防御率1.55リーグトップ “規定2年連続”でエースの責任果たす
阪神の2025年シーズン、その中心に立ち続けた先発投手が才木浩人だった。公式記録が示す数字は、24試合登板、12勝6敗、防御率1.55、投球回157、奪三振122。規定投球回に2年連続で到達し、防御率はリーグトップ。完投3、完封2、無四球2も記録に残した。
ローテの一角ではなく、ローテの「柱」。才木はシーズンを通して一度も大きく離脱することなく、ほぼ毎週のようにマウンドに上がり続けた。5回で降板する試合は少なく、7回、8回、そして9回まで投げ切る登板がいくつも並ぶ。防御率1点台という数字は、たまたまでは維持できない。毎登板で試合を作り、失点を最小限に抑え続けた結果として残ったものだ。
オフの契約更改会見で、才木自身が口にした評価ポイントは「規定を2年連続で投げたこと」「防御率1点台をずっと維持できたこと」。エースとしての基準を、はっきりと数字で示した一年だった。
5・20巨人戦 129球の執念完封 甲子園を包んだ才木コール
2025年の才木を象徴する試合が、5月20日・甲子園の巨人戦だ。
公式記録は、9回5安打無失点。スコアは4―0。才木は今季初完封で4勝目を挙げた。
この試合のハイライトは、最終回の緊張感たっぷりの場面。9回、2死一、二塁。勝利目前で迎えた最大の山場。ベンチもブルペンも動かない。マウンドには才木が残った。
そして投じた129球目。打球は遊撃へのゴロ。アウトの瞬間、甲子園は総立ちになった。
マウンド上で捕手と抱き合い、観客席に一礼。今季甲子園初のお立ち台。才木コールが鳴り止まない夜だった。「今季最多129球」という数字は、才木の執念をそのまま切り取った数字として虎キチの脳裏に刻まれた。
夏場でも落ちない 無四球完封と126球完投で示した“本物”
勢いは一過性のものではなかった。
7月26日・DeNA戦。再び甲子園のマウンドに立った才木は、9回を投げ切る。
116球、被安打4、奪三振9、与四死球0、無失点。
無四球完封で8勝目。制球力と球威の両方がそろった完璧な内容だった。
そして迎えた8月10日。この日はさらに球数を要する展開となったが、才木は最後まで降板しなかった。
126球、9回、10安打2失点、奪三振8、与四球0。
3度目の完投で10勝目に到達。2年連続2桁勝利が決まった瞬間だった。
5月の129球完封、7月の無四球完封、8月の126球完投10勝。
才木の2025年は、節目節目で「エースの仕事」を数字と内容の両方で示し続けた。
Tiktok動画はこちら
1億2000万から2億5000万へ “倍増更改”は積み重ねの結晶
12月26日。才木は球団事務所で契約更改に臨み、年俸2億5000万円でサインした。前年の1億2000万円から、1億3000万円増の倍増超え。スポーツ各紙は一斉に「倍増エース」と報じた。
この金額となった事実について、ことさら説明は必要ないだろう。
規定投球回2年連続、防御率1.55リーグトップ、157イニング、12勝、完投3、完封2、奪三振122。
そして、129球完封、無四球完封、126球完投10勝――。
すべてが見事な結果であった。
才木浩人の2025年は、チームのエースに求められる「投げ続ける力」と「抑え続ける力」を、1年間かけて証明し続けたシーズンだった。

