阪神が甲子園でDeNAに1-3で敗れた。2026年5月9日(土)、阪神タイガース対横浜DeNAベイスターズ7回戦。前日のDeNA戦では9回に大量8失点を喫して1-10の大敗。この日はその嫌な流れを断ち切りたい一戦だったが、終盤の8回に試合をひっくり返された。阪神は6回裏、木浪聖也の犠牲フライで1点を先制。しかし、追加点を奪えないまま迎えた8回表、DeNAに3点を奪われ逆転を許した。最終スコアは1-3。守備に失策はなく、大竹耕太郎も7回まで無失点で粘ったが、打線が5安打1得点にとどまり、接戦を落とした。
序盤から、阪神には先に流れをつかむチャンスがあった。1回裏、2死から森下翔太がフェンス直撃の二塁打を放つ。続く佐藤輝明は申告敬遠で歩き、2死一、二塁。打席には前川右京。ここで一打が出れば先制の場面だったが、前川は見逃し三振に倒れた。DeNA先発・篠木健太郎に対し、立ち上がりから得点圏に走者を置いたものの、あと一本が出ない。これがこの試合の阪神打線を象徴するような初回だった。
2回裏も2死から小幡竜平が左前打で出塁したが、投手・大竹が遊ゴロ。3回裏は2死から森下が四球を選んだが、佐藤が遊ゴロに倒れた。4回裏には1死から木浪が左前打で出塁し、盗塁で二塁へ進んだ。だが、坂本誠志郎の遊直で二塁走者の木浪が戻れずダブルプレー。走者を出しながら、得点に結びつかない攻撃が続いた。
それでも6回裏、阪神はようやくスコアを動かした。1死から佐藤が四球を選び、前川が中前打でつないで一、三塁。ここで木浪がセンターへ犠牲フライを放ち、三塁走者・佐藤が生還した。阪神が1-0と先制。木浪はこの試合、3打数1安打1打点、1犠飛、1盗塁。4回に安打と盗塁でチャンスを作り、6回にはきっちり犠飛で走者を返した。阪神打線の中で、得点に直接絡んだ数少ない働きだった。
ただ、問題はこの1点で終わってしまったことだ。6回はなおも2死走者なしとなり、坂本が空振り三振。7回裏には2死から髙寺望夢が右前打で出塁し、盗塁も決めて二塁へ進んだ。ここで中野拓夢が打席に入ったが、投ゴロに倒れて無得点。追加点の好機を生かせなかった。1-0のまま試合は終盤へ入り、8回表に大竹がつかまる。DeNAは1死から林琢真、成瀬脩人の連打で一、二塁。代打・宮﨑敏郎が四球を選び、一死満塁。ここで蝦名達夫に右前適時打を浴びて1-1。続く度会隆輝に左前2点適時打を許し、1-3と逆転された。
阪神は8回裏、DeNA3番手・中川虎大の前に森下、佐藤、前川が三者凡退。9回裏も山﨑康晃に対し、木浪、代打・元山飛優、小幡が倒れ、反撃できなかった。DeNAは篠木、ルイーズ、中川虎、山﨑の継投で阪神打線を5安打1得点に封じた。阪神は本塁打なし、長打は初回の森下の二塁打のみ。四球は4つ選んだが、得点は木浪の犠飛による1点だけだった。終わってみれば、5安打、4四球、2盗塁を記録しながら1得点。走者は出したが、得点へつなげる攻撃の厚みを欠いた敗戦だった。
5安打1得点 好機であと一本が出なかった攻撃陣
この試合で最も残念だったのは、阪神攻撃陣の決定力不足だった。チーム成績は30打数5安打1得点1打点、12三振、4四球、2盗塁。無安打に封じ込まれたわけではない。走者も出した。盗塁も決めた。犠飛で先制点も奪った。それでも、得点はわずか1点。1-0のまま試合を進めざるを得なかったことが、8回の逆転劇を招く土台にもなった。
初回の攻撃は、非常に惜しい場面だった。2死走者なしから森下が二塁打。打球はフェンス直撃となり、阪神が先に得点圏へ走者を進めた。佐藤は申告敬遠。DeNAバッテリーは4番との勝負を避け、前川との勝負を選んだ形になった。2死一、二塁。ここで前川が一本出せば、阪神が先制していた。しかし結果は見逃し三振。序盤の得点機を逃したことで、篠木を立ち直らせる形にもなった。
2回裏も、2死から小幡が左前打で出塁した。下位打線から投手へ回る場面で、得点に直結する可能性は高くなかったが、走者を出して上位へつなげたいところだった。しかし大竹は遊ゴロ。3回裏は森下が四球で出たが、佐藤が遊ゴロ。4回裏は木浪が安打で出塁し、自ら盗塁を決めて二塁へ進んだが、坂本のライナーで戻れず併殺となった。各回で走者を出しながら、流れがつながり切らない。阪神打線には、そうしたもどかしさが続いた。
5回裏は2死から髙寺が四球で出塁したが、中野が二ゴロ。7回裏は2死から髙寺が右前打で出塁し、盗塁で二塁へ進んだが、中野が投ゴロ。この2つの場面も、得点の可能性はあった。特に7回は1-0でリードしていた直後の攻撃。追加点を取れば、試合の流れを大きく引き寄せられる場面だった。髙寺が出て、盗塁まで決めたが、2番・中野が返せなかった。
