スタメン陣への信頼は揺らがず。“普段着野球”で日本一へ!

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“ナカジマジック”と呼ばれる程、スタメンや守備位置を変幻自在に変えてくるバファローズに対し、岡田監督は滅多な事では動きません。当たり前のようにスタメン8人をきっちり固定し、“普段着野球”で勝ち抜いてきました。好対照な両監督の采配対決も、見ものですね!

阪神・岡田彰布監督が「野手8人衆」を率いて挑む優勝確率0%の日本シリーズ 「静」よく「動」を制す!
サンケイスポーツより)

「珍しない」ーその時の阪神・岡田彰布監督の表情が目に浮かぶ。若干胸を張っての完全否定は、自信と選手への信頼の裏返し。王者の懐の深さを見せつけた広島戦3連勝。スタメン野手は3戦とも同じ。しかも途中交代はなし。珍しい? と聞かれて、大阪弁で『珍しない』と返って来た。「それが普通やろ。接戦でいろんなことが起きたらアレやけど、絶対代走が要る選手もいない」と続けた。見極めから固定に入ったオカダ野球に隙はない。堂々の勝ち名乗りで、チームとしてCSファーストステージから突破した2014年以来、9年ぶり7度目の日本シリーズ進出を決めた。次の目標は1985年以来、38年ぶりの頂点。「普通の野球」で今度は日本一確率0%の狭き門に〝野手8人衆〟で挑む。

1973年から10年間のパの前後期制によるプレーオフを含めて、日本シリーズ進出をかけたCS無敗突破は、阪神で15度目。過去14回では日本一に輝いたのはセ・パで7度ずつ。ところがセ・リーグ1位に限ると、阪神のように引き分けなしの全勝進出は、過去3チームとも頂上決戦で敗退している。13年巨人(原辰徳監督)は楽天(星野仙一監督)に3勝4敗で、18年広島(緒方孝市監督)はソフトバンク(工藤公康監督)に1勝4敗1分で、22年ヤクルト(高津臣吾監督)はオリックス(中嶋聡監督)の前に2勝1分からの4連敗で敗れた。タイガースにとって過酷すぎる最後の関門となる。

広島相手に3戦とも野手に代打や代走を告げることはなかった。3試合のチーム打率は88打数17安打で打率・193の9打点(得点は10)。広島は96打数21安打4打点で打率・219。防御率は阪神1・33に対し広島は3・28。その差を感じさせない投手戦だった。しかし14四球1死球を取った阪神に広島は8四球。3戦とも逆転試合だった理由は、ここにもある。勝利打点は第1戦から「9番・投手」村上頌樹、「8番・遊撃」木浪聖也、「7番・捕手」坂本誠志郎。3戦連続して下位打線の3人が決勝点を叩き出した。接戦で終盤勝負になりながらも、負ける気はしなかった。「うまいこと点取ったと思うよ。相手を上回ったんちゃうかな」。岡田監督の言葉にも実感がこもる。

「静」の虎将に対し、2年連続日本一を目指すオリックス・中嶋監督は「動」と言われる。岡田監督との違いはロッテとのCSファイナルでも如実に表れていた。第1戦でセーブを挙げた平野佳寿を翌日のベンチ入りから外した。複数イニングを投げたわけではなく、球数は18球。アドバンテージを含めて2勝の余裕なのか。第2戦でのメンバー外はオカダ野球では考えられない。スタメンも同様だ。1番は中川圭太で固定されたが守備位置は中堅→一塁→中堅→中堅。3番の森友哉は右翼→捕手→右翼→右翼。二塁手は西野真弘→マーウィン・ゴンザレス→宜保翔→西野だった。DHがあり、相手投手との兼ね合いもあるが、阪神とは好対照。これもナカジマ野球の側面で、「固定」VS「流動」の激突となる。

28日開幕の日本シリーズ。第1戦を迎える京セラが4試合で、甲子園は第3戦からの3試合。オリックスの京セラ成績は36勝26敗3分。一方、甲子園で13の貯金(36勝23敗3分)を作った阪神は京セラで8戦負けなしを誇る。「7戦オール本拠地」は大げさか。通常のシリーズとは違う一面がある。

本番まで1週間を切った。阪神の課題は、湿りがちの打線だ。「みんながいい調子になって臨めたらエエけど。ゲームになってみないと分からんからな。バッティングに関しては」と岡田監督。ファイナルでは大山悠輔、近本光司、中野拓夢が揃って1安打。大山は3四球を選んだものの打率・111の打点ゼロ。12打数2安打で打率・167の佐藤輝明にも打点はつかなかった。4、5番で3安打0打点で3連勝するのが阪神でもあるが、山本由伸、宮城大弥の二枚看板を擁するオリックスには不安はさらに募る。シリーズまでの期間はシート打撃を重ねて、向上を図る。

「もう一度、打つ方も調子を上げて…もう一つ上のステージで勝ち上れるように頑張りますので、また28日から応援よろしくお願いします」

4万2642人を詰め込んだ甲子園で行われた勝利監督インタビューでの決意表明だ。スタメン野手8人以外の選手を「出る出んは関係ないから。ベンチに入ってる以上は戦闘員」と表現した。球数を費やす四球を、制球が乱れた死球を、安打以上の価値にしてしまう打線が最大の武器。4勝0敗で突破したセ・リーグ1位チームが過去3戦全敗の日本シリーズに挑む。3年連続出場の中嶋監督は大一番で6勝6敗1分。こちらは05年の4戦4敗…。相手にとって不足はない。「挑戦する方ちゃうの。立場上な。経験とかでも向こうの方があるわけやからな」と言いながら、8人を固定し、敵地での4試合は9番にDHを入れる考えを示唆した。レギュラーシーズンでは143試合で135通りのオーダーを組んだオリックスに対し、タイガースは69パターン。あくまでも「静」。64年の阪神ー南海以来の関西決戦。岡田監督が今季最後の任務に挑む。

 

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