阪神が雨の甲子園で、宿敵・巨人を3-0で下した。2026年5月3日、甲子園球場で行われたセ・リーグ8回戦。試合は7回裏途中、天も味方して降雨によるコールドゲームとなった。
主役は先発・才木浩人。中4日でのマウンドながら、7回を投げ切り、103球、4安打無失点、11奪三振、2四球。巨人打線に最後まで得点を許さず、今季3勝目をつかんだ。初回から才木は力のあるボールで押した。2死から中山に中前打を許したものの、続くダルベックを空振り三振に仕留め、静かにエンジンをかけた。2回にはこの日最大級のピンチが訪れた。大城に四球、増田陸に右前打を許し、さらに2死から投手・井上にも二塁内野安打を浴びて満塁。それでも、吉川を空振り三振に斬った。序盤の難所を力でねじ伏せたこの場面が、試合全体の流れを阪神側へ引き寄せた。3回はキャベッジ、中山、ダルベックを退け、4回も大城、増田陸、佐々木を封じた。5回には再び走者を背負った。浦田の中前打、井上の犠打、吉川への四球などで2死二、三塁。ここで打席には中山。だが、才木は空振り三振で切り抜けた。この三振が9個目。巨人が作った得点機を、才木はことごとく三振で断ち切った。6回もダルベック、大城、増田陸を三者凡退。7回には浦田を失策で出し、盗塁も許したが、代打・若林を空振り三振、吉川を左飛。最後まで本塁を踏ませなかった。スコアボードに並んだ巨人の「0」は、才木が一球一球積み上げた結果だった。阪神のバッテリーは才木-梅野。梅野のリードに導かれながら、右腕は要所で三振を奪い、走者を背負っても崩れなかった。7回無失点、11奪三振。雨が強まる中で迎えた試合終盤、すでに勝負の骨格は才木の右腕によって作られていた。相手に先制点を与えず、味方の援護を待ち、リードを得てからも緩まない。まさに先発投手としての役割を完遂した内容だった。チームはこれで巨人との対戦成績を4勝4敗の五分に戻した。観客数4万2633人の甲子園で、虎党が見届けたのは、雨にも負けない才木の快投だった。
4番・佐藤輝明が均衡破る 右中間を切り裂いた先制三塁打
重苦しい0-0を打ち破ったのは、やはり4番の一振りだった。阪神は4回裏、2番・中野拓夢が左前打で出塁する。森下翔太は遊飛に倒れ、1死一塁。ここで打席に佐藤輝明が入った。カウント2-1から放った打球は、ライトへのタイムリースリーベース。中野が一気に生還し、阪神が1-0と先制した。巨人先発・井上温大の前に、3回まで阪神打線は無得点。初回は髙寺、中野、森下が三者凡退。2回は佐藤が四球で出塁したが、大山、小幡、小野寺が続けず、3回も梅野、才木、髙寺が倒れていた。だからこそ、4回の中野の出塁と佐藤の一打は大きかった。才木がピンチをしのぎ続け、巨人に得点を与えない中で、先に点を取ったのは阪神。試合の主導権はこの一撃で大きく傾いた。佐藤はこの日、2打数1安打1打点1四球1三振。唯一の安打が、勝敗に直結する先制打となった。阪神打線全体を見ても、6安打のうち中野が3安打、森下が1安打、佐藤が1安打、小幡が1安打。決して大量安打で押し切った試合ではない。それでも、必要な場面で必要な一打が出た。4回の佐藤の三塁打は、その象徴だった。続く大山の投ゴロで三走・佐藤は本塁を狙ったが走塁死。小幡の左前打で2死一、二塁としたものの、小野寺は三ゴロに倒れ、この回は1点止まりだった。それでも、才木の投球内容を考えれば、この1点は十分に重い先制点となった。
阪神はこの試合、初回から派手に攻め立てたわけではない。むしろ序盤は巨人の方が2回に満塁、5回に二、三塁と好機を作っていた。しかし、試合を動かす一打を放ったのは阪神の4番だった。中野が出て、佐藤が返す。シンプルでありながら、伝統の一戦で最も効く形だった。佐藤の打球は、ただの先制タイムリーではない。才木の粘投に応え、チームに勝利への道筋を示す一打だった。1点を争う展開で、4番が長打で試合を動かす。甲子園の空気を一変させたその瞬間、阪神は雨中のゲームを勝ち切るための確かな足場を得た。
6回に相手ミスを逃さず2点追加 中野3安打、森下二塁打で圧力かけた猛虎打線