中野はこの試合、4打数無安打1三振。1番・髙寺は3打数1安打1四球1盗塁、森下は3打数1安打1四球、佐藤は2打数無安打2四球1得点。上位打線は出塁こそあったが、つながりという点では十分ではなかった。森下の二塁打は得点に結びつかず、佐藤の2四球も6回の1得点以外では生かし切れなかった。前川は4打数1安打1三振。6回に中前打で先制点の形を作ったが、初回の得点機では三振に倒れた。
木浪は3打数1安打1打点、1盗塁、1犠飛と、攻撃面で最も結果を出した打者のひとりだった。4回には左前打から盗塁、6回には先制犠飛。阪神が奪った唯一の得点は、木浪の最低限の仕事から生まれたものだった。ただ、打線全体としては、その木浪の犠飛に続く追加点がなかった。犠飛で1点を取る攻撃は悪くない。しかし、1点で終われば接戦のリスクは高まる。結果的に8回の3失点で試合はひっくり返された。
三振の多さも響いた。チーム12三振。篠木に6回で6三振、ルイーズに1回で2三振、中川虎に1回で2三振、山﨑に1回で2三振を奪われた。終盤の8回、9回は特に厳しかった。8回裏は森下が空振り三振、佐藤が見逃し三振、前川が左飛。9回裏は木浪が空振り三振、元山が遊ゴロ、小幡が空振り三振。逆転された後、阪神打線は反撃の走者すら出せなかった。
この試合の攻撃陣の課題は、「まったく打てなかった」ことではなく、「点を取る場面で打てなかった」ことにある。5安打4四球で、走者は出している。盗塁も2つ決めている。だが、得点圏での一打、あるいは次の一打が出なかった。1点を取った6回も、佐藤の四球、前川の安打、木浪の犠飛という形で得点したが、その後の追加点はなし。チャンスを広げる攻撃まではできても、試合を決定づける攻撃には届かなかった。
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大竹7回まで無失点も8回暗転 援護1点の重圧がのしかかった終盤
先発・大竹耕太郎は、8回93球、打者32人、被安打10、被本塁打0、奪三振3、与四球1、失点3、自責点3。結果的には敗戦投手となり、今季2勝1敗となった。数字だけを見れば8回3失点。ただ、この試合の展開を追えば、7回まで無失点で踏ん張っていた投球内容がまず評価されるべきだろう。DeNA打線に安打を許しながらも、要所で失点を防ぎ、阪神に勝機を残していた。
1回表、先頭の蝦名に中前打を浴びた。しかし、度会を中飛、ヒュンメルの三直で一塁走者・蝦名も戻れずダブルプレー。初回を無失点で終えた。2回表は2死から勝又に中前打を許したが、けん制で誘い出し盗塁失敗。3回表は林、成瀬、篠木を三者凡退。4回表も蝦名、度会、ヒュンメルを三者凡退に封じた。安打を許しても、次のプレーで断ち切る。大竹らしい粘りが見えた序盤だった。
5回表も1死から松尾に左前打を許したが、盗塁を試みた松尾をアウトにし、無失点。6回表は2死から投手・篠木に二塁内野安打を許したが、蝦名を二飛。7回表も2死から佐野に左前打を許したが、松尾を右飛に抑えた。7回までスコアボードにゼロを並べ、阪神の1点リードを守っていた。大竹の粘投があったからこそ、阪神は1-0で終盤を迎えられた。
だが、8回表に試合は暗転した。1死から林に右前打を許す。続く成瀬にも右前打を浴び、一、二塁。代打・宮﨑には四球を与え、一死満塁となった。ここで蝦名に右前適時打を浴び、1-1の同点。さらに度会に左前2点適時打を浴び、1-3と勝ち越された。大竹はこの回、打者が一巡しかけるDeNA打線につかまり、7回までの無失点投球が一気に崩れる形となった。
ただ、この8回の3失点をどう見るか。大竹は7回まで無失点で投げていた。一方、阪神打線は6回の木浪の犠飛による1点のみ。援護は1点だけだった。先発投手が8回まで投げる中で、1点のリードを守り切るには、ひとつの安打、ひとつの四球が即ピンチになる。8回の一死満塁は、その重圧がそのまま表れた場面でもあった。
DeNAは8回、林、成瀬、宮﨑で満塁を作り、蝦名、度会が連続で適時打を放った。阪神は7回裏、髙寺の安打と盗塁で追加点のチャンスを作りながら、得点できなかった。その直後の8回表に逆転されたことを考えると、追加点不足が大竹に重くのしかかったのは明らかだ。1-0のままでは、相手の一度の集中打で試合はひっくり返る。この日の阪神は、まさにその形で敗れた。
