坂本誠志郎、神宮に響かせた2本のアーチで快勝!

坂本誠志郎、神宮に響かせた2本のアーチで快勝!

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最後に試合を決めたのは、やはりこの日もっとも存在感を放った男だった。

阪神は8月2日、神宮球場で行われたヤクルト15回戦に4―3で競り勝ち、接戦を制した。3―3の同点で迎えた九回、先頭で打席に立った坂本誠志郎捕手がフルカウントからキハダの直球を振り抜く。打球は高々と左翼スタンドへ吸い込まれ、この日2本目となる決勝ソロ。終盤までもつれた一戦に決着をつける価値ある一発となった。

坂本は四回にも左翼席へソロ本塁打を放っており、4打数2安打2打点。チーム4得点のうち2点を一人で叩き出し、攻守にわたって勝利の立役者となった。

九回の一発は、まさに流れを引き寄せる一撃だった。

八回裏を及川雅貴が三者凡退で切り抜け、試合は3―3のまま最終回へ。ヤクルトは八回を無失点で抑えた清水から守護神キハダへスイッチしたが、先頭の坂本がその初回の攻撃で決着をつけた。

決勝点を奪った阪神はなおも攻撃を続ける。元山飛優が見逃し三振に倒れた後、代打ガルシアが死球で出塁。代走・植田海が二盗を成功させて追加点の好機をつくったが、近本光司が右翼飛、髙寺望夢が見逃し三振に倒れ、リードは1点のままとなった。

それでも最後は工藤泰成が締めた。

九回裏、先頭の西村瑠伊斗を二ゴロに打ち取ると、長岡秀樹には左前打を許す。しかし岩田幸宏を遊ゴロ併殺崩れに仕留めて二死とすると、最後は代打・塩見泰隆を空振り三振。プロ初セーブを挙げ、坂本の一発を勝利へとつなげた。

打線全体では7安打4得点。決して大量得点ではなかったが、必要な場面で長打が飛び出した。

三回には近本の中前打と髙寺の四球で一死一、二塁をつくり、森下翔太は空振り三振。それでも二死から佐藤輝明がフルカウントから右翼線へ逆転の2点適時二塁打を放ち、一気に試合をひっくり返した。

四回には坂本の1本目となるソロ本塁打でリードを2点へ広げる。

そして九回、再び坂本が試合を決めた。

この日の阪神は7安打のうち長打が3本。佐藤の適時二塁打と坂本の2本塁打が、そのまま4得点につながった。派手な猛攻ではなく、勝負どころで確実に一振りを決めた打線の集中力が光った。

坂本自身は二回の第1打席では空振り三振、六回には遊撃への併殺打に倒れている。しかし二度の失敗を引きずることなく、巡ってきた好機で最高の結果を残した。試合の流れを左右する二本の本塁打は、まさに捕手らしい冷静さと勝負強さを示す内容だった。

神宮で繰り広げられたシーソーゲーム。その中心には、攻守でチームを支え続けた坂本誠志郎の姿があった。

序盤はミスも絡む苦しい展開 佐藤の一振りで逆転し流れを引き寄せる

試合は立ち上がりから阪神にとって苦しい流れだった。

先発・下村海翔は初回、先頭・長岡に四球を与え、続く岩田にも中前打を浴びて無死一、二塁のピンチを迎える。サンタナを空振り三振に仕留めて一死としたものの、4番・増田珠に左前適時打を許し、さらに左翼・前川右京の送球が乱れる間に走者は二、三塁へ進塁した。

なおも失点の危機だったが、赤羽を空振り三振、澤井を三球三振に仕留め、最少失点で切り抜けたことは大きかった。

二回にも古賀、内山の連打で無死一、二塁と攻め込まれる。ウォルターズの送りバント失敗で一死となった後も、一、二塁の場面が続いたが、長岡を一ゴロ、岩田を二ゴロに打ち取り、この回も無失点で切り抜けた。

序盤から毎回のように走者を背負いながらも、大量失点を許さなかった下村の粘りが、その後の反撃につながっていく。

打線は三回、一死からようやく反撃を開始する。

下村が10球粘った末に空振り三振へ倒れた後、近本が中前打で出塁。続く髙寺はストレートの四球を選び、一死一、二塁と好機を拡大した。

ここで森下は空振り三振に倒れ二死。しかし、4番・佐藤が勝負強さを発揮する。

フルカウントから放った打球は右翼線を破る逆転の2点適時二塁打。近本、髙寺が生還し、阪神が2―1と試合をひっくり返した。

さらに四回には、一死走者なしから坂本が左翼スタンドへソロ本塁打。リードを3―1に広げ、阪神が試合の主導権を握るかに見えた。

しかし、ヤクルトも簡単には引き下がらない。

四回裏、澤井、一死後の古賀を打ち取り二死までこぎ着けたものの、内山に左翼線への二塁打を浴びる。続く代打・西村の打球を左翼・前川が落球。この間に内山が生還し1点差となる。

さらに長岡が左前適時打を放って3―3の同点。なおも岩田に内野安打、サンタナには盗塁も絡められたが、最後は空振り三振に仕留め、同点で踏みとどまった。

阪神にとっては失策絡みで追いつかれる苦しい展開だったが、試合が崩れることはなかった。

 

