9月10日、甲子園球場で行われたプロ野球セ・リーグ公式戦、阪神タイガース対横浜DeNAベイスターズ。前日の試合に続き、阪神は打線・投手ともに精彩を欠き、1‐6でDeNAに完敗を喫した。観客42,639人の入り。試合時間は3時間13分。阪神は21回戦を終えて12勝7敗2分。DeNAが東、阪神が伊藤将司を先発に立てた。以下、試合の流れ、ポイント、選手の動きなどをレポートする。
試合は阪神が初回に先制。この日2番でスタメン起用となった梅野が値千金のフェンス直撃の二塁打。得点圏に走者を進め、佐藤輝明の打席で薄暮でフライボールを見失うという相手守備の乱れがあり、ラッキーな形で阪神が1‐0とリードを奪う。この時点で甲子園の雰囲気は良く「今日はいけるか」という期待がファンに広がった。
しかし、阪神先発の伊藤将司は3回までパーフェクト投球を続けていたものの、4回に試合の主導権を失う。DeNAの蝦名達夫が中前打で出塁。続く桑原将志がバントを試みるが、犠打野選になり一、二塁のピンチを招く。ここで筒香嘉智を迎え、カウント2‐1から放たれた4球目を左翼スタンドへ運ばれ、筒香の逆転3ランホームランで試合をひっくり返した。阪神ベンチ、そしてスタンドの空気が一変する瞬間だった。
続く6回にはオースティンにもソロホームランを許し、1‐4と差を広げられる。伊藤将司はこの6回表以降もDeNA打線を抑えることができず、7回1死一、二塁という場面で降板。最終的に6失点、6回1/3を投げて被安打5、四球2、奪三振は5という結果に終わった。立ち上がりが良かっただけに、筒香とオースティンの2発被弾が痛恨だった。
阪神打線はその後、終盤にかけても沈黙。わずか1点のみでDeNA先発の東が安定した投球を見せ、5回以降はほぼ封じ込められた。阪神側では梅野、佐藤輝明がマルチヒットを放ち気を吐いたが、他の打者の調子が上がらず、得点機を作れない。その中でも若手・井坪陽生、楠本泰史らに安打が出たことは救いといえるか。また原口文仁も久々の出場となったが、ここぞという状況での一打には至らなかった。守備・走塁でも細かいミスやタイミングの悪いプレーがあり、勝負どころでの集中力の差がスコアに表れた。
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DeNAは先発の東克樹が13勝目。5回まで阪神打線を1点に抑え、球数は95球。変化球と制球を使い分け、阪神打者に的を絞らせない。リリーフ陣も入江、宮城、山崎、佐々木がしっかりとつないで無失点で逃げ切った。打線では筒香・オースティンの本塁打の他、蝦名が中前打と2安打で出塁、山本祐大・林琢真らがチャンスにヒットを放つなど流れを作る。全体として攻守が噛み合っていた。
試合後、阪神の監督・コーチ陣は先発投手へのカバーが遅れたこと、打つべき場面で一本が出なかったことを反省点として挙げた。特に筒香との対戦で「ランナーをためてしまった」状態を作ってしまったことを反省しており、投手も打者も攻め急ぎや焦りが見えた。伊藤将司自身は「筒香さんも状態がいいので、しっかり抑えたかった」と話しており、6回の被弾についても悔しさを隠せなかった。
この敗戦で阪神はDeNAにカード負け越しが決定。打線のつながりの悪さ、チャンスで一本出せない勝負弱さ、投手の中盤以降の粘りの欠如、これらが重なった完敗であった。今後、残り試合で再び勢いを取り戻せるか、特に先発陣の立ち上がりだけでなく、中盤のピッチング、またクリーンアップ以外の下位打線にも得点に繋がる打撃が求められる。阪神はクライマックスシリーズへ向けての調整を強いられる一戦だった。
阪神はこの2戦連続でDeNAに完敗。前日9日の0‐3に続いての1‐6。藤川監督は「チームを一度“洗濯”する」と表現したが、リセットして次の「1勝」を取りに行ってほしい。

