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“祭りの後”の沈黙ー。投打かみ合わず0-3完封負け

“祭りの後”の沈黙ー。投打かみ合わず0-3完封負け

2日前の熱狂が嘘のように、この日の甲子園の夜は最初から最後まで静かだった。セ・リーグの宿敵、横浜DeNAベイスターズを迎えた9月9日の一戦、優勝から1日が経った阪神タイガースは、最後まで攻撃の歯車がかみ合わず、失策も絡んで0-3の完敗を喫した。投打ともに精彩を欠いた内容は、“いいところなく”という言葉がぴったりだ。

まず、試合の流れを振り返る。阪神は序盤から攻めあぐね、1回表から9回表まで無得点。一方のDeNAは2回裏、持ち前の堅実な攻めで先制し、着実に2点を加えてリードを広げたという展開で終幕した。スコアは阪神0、DeNA3、ヒット数は阪神5、DeNA4。阪神守備の1失策も響き、勝負どころでの集中力を欠いた試合内容だった。

先発・村上の立ち上がりも苦しく、初回からDeNA打線に甘いコースを突かれてしまう。特に2回裏に決定的な3点を献上したのが痛手だった。守備でも、重圧のかかる場面で中継ミスや送球の狂いが出てしまい、緊張の中での集中力の欠如を浮き彫りにした。ベテランもルーキーも、優勝というプレッシャーから解放され、気の緩みが出てしまったか。

攻撃に目を転じれば、反撃のチャンスは少なかった。先頭打者が出塁する場面もあったが、後続が続かず、ここぞという場面でもことごとく凡退。DeNAの先発・ケイは要所を締めて無失点に抑え、タイガース打線を封じ込めた。特に終盤、ボール球に手を出して凡打に倒れる打者が多く、焦りと空回りが見て取れた。

 

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中盤以降も一丸となって押し返すことができず、6回7回とチャンスを迎えながらも無得点。攻撃のテンポもリズムも悪く、非効率な攻撃が続いた。打線に切れ味がないまま、DeNAのリリーフ陣に主導権を握られた印象だ。

DeNAは投手も野手も堂々としていた。ケイは中盤以降も崩れず、後続もしっかりリレーして阪神の反撃を許さなかった。打線は少ないチャンスを確実にものにし、計3得点。そのうちの2点は序盤、流れを引き寄せた重要な得点であり、あとは守り切るだけの完璧な展開だった。

試合後、阪神の藤川監督は「明日以降に切り替えたい」とコメントを残した。確かに、9日が、ゲーム差や優勝争いにはダメージにならない日程とはいえ、「負け」という結果を残し続けるわけにはいかない。優勝が決まろうと何だろうと、甲子園に詰めかける4万人の虎キチの声援に応えるには、一戦たりとも取りこぼせない。ここで改めて、切り替えと準備が問われる。

終始淡々と進むように見えて、いくつもの「惜しい場面」があった。しかし、どの場面でも決定打がなく、全体としては欠点の方が目立つ試合だった。攻防とも隙だらけで、積み重ねの甘さ、集中力の欠如、そして選手層の薄さ――そういったことが浮き彫りになった。勝負の世界で「惜しい」は通用しない。“いいところなく敗れた”今日のような試合を繰り返すわけにはいかない。

正直に言えば、今夜甲子園に集った観衆も、フィールド上の選手たちも、どこか浮ついた雰囲気があったのではないか。「今日はまあ、負けても仕方ない」と誰もがどこかで感じていたのかもしれない。だがそれを振り払う術はあったはずだ。一戦一戦が勝負の季節、この敗戦を引きずる余裕はない。特に若手にとっては、今夜のような試合結果が厳しい現実であり、乗り越えるべき壁となる。

明日以降、ベンチが打撃陣に何を指示し、どんな策を講じるのか。そして選手たちがそれをフィールドでどう体現するかが、ポストシーズンの鍵を握る。感覚的な反省ではなく、具体的かつ冷静な修正が必要だ。今日の敗戦を真摯に受け止め、切り替える。ファンも選手も、そう自らを鼓舞する必要がある。

DeNAはまさに狙い通りの試合をした。序盤の得点、投手陣の安定、そして隙を見せない守備。必要なところでの最少得点。対照的だったのは阪神だ。投打ともミスが多く、好プレーが少ない。今季は圧倒的な強さを見せてきたタイガースだが、今日のようなゲームでは日本一の栄冠はおぼつかない。

選手各自は具体的に、今日のどこがいけなかったのか。それを意識し、改善へつなげる。優勝の喜びの感情には流されず、冷静に今後のコンディショニングに目を向ける。それが、阪神タイガースが日本一へ登りつめるために必要不可欠な作業となるだろう。

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