阪神は1-0で迎えた6回裏、再び攻撃の形を作った。先頭の中野が安打で出塁。続く森下が左二塁打を放ち、無死二、三塁と絶好機を迎える。4番・佐藤は見逃し三振に倒れたが、大山が申告敬遠で歩き、1死満塁。ここで打席は小幡。結果は空振り三振だった。しかし、この場面で試合は大きく動く。巨人先発・井上の投球がワイルドピッチとなり、さらに捕手・大城の悪送球が絡む。その間に阪神は2点を追加し、スコアは3-0。安打による打点ではなかったが、阪神が作った満塁の圧力が、相手バッテリーのミスを誘った形となった。小幡の三振で2アウトとなった後も、三塁には走者が残った。小野寺は二飛に倒れたが、この回の2点はあまりにも大きかった。才木が無失点で投げ続ける中、1点差から3点差へ。巨人にとっては、残りイニングを考えても重いビハインドとなった。
特に目立ったのは中野の働きだ。4打数3安打2得点。4回には佐藤の三塁打で先制のホームを踏み、6回にも先頭で出塁して追加点の起点となった。7回裏にも中前打を放っており、雨で試合が止まる直前まで、阪神打線の中で存在感を示し続けた。森下も6回に左二塁打を放ち、得点機を拡大。7回には四球も選んだ。阪神は一発こそなかったが、中軸が塁に出て、相手の守りに圧力をかけた。巨人は先発・井上が6回87球、5安打3失点、自責2、8奪三振、2四球。数字だけを見れば三振も多く奪い、大崩れしたわけではない。それでも、4回には佐藤に先制三塁打を浴び、6回には無死二、三塁から満塁を招き、暴投と捕手の悪送球で2点を失った。阪神はその隙を逃さなかった。巨人は7回裏から田和を投入。阪神は梅野が四球で出塁し、才木が犠打で送る。髙寺は空振り三振に倒れたが、中野が中前打、森下が四球で2死満塁とした。ここで雨が強まり、試合は中断。そのまま降雨コールドとなった。
最後の攻撃は得点には結びつかなかったが、阪神がなお満塁の好機を作っていたことも、この日の試合展開を物語っていた。安打数は阪神6、巨人4。大差のゲームではない。それでも、得点は3-0。阪神は出塁、長打、相手ミスへの対応、犠打を絡め、限られたチャンスを確実に得点へと変えた。才木の快投だけに頼るのではなく、打線も必要な場面で流れを作った。雨で幕を閉じた一戦だったが、勝負どころでの阪神の集中力は、スコア以上にはっきりと表れていた。
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巨人の好機を封じた完封劇 雨天コールドで3-0快勝
この試合を振り返れば、巨人にも得点機はあった。2回表は大城の四球、増田陸の右前打、井上の二塁内野安打で2死満塁。5回表は浦田の中前打と井上の犠打、吉川の四球などで2死二、三塁。どちらも一打が出れば試合の流れが変わる場面だった。しかし、才木はそこで崩れなかった。2回は吉川を空振り三振。5回は中山を空振り三振。巨人打線は4安打、2四球、2盗塁を記録しながら、最後まで本塁が遠かった。キャベッジは3打数無安打2三振ながら盗塁を決め、浦田も3打数1安打1盗塁と足を使ったが、得点にはつながらない。ダルベックは3打数無安打2三振、大城も2打数無安打1四球。巨人は攻撃面で才木を攻略できず、守備面でも6回の暴投と悪送球が失点に直結した。
阪神から見れば、投打守の中で最も大きかったのは、失点しない粘りだった。7回表には佐藤の悪送球で浦田が出塁し、若林の三振後に盗塁を許した。それでも、最後は吉川を左飛に打ち取り、無失点を守った。7回裏、甲子園の雨は試合を続けるには厳しい状況となり、2死満塁で中断。その後、降雨によるコールドゲームが宣告された。スコアは3-0。7回裏の阪神の攻撃は「0X」と記録され、雨の中で伝統の一戦は幕を閉じた。
7回までに才木は巨人打線を無失点に封じ、打線は4回に佐藤の適時三塁打、6回に相手の暴投と失策で追加点を奪っていた。勝つべくして勝った3-0だった。試合時間は2時間17分。球審は眞鍋、一塁は土山、二塁は水口、三塁は白井。甲子園に集まった4万2633人の前で、阪神は首位チームらしい締まった試合を見せた。スタメンでは1番左翼・髙寺、2番二塁・中野、3番右翼・森下、4番三塁・佐藤、5番一塁・大山、6番遊撃・小幡、7番中堅・小野寺、8番捕手・梅野、9番投手・才木。投打の軸が役割を果たし、守り切る野球で巨人を退けた。巨人先発の井上は粘投したが、阪神は4回と6回の勝負どころをものにした。2番・中野が3安打2得点、4番・佐藤が先制打、先発・才木が7回無失点11奪三振。見出しに並ぶ材料は十分すぎるほどそろっている。雨が降りしきる甲子園で、虎は宿敵に完封勝ち。派手な大量得点ではなく、エース級の投球と4番の一打、そして相手の乱れを逃さない攻撃でつかんだ白星だった。GWど真ん中の甲子園。最後は雨が試合を止めた。それでも、阪神の勢いは止まらなかった。