8回表はさらにヒュンメルの右前打で再び満塁となったが、大竹は佐野を一ゴロ、松尾を右飛に抑え、追加点は許さなかった。3点で止めたこと自体は、試合を完全に壊さないための粘りだった。しかし、阪神打線が終盤に反撃できず、結果的にはその3点が決勝点となった。
9回表は及川雅貴が登板。山本を右飛に打ち取り、林に四球を与えたが、成瀬を併殺打に仕留めて無失点。救援としての役割は果たした。ただ、9回裏の阪神打線は山﨑の前に三者凡退。大竹の粘投も、及川の無失点救援も、勝利にはつながらなかった。
この試合は、守備が大きく崩れた敗戦ではない。前日の1-10大敗とは異なり、失策もなく、先発が8回を投げた。だからこそ、攻撃陣が1得点で終わってしまった点が最大の敗因だという事になる。大竹は8回まで投げ、3失点。十分に勝負できる投球だった。しかし、援護が1点では、終盤の一度のピンチで勝敗が変わってしまう。「大竹粘投報われず」。まさにその言葉が当てはまる一戦だった。
追加点不足が招いた逆転負け 接戦を勝ち切れなかった課題
阪神にとって、この敗戦は単なる逆転負けではない。前日のDeNA戦で1-10と大敗した翌日、投手陣は大きく立て直した。大竹が7回まで無失点、及川も9回を無失点。守備も0失策だった。試合の形は十分に作れていた。それでも勝てなかった。理由ははっきりしている。攻撃陣が5安打で1点しか取れず、追加点を奪えなかったからだ。
DeNAは10安打3得点。阪神は5安打1得点。安打数の差はあるが、試合の流れとしては阪神にも勝機があった。6回に先制し、7回終了時点で1-0。8回に大竹がつかまるまでは、阪神がリードしていた。だが、1点差のままでは最後まで安全圏には入れない。6回の先制後、7回に追加点を取れなかったことが、結果的に8回の逆転を許す展開へつながった。
7回裏の場面は、攻撃面で大きなポイントだった。2死から髙寺が右前打で出塁し、盗塁を決めて二塁へ進む。上位打線に回り、追加点のチャンス。ここで中野が投ゴロに倒れた。1点リードの終盤で、足を使って得点圏まで進めながら返せない。阪神の攻撃陣にとっては、非常にもったいない場面だった。
8回裏は逆転された直後の攻撃だった。打順は森下、佐藤、前川。チームの中軸に回る絶好の巡りだったが、中川虎の前に三者凡退。森下は空振り三振、佐藤は見逃し三振、前川は左飛。試合をひっくり返された直後に、反撃の走者を出せなかったことは重かった。9回裏も山﨑に対し、木浪が空振り三振、元山が遊ゴロ、小幡が空振り三振。最後まで攻撃の形を作れなかった。
阪神打線で安打を放ったのは、髙寺、森下、前川、木浪、小幡の5人。中野、大山に代わって一塁で入った木浪は打点を挙げたが、チーム全体としては長打が森下の二塁打1本だけ。打線に厚みが出ず、相手を一気に崩す場面がなかった。佐藤は2四球で出塁したが、安打はなし。中野は4打数無安打。坂本も3打数無安打。下位から上位へつなぐ攻撃も限定的だった。
この試合のDeNA投手陣は、決して走者をまったく許さなかったわけではない。篠木は6回で4安打4四球を与えている。阪神は出塁の機会を得ていた。それでも得点は1点。6回の先制場面も、佐藤の四球、前川の安打、木浪の犠飛という形でようやく1点を奪ったが、その後の一打は出なかった。DeNAはルイーズ、中川虎、山﨑とつなぎ、7回以降は阪神に反撃を許さなかった。
一方、DeNA打線は8回の勝負どころで集中した。林、成瀬の連打、宮﨑の四球で満塁を作り、蝦名が同点打、度会が決勝の2点打。蝦名は4打数2安打1打点、度会は4打数1安打2打点。試合を決めたのは、この8回の連続適時打だった。阪神は5安打1得点、DeNAは10安打3得点。得点機で打ったか、打てなかったか。その差がそのまま勝敗になった。
大竹の力投はあった。木浪の先制犠飛もあった。髙寺の出塁と盗塁もあった。だが、打線が1点で止まった。12三振を喫し、終盤は反撃の糸口もつかめなかった。前日は9回に大量失点で大敗。この日は投手陣が踏ん張りながら、今度は攻撃陣が応えられなかった。
甲子園に詰めかけた42,639人の前で、阪神は接戦を落とした。1-0から1-3へ。試合を優位に進めていたはずの終盤に、勝利が手からこぼれた。5安打で1得点。4四球と2盗塁を記録しながら、追加点は奪えず。大竹が7回までゼロを並べた試合を勝ち切れなかったことは、チームにとって重い。投手が粘る試合で、打線がどう援護するか。5月9日のDeNA戦は、その課題を突きつける敗戦となった。

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