3点を先行され、反撃もままならず0-3で終盤まで劣勢の展開となったこの試合、7回裏に連打で追いつくと、9回裏に中野選手が殊勲のサヨナラタイムリー!代打で結果を出した原口選手など、総力戦でもぎ取ったこの1勝は大きい!首位ジャイアンツが敗れ、ゲーム差は「2」に縮まりました。
阪神・中野拓夢が「アレの日」にサヨナラ打 首位巨人に2ゲーム差接近 連覇への夢つないだ
(サンケイスポーツより)
(セ・リーグ、阪神4xー3広島、24回戦、阪神12勝11敗1分、14日、甲子園)
アレから1年、夢をつないだ。阪神は4-3で広島にサヨナラ勝ちし、2連勝。3点差を七回に追いつき、九回に中野拓夢内野手(28)が中前へ劇打を放った。昨年、リーグ優勝を決めたのと同じ9月14日に価値ある白星。2位をキープし、敗れた首位巨人に2ゲーム差と迫った。
芝の上にはずむ打球を見届け、中野は両手をいっぱいに掲げて笑顔を浮かべた。まだ陽が沈む前の、祝福で満たされた甲子園で、駆け寄ってくる仲間に身を任せた。アレから1年―。逆転Vへ加速するための白星が、不振を脱した選手会長のバットから生まれた。
「チームを引っ張る身としてなかなか結果が出なかったのは、すごく苦しいことでしたけど。チームが勢いに乗ってきている中で自分もそれに乗りながら、調子も徐々に上がってきてるので、いい一本が打てたかな」
同点の九回2死二、三塁。カウント1―1から黒原のカットボールが高めに浮いたところを見逃さず、ライナーで中前に運んだ。同点に追いついた後の七回2死満塁では空振り三振に倒れていただけに「とても悔しい思いをした分、必ずチャンスは回ってくると思っていた」とやり返す気持ちをバットに乗せた。
1年前の9月14日、チームは同じ甲子園で18年ぶりのセ・リーグ優勝を決めた。中野は歓喜のウイニングボールをつかみ、今年は同じ日にサヨナラ打の活躍。「去年、優勝を決めた日。なんとしても負けられない試合だった」とこの一戦に込めていた思いを明かし、「大事な日にチームが勢いに乗れる勝ち方で勝つことができた」とうなずいた。
昨季は最多安打のタイトルを獲得したが、今季は開幕から苦戦。近本の復調とクリーンアップの奮闘に挟まる2番で、後半戦は送りバントの回数が激増した一方、8月は打率・154と調子を上げられなかった。
浮上のきっかけは今月に入ってつかんだ。「構えで少し力んでしまう部分があった」と足の上げ方を変え、ボールを楽に見る意識を強めると、「体の使い方もいい形になった」とバットもスムーズに動いた。9月は11試合で6度のマルチ安打を記録。打率・341と感触を取り戻した。
岡田監督も「最後はもう打つしかないでしょ。あっこはね」と中野の劇打をたたえ、「今日はちょっと勝たせてもらったような展開だけど、ここはもう勝ち負けなんで」と優勝争いの中での価値ある一勝を喜んだ。
チームは広島に連勝して今季最多の貯金9に到達。3位の鯉に2ゲーム差をつけ、首位の巨人にも2差に迫った。首位と2ゲーム差は8月8日(首位広島-3位阪神)以来の再接近だ。リーグ連覇への希望をつなぐ白星をもたらし、中野がチーム全員の思いを力強く代弁した。
「優勝することだけを考えて、目の前の試合をどうしたら勝てるのか考えながらやっている。それがひとつになって(チームが)いい方向に向いていると思うので、明日以降もしっかりとしたゲームができるように頑張りたい」
こらえて、踏ん張って迎えた最終盤に選手会長の貢献が光った。一丸となって連覇の夢を追う。
■データBOX
◉…阪神のサヨナラ勝ちは7月28日の中日戦(延長十一回)以来で、今季7度目
◉…中野のサヨナラ打は2023年4月18日の広島戦(甲子園、○2x-1)九回2死満塁で栗林から逆転2点二塁打を放って以来、2度目
◉…阪神は67勝58敗6分けで今季最多の貯金9
◉…阪神は今季の広島戦が12勝11敗1分けとなり、1試合を残して負け越しはなくなった
◉…阪神は今季のデーゲームで18勝11敗1分け。甲子園でのデーゲームは6月22日のDeNA戦以来で10勝2敗
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