぶりの5点差逆転劇を演出してみせた。
攻防の分かれ目は、7回と9回だ。7回途中までは完全に阪神ペース。だが焦点だったのは続投を選ばず交代したネルソンへの采配判断と、続くサヨナラの流れ。巨人が「全員で諦めなかった」姿勢がここに結実した。攻守において、勝負どころで粘り強さを見せた巨人と対照的に、阪神は守備のほころびと後手の継投が勝機を逃す結果となった。
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敗れた阪神は「投打がっちりの展開から暗転」という厳しい敗戦となってしまった。球宴前最後の試合で貯金20に届かず、2位DeNAとのゲーム差も9.5となり前半戦を終えた。一方の巨人は連敗を4で止め、自力Vへのわずかな光を取り戻し、後半戦への希望を感じられる試合となった。
阪神打線は計11安打を放ちながらも、直前のチャンスを生かしきれず、終盤の大逆転を浴びる結果となった。投手陣では伊藤将司の好投が光るも、継投で崩壊。巨人はリチャードの7回同点3ランと、吉川尚輝の9回サヨナラ打で底力を見せた。
この日45歳の誕生日を迎えていた藤川監督は、「最後にこういう形でやられるのは非常に悔しい」と試合の教訓を噛み締めるコメントを残し、悔しさを押し殺した。
阪神は立ち上がりから終盤まで理想的な形を築きながら、結末を逃す痛恨の敗戦で、前半戦を終える形となった。夏場に突入していくセ・リーグは、阪神が大きくリードしているとはいえ残り5チームは混戦必至。阪神は磐石の体制をより強固なものとし、クライマックスシリーズに備える後半戦となるだろう。両チームにとってこの日の結果は、それぞれの「後半戦への課題」と「弾みの材料」を与えられたとなった。伝統の一戦は、やはり競った試合でなくては・・・。
