宜野座キャンプを打ち上げた際に、若虎たちの中から打者MVPには高卒5年目を迎える高寺選手が選ばれました。「リトル糸井」と呼ばれるポテンシャルは相当なもの。ここから先の大活躍、期待せずにはいられません。
阪神・高寺はリトル糸井!走攻守そろった高卒5年目に球児監督「非常に期待、ちょっと宇宙人ですけど」
(スポーツニッポンより)
沖縄・宜野座村で2月1日から開催してきた春季キャンプを打ち上げた阪神の藤川球児監督(44)が28日、高卒5年目の高寺望夢内野手(22)と、同3年目の門別啓人投手(20)を若手選手の投打MVPに選んだ。走攻守三拍子そろった高寺については「糸井っぽい」と、ユニークなキャラクターで知られる糸井嘉男スペシャルアンバサダー(SA=43)になぞらえ、「リトル糸井」として期待を寄せた。
藤川監督は就任後初の春季キャンプで、複数ポジション制という自らが掲げたテーマにぴったりな野手をMVPに選んだ。選考対象から「主力を除く」という条件を付けた上で、高寺への賛辞を惜しまなかった。
「これまで内野手で、1軍の機会がなかなかなかった。複数ポジションで外野を含め、非常にアグレッシブなプレーヤーになりそうで期待している」
キャンプ最終日になってようやく届いた沖縄らしい日差しを浴びながら、成長株の働きに目を細めた。今春は本職の二遊間だけでなく、積極的に外野でも起用。紅白戦2試合と1軍対外試合5試合で一塁、二塁、三塁、左翼、中堅、右翼の6ポジションに就かせた。22年に1軍で8試合に出た後、出場機会に恵まれなかった高卒5年目に、内外野を守れる万能選手としての活路を示した。1軍対外試合5試合で打率.500(12打数6安打)の結果が物語るように、打力は非凡。代打、代走、守備固めをこなすスーパーサブとしてメドが立った。
「これまで活躍してきたタイガースの選手は、控えからスタートして、レギュラーになった選手が多い。実はいろんな経験をして、日の目を見ず、苦しんでギリギリで出てきた選手は、つかんだら長いんですよね」
若虎の背中を押すような発言を並べた指揮官。最後に、オチを付けた。「ちょっと宇宙人ですけどね。糸井っぽいところがある」。その選手像を語る上で例に出したのは、ユニークな言動から“宇宙人”とも評された一方で、パ・リーグで首位打者と盗塁王を獲得した糸井SAだ。
指揮官の評価を伝え聞いた高寺は「マジっすか。糸井さんって言われてうれしいっす。目標の選手なので」と呼応した後に「今、決めたんですけど」と、さっそく片りん!?も、のぞかせた。岡田政権下の昨年は野手MVPに選ばれた前川がブレーク。「そういう流れがあるなら、僕も流れに乗りたい」と切実な思いを口にした。
走攻守三拍子そろった高い素質は、ユニークな性格と相まって「リトル糸井」と呼ばれるにふさわしい。そこに指揮官が「感性と鍛錬の両方が加わってきている可能性がある」と認める成長が重なれば…。初の開幕1軍はおろか、V奪回の必要戦力になりそうな気配だ。
◇高寺 望夢(たかてら・のぞむ)2002年(平14)10月17日生まれ、長野県上田市出身の22歳。上田西では甲子園出場なし。高校通算31本塁打。20年ドラフト7位で阪神入り。1軍出場は22年の8試合のみ。24年は2軍で123試合に出場し、リーグ最多の124安打。1メートル78、76キロ。右投げ左打ち。
○…糸井SAは「超人」と称された身体能力を武器に日本ハム時代は09年から4年連続で打率3割をマーク。オリックス時代の14年に首位打者、16年に盗塁王を獲得した。オリックスで主将に就任した際、キャプテンマークの重みを感じるか問われ「結構、軽い素材なんで」と答えたり、WBC出場から帰国後に時差ボケを心配した首脳陣に「時差ボケなんてない。体を合わせるのでなく、向こう(時間)が合わせるもの」と答えるなど、数々の迷言を残した。
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