才木が7回9奪三振の力投も報われず。あっけなく零敗

才木が7回9奪三振の力投も報われず。あっけなく零敗

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阪神が、またしても甲子園で1点差ゲームを落とした。2026年5月17日、甲子園球場で行われた広島戦。先発の才木浩人は7回110球、4安打1失点、9奪三振の力投を見せた。初回から力のある球で広島打線を押し込み、3回までに7三振を奪う圧巻の立ち上がり。中盤以降も走者を背負いながら粘り、7回まで試合を壊さなかった。

しかし、打線が最後まで才木を援護できなかった。阪神は5安打4四球を得ながら無得点。3回、4回と2イニング続けて満塁の好機を作り、7回にも1死二塁、8回にも先頭打者が出塁、9回にも1死から四球で走者を出した。それでも、あと一本が出なかった。スコアは0-1。才木の好投が白星に結びつかない、痛恨の完封負けとなった。

才木の立ち上がりは見事だった。1回表、先頭の大盛穂を空振り三振。菊池涼介を遊直に打ち取り、続く小園海斗もワンバウンドする球で空振り三振に仕留めた。初回から2三振を奪い、三者凡退。広島打線に付け入る隙を与えなかった。

2回表も勢いは止まらない。4番・坂倉将吾を空振り三振、5番・モンテロも空振り三振。野間峻祥を二ゴロに打ち取り、2イニング連続の三者凡退とした。さらに3回表は持丸泰輝を見逃し三振、二俣翔一を空振り三振、岡本駿も空振り三振。三者連続三振で、3回までに7奪三振。序盤のマウンドは、まさに才木の独壇場だった。

その才木に、打線が先制点を届けられなかったことが、試合全体に重く響いた。阪神は1回裏、髙寺望夢が捕ゴロ、中野拓夢が左飛、森下翔太が三ゴロで三者凡退。2回裏も佐藤輝明が空振り三振、大山悠輔が一邪飛、木浪聖也が二ゴロ。広島先発・岡本の前に序盤2回は走者を出せなかった。

それでも3回裏、阪神は最初の大きなチャンスを迎える。先頭の梅野隆太郎は空振り三振に倒れたが、福島圭音が三塁・坂倉の後逸で出塁。才木はスリーバント失敗で2死となったものの、髙寺が内角低めの球を右前へ運び、2死一、三塁。続く中野の打席で捕逸があり、走者は二、三塁へ進んだ。さらに中野が四球を選び、2死満塁。一打先制の場面で打席には森下が入った。

だが、森下は外角のストレートを打ち上げ、中飛。阪神はこの回、相手失策、安打、捕逸、四球で満塁まで攻め込みながら、得点を奪えなかった。才木が3回まで完全に近い内容で試合を作っていただけに、ここで1点を先に取れなかったことは大きかった。

二度の満塁機を逃した打線 才木を援護できず

敗因を語るうえで、まず外せないのは3回、4回の連続満塁機を逃したことだ。阪神はこの試合、広島投手陣から5安打4四球を記録した。完全に封じ込まれたわけではない。走者は出した。得点圏にも進めた。だが、肝心の場面でホームを踏めなかった。

4回裏も、阪神には先制の絶好機があった。先頭の佐藤輝が右前打で出塁。大山は中飛、木浪も中飛に倒れて2死となったが、梅野が左前打を放ち、2死一、二塁。続く福島の打席で捕逸があり、走者は二、三塁へ進んだ。広島は福島を申告敬遠し、2死満塁。打席には才木。ここで一本出れば、試合の主導権は阪神に大きく傾く場面だった。

しかし、才木は遊ゴロに倒れた。阪神は2イニング連続で満塁まで攻めながら、いずれも無得点。3回は森下、4回は才木が最後の打者となり、先制点を奪えなかった。才木が投げては好投しながら、自らの打席でも得点機に立つ形となったが、打線全体として前後の打者で決め切れなかったことが響いた。

この2度の満塁機で1点でも取れていれば、試合展開はまったく違ったものになっていた。0-0の投手戦で先に点を取る意味は大きい。才木が序盤から広島打線をねじ伏せていたからこそ、阪神としては先制点を奪い、才木を楽にしたかった。

一方で、才木も4回表にはこの試合最大級のピンチを背負っていた。先頭の大盛に右前打を許したが、菊池の打席で一塁走者の大盛をけん制で刺して1死。菊池には10球粘られて四球を与え、小園に右翼への二塁打を浴びて1死二、三塁。さらに坂倉の打球は二塁・中野のフィルダースチョイスとなり、1死満塁となった。

ここで才木は踏ん張った。モンテロをボテボテの投ゴロに打ち取り、2死満塁。続く野間を左飛に仕留め、広島の先制機を断った。1死満塁の大ピンチを無失点で切り抜けた場面は、この試合の才木の粘りを象徴していた。自ら作った危機を、自らの投球で断ち切った。

5回表も才木は持丸を右飛、二俣を空振り三振、岡本を空振り三振。5回まで9奪三振に到達した。6回表は大盛を三飛、菊池を遊飛、小園を投直。三者凡退で終え、0-0のまま終盤へ持ち込んだ。才木は十分に勝利投手に値する内容で試合を運んでいた。

しかし、阪神打線は5回裏、6回裏も得点できなかった。5回裏は髙寺が二ゴロ、中野が空振り三振、森下が三ゴロ。6回裏は佐藤輝が中飛に倒れた後、大山が四球で出塁したが、木浪が4-6-3の併殺打。1人走者を出しても、攻撃が広がらない。無得点のまま、試合は7回へ進んだ。