4点差を追いつき、しかし拙攻もあって勝ち越す事のできなかった嫌な流れでの延長10回に、サトテルがやってくれました。打った瞬間にそれとわかる特大アーチをライトスタンド上段に叩き込み、首位ジャイアンツに2ゲーム差と迫る価値ある1勝をもたらしてくれました。今日からいよいよ直接対決。勝つしかない!!
阪神・佐藤輝明、負ければV崖っぷちの延長十回…死闘制す劇的特大弾! 22日から2ゲーム差でGとの世紀の甲子園決戦へ
(サンケイスポーツより)
(セ・リーグ、DeNA5-6阪神=延長十回、22回戦、阪神11勝10敗1分、21日、横浜)
いざ、テルが指し示す頂点へ! 阪神がDeNAとの3時間54分に及ぶ死闘を6-5で制した。最大4点リードから逆転されるも、5-5に追いついて迎えた延長十回に佐藤輝明内野手(25)が特大の決勝15号ソロを放ち、高々とバットを掲げた。虎の劇勝の約1時間半前には、首位巨人が3点リードの八回に広島に逆転を許して敗れた。2ゲーム差に再接近。22日からの甲子園2連戦でGをたたき、逆転Vへの扉を開く!!
確信の感触を両手に残し、打球は右翼ポール際のスタンド上段に突き刺さった。一塁塁審が手を回して本塁打を合図する。佐藤輝は口元をわずかに緩め、右手一本で握ったバットを天に突き立てた。死闘にケリをつける決勝弾で、頂点に手を伸ばす巨人に一歩迫った。直接対決を前にゲーム差を詰め、背番号8が充実の表情を浮かべた。
「完璧な一発が出たと思います。いい風が吹いていたのでね。ちょっと一発狙っていきました」
逃げ切りを図るDeNAに追いすがり、5―5と追いついて迎えた延長十回。ウェンデルケンが内角高めに投じた148キロ直球に体が反応。試合を決める15号ソロになった。表情を崩さずダイヤモンドを一周したが、内心は「いやもう、最高ですよ」。喜びをかみしめた。
白星をもぎ取る一打を放った主砲に向け、岡田監督は「その前にちゃんと打っとったらもっとはよ終わっとる」と手厳しかった。4―0の五回は1死一、三塁とさらにリードを広げるチャンスで二ゴロ併殺に倒れ、その裏の攻撃でDeNAに逆転を許していた。ひとつ歯車がかみ合わなければ、大きなダメージを残す試合になっていたかもしれない一戦。それでも、最後は佐藤輝が自力で幸福な幕切れを引き寄せた。
試行錯誤の結晶が豪快弾につながる。後半戦に入って、踏み出すスタンスの幅を狭くするよう微調整。足の上げ方も控えめになった。「(体が)前にいかずに(ボールとの)距離も取れるというのがある」。前半戦の自らの映像ともに、プロ野球から米大リーグまで、多くの打者の映像を見比べる中で見つけた修正点の一つ。繊細な変化を重ねた先に、パワフルな打撃でチームの勝利に貢献した。
3時間54分の激戦を制して白星をつかみ、広島に逆転負けした首位巨人とのゲーム差は「2」に縮まった。22日からはその巨人を甲子園で迎える2連戦が待つ。一気に追い詰めるためには絶好の2試合。連勝してもまだ勝率で巨人が上回るだけに、まずは連勝で逆転Vへと続く扉に手をかけたい。佐藤輝は22日に先発する菅野とは今季6打席の対戦で無安打だが、ここまで来ればもう数字うんぬんではない。踏みとどまった優勝戦線。最後に笑うための残り7試合に向け、ファンに呼びかけた。
「みなさんと同じで僕たちも誰一人諦めてないので、最後までご声援よろしくお願いします!」
ジリジリとした展開を吹き飛ばす豪快な一打で虎の未来を照らした。甲子園に帰ってもこの勢いのまま、巨人を追い落とすだけだ。
■データBOX
◉…阪神・佐藤輝が延長戦で決勝本塁打を放つのは、今年4月5日のヤクルト戦(神宮、6-6の延長十回に木沢から1号ソロ)以来で自身2度目
◉…佐藤輝が本塁打を放った試合の今季のチーム勝敗は13勝2敗。8月21日の10号2ラン(ヤクルト戦、京セラ)から6連勝となった
◉…阪神が今季、延長戦を戦うのはリーグ最多の21度目(2番目に多いのは中日の19度)。8勝7敗6分けで、8勝もリーグ最多
◉…阪神は9月の勝敗を12勝4敗とし、6試合を残して月間勝ち越しを決めた
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