テル覚醒ー。圧巻の3戦連続弾＆8戦連続マルチ安打！

ここへ来て、サトテルのバットが止まりません。11試合連続得点、8試合連続のマルチヒット、2試合連続の猛打賞にして3試合連続アーチ。この男が打席に立てば何かが起こる。そんな期待を、シーズンラストまで持たせてほしいですね。試合は残念ながらサヨナラ負けでしたが、光明を見出した一戦でした。

阪神・佐藤輝明、自身初の３試合連続本塁打　きょうも打って、きょうは勝つ！！
（サンケイスポーツより）

（セ・リーグ、ヤクルト５ｘ－４阪神、１４回戦、阪神８勝６敗、６日、神宮）阪神はヤクルトに４―５で今季４度目のサヨナラ負けを喫し、首位広島とのゲーム差が２・５に広がった。佐藤輝明内野手（２５）が三回に９号２ランを放ち、４年目で自身初の３試合連続アーチを記録した。８試合連続複数安打、２リーグ制では球団最多となる１１試合連続得点をマークした絶好調の主砲が、きょうも快音を奏で、きょうこそは勝利へと導く。

高々と舞い上がった白球は切れることなく右翼ポールの内側に吸い込まれていく。打球の行方を見届けた佐藤輝が、そっとバットを置いて走り出す。もう、止まらない。記録ずくめの放物線が神宮の空を彩った。

「打った瞬間も良い感覚でしたし、しっかり自分のスイングができました」

１－１で迎えた三回２死三塁の好機。ヤフーレの高め直球を豪快に引っ張った。特大の９号２ランは３日のＤｅＮＡ戦（横浜）からプロ入り後初となる３試合連続アーチ。ド肝を抜く一撃に球場全体がどよめきに包まれた。

これでバース、金本知憲と並んで１９５０年の２リーグ分立後では球団最多となる１１試合連続得点。一回には先制の左前適時打を放っており、８試合連続マルチ安打は１９９９年のイチロー（オリックス）らと並んだ。五回には引っ張った打球を警戒し、遊撃手が二塁ベースの後方付近に構える〝サトテルシフト〟を敷かれるも関係なし。内野の頭上を越える中前打で２試合連続の３安打猛打賞と気を吐いた。リーグ８位のままながら打率・２８２とし、球宴前の同・２３８から急上昇中だ。

８月に入って早くも４本塁打とバースの持つ球団最多の月間１３発も視野に入れる。代名詞のホームランを完全に取り戻した大砲。特大の飛距離に加えて、もう一つの魅力が打った瞬間の華麗なバットフリップ（本塁打を放った際にバットをほうり投げるパフォーマンス）だ。

幼少期から多くの野球少年と同じように、レジェンド選手のまねをしてきたかと思えば「バットフリップの練習なんてしたことないっすよ。自然と出るものなので」とニヤリ。これぞ、天性のホームランバッターたる理由。この日はポール際のスタンドインを見届けるためバットフリップは封印したが、芸術的なパフォーマンスがこれからますます虎党を沸かせていく。

中盤にリードを許したチームは突然の雨に襲われた八回に同点に追い付くも、九回に痛恨のサヨナラ負け。佐藤輝は最後に適時打を許した岩崎をベンチで待ち、肩をそっとたたいてねぎらいの声を掛けた。

首位の広島が勝利したため、ゲーム差は２・５に広がった。連覇に向けて落としたくない戦いが続く長期ロード。９連戦の初戦を落としたが、下は向かない。競り合いのペナントレースを制するべく、背番号８は一戦必勝を誓った。

「もちろん、勝ちたかったです。また切り替えて、試合に集中します」

悔しさを振り払って次の白星を見据えた。止まらない快音をきょうも神宮の杜に響かせ、きょうこそは虎に勝利をもたらす。

 

■データＢＯＸ

◉…阪神・佐藤輝が７月２１日の広島戦（甲子園）から１１試合連続得点をマーク。２リーグ制（１９５０年）以降では８６年のバース、２００３年の金本知憲に並ぶ最多記録。球団記録は１９３８年の景浦将の１４試合連続。日本記録は２００１年の小笠原道大（日本ハム）の１７試合連続

◉…佐藤輝が３安打で７月２８日の中日戦（甲子園）から８試合連続複数安打をマーク。１９９８、９９年のイチロー（オリックス）らに並んだ。阪神の選手が８試合以上続けて複数安打を放ったのは、球団記録となっている５２年の後藤次男の１０試合以来、７２年ぶり。日本記録は後藤、５４年のルイス（毎日）、２００１年の小笠原道大（日本ハム）の１０試合

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