助っ人外国人選手といえば、どうしたってバースのような大砲、即戦力の獲得を期待してしまうもの。でも、岡田監督のプランの中には助っ人頼みの打線構築はありません。しっかりと日本野球に馴れて、成長してくれる選手を獲得して育てていく。ゲラ投手も伸びてほしいですね。
【阪神よもやま話 元虎番の独り言】岡田阪神の考え「外国人選手は育てるもの!」 唯一の新外国人が来日したけれど…
(サンケイスポーツより)
阪神の外国人選手が背番号「00」を背負っていると、悪い予感しかしない。古いファンと笑われるかもしれないが。
ルパート・ジョーンズという、NPB史上初めて「00」を付けた選手がいた。史上最強の助っ人、ランディー・バースがシーズン途中に退団して、急きょ、獲得したのがジョーンズ。強肩が売り物と評判だったが、肩の具合がよくないから、とソフトボールのように下から、ゆっくり返球。仕方なく一塁を守ることになったが、牽制球を受けると2、3歩前に踏み出して、投手に下から返球。ベンチではお香を焚くなど、奇行も目立つ。そして、付いたあだ名が「ゼロゼロ怪人」…。半シーズンで解雇された。
2024年の阪神唯一の新助っ人、ハビー・ゲラ投手に、今のところ〝不思議〟の気配はない。たぶん、大丈夫だろう。ここまでは余談です。
ゲラ本人の責任では一切ないが、異例の入団会見の報道ではあった。というのも、サンケイスポーツ大阪版が、1面で報じなかったのだ。過去何十年も阪神の報道に携わってきたが、これは極めてレアケース。新助っ人に対する期待は富士山よりも高くて、「優勝請負人」「Vの使者」な~んて見出しが躍り、どう考えても過剰な期待が寄せられたものだった。
逆に言えば、これがゲラに対する正当な評価なのかもしれない。
12球団を見渡しても、最近の外国人選手の補強が大成功のチームは数少ない。ヤクルトのオスナ&サンタナが目立つが、複数補強しても、1人が主力として活躍すれば御の字。逆に全滅のケースもよく見られる。
阪神でもそうだ。大失敗例は山ほど見てきた。前述のジョーンズのように。数えていたらキリがない。
岡田監督が助っ人への期待度が低い発言をする中、昨年度もBケラー、ビーズリー、ノイジー、ミエセスの4助っ人が新球団。「助っ人」にふさわしい、文句なしの活躍をした者は誰もいない。そして、日本人選手を軸にしたチームで日本一に駆け上がった。助っ人は頑張ってくれたら儲けもの、という指揮官の思惑が浸透していたから、誰もガッカリもしないし、納得もしている。
外国人を頼りにしない。外国人も育てるもの。これが、岡田監督が掲げる、そして阪神が実行しようとしているスタイルなのだろう。昨年度の日本一チームの方針だから、説得力もある。
ドミニカ共和国で球団主催のトライアウトを実施した。磨けば光る金のタマゴを、阪神球団として見極め、育成していこうという考え方。メジャーに挑戦経験を持ち、知識も豊富なレジェンド藤川球児氏が球団スペシャルアシスタントの立場で現地を視察。本気度をうかがわせた。
岡田監督には成功体験もあるのだろう。前回の阪神監督時代の2008年にアーロム・バルディリスを育成選手として獲得。シーズン途中に支配下選手となった。翌年に阪神から解雇されるが、今度はオリックスの指揮官となった岡田監督が獲得。育成から日本野球に親しませて主力に導いた成功例を知っている。というより、花咲かせたのは岡田監督自身。
これからは、阪神が主導するこのスタイルが全盛になるかもしれない。すでに日本でプレーする育成外国人選手が昇格してくるわけだから、新外国人の来日がスポーツ新聞の1面を飾ることもなくなる日が来るのかも。
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