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終盤は救援陣が踏ん張る 流れを渡さず坂本が再び試合を動かす

四回に追いつかれた阪神だったが、試合の流れを完全に渡すことはなかった。その最大の要因が、救援陣による粘り強い継投だった。

先発・下村海翔は5回を投げ、7安打3失点(自責1)。初回に先制を許し、四回には味方の失策も絡んで同点とされたが、毎回のように走者を背負いながらも試合を壊さなかった。奪った三振は7個。苦しい内容の中でも、粘り強く試合をつくった。

六回からは左腕・門別啓人が登板。先頭の古賀、続く内山に連打を浴び、無死一、二塁とこの日最大級のピンチを迎えた。

流れは完全にヤクルトへ傾きかけた。

しかし、代打・西村を左飛に打ち取ると、長岡を中飛、最後は岩田を三邪飛。追加点を許さずベンチへ戻る姿は、1点を争うゲームでの価値を十分に示していた。

七回は木下里都がマウンドへ。

先頭の代打・塩見泰隆を空振り三振。続く増田を遊飛、最後は赤羽を9球粘られながらも空振り三振に仕留め、三者凡退。ヤクルト打線に流れを与えない完璧な投球を見せた。

そして八回は及川雅貴。

澤井を遊飛、古賀を空振り三振、内山を遊ゴロと、こちらも三者凡退。テンポよくイニングを終え、勝負を最終回へ持ち込んだ。

三回以降のヤクルト打線は、四回の2得点を最後に沈黙した。

五回は三者凡退。

六回は無死一、二塁の絶好機を逃し、

七回、八回はいずれも三者凡退。

阪神の救援4投手が役割を果たしたことが、終盤の勝負につながった。

一方、阪神打線も五回以降は決して好調とは言えなかった。

五回は丸山翔の前に髙寺、森下、佐藤が三者凡退。

六回は前川が四球で出塁したものの、代走・福島を置いて坂本が遊撃併殺打。

七回は元山、中野、近本が三者凡退。

八回も森下の中前打と大山の四球で二死一、二塁としたが、福島が空振り三振に倒れた。

あと一本が出ない。

ヤクルトの継投陣も粘り、試合は完全に終盤勝負の様相を呈していた。

そんな重苦しい空気を一振りで吹き飛ばしたのが、九回先頭の坂本だった。

キハダのフルカウントからの一球。

強く振り抜いた打球は左翼スタンドへ一直線に飛び込んだ。

四回のソロ本塁打に続く、この日2本目のアーチ。

3―3の均衡を破る決勝弾だった。

坂本はこの日、二回の第1打席では空振り三振、六回には遊撃併殺打に倒れている。それでも重要な場面で結果を残した。まさに捕手らしい試合運びを、自らのバットでも体現した一戦だった。

阪神はなおも代打ガルシアが死球で出塁し、代走・植田が二盗を成功させるなど追加点を狙ったが、近本、髙寺が倒れて1点止まり。

それでも、この1点が最後に大きな意味を持つことになる。

坂本が攻守で勝利を演出 競り勝った価値ある一勝

九回裏のマウンドには工藤泰成。

プロ初セーブが懸かる場面だった。

先頭・西村を二ゴロに打ち取り、まず一死。

続く長岡には左前打を許し、一打同点の走者を背負う。

さらに岩田の打席では、代走・モンテルがスタート。遊ゴロとなり二塁封殺を狙ったプレーに対し、ヤクルトはリクエストを要求したが判定は変わらず二死一塁となった。

最後の打者は代打・塩見。

一発が出れば逆転サヨナラという場面だったが、工藤は落ち着いて追い込み、最後は空振り三振。

右拳を握った瞬間、神宮の一戦に終止符が打たれた。

阪神は4―3で競り勝ち、救援陣では及川が2勝目、工藤がプロ初セーブを記録した。

試合全体を振り返ると、阪神は決して楽な内容ではなかった。

安打数は7本でヤクルトの10本を下回り、守備では前川の悪送球と落球による2失策も記録された。

それでも試合を落とさなかったのは、失点を最少に抑えた投手陣と、勝負どころで長打を放った打線の集中力だった。

三回には佐藤輝明が逆転の2点適時二塁打。

四回、九回には坂本がそれぞれソロ本塁打。

チーム4得点のうち、長打だけで4点を奪った効率の良い攻撃だった。

その中でも、この日の主役は間違いなく坂本誠志郎だった。

捕手として下村、門別、木下、及川、工藤の5投手を巧みにリードし、打っては4打数2安打2本塁打2打点。

四回の一発で流れを引き寄せ、九回には自ら試合を決める決勝弾。攻守両面で勝利を演出した姿は、この試合を象徴するものだった。

首位を走る阪神にとっては、派手な大勝ではなかった。しかし、ミスで流れを失いかけても立て直し、終盤に勝ち切る強さを示した価値ある一勝だった。苦しい試合をものにできる粘り強さこそ、今季の阪神を支える大きな武器となっている。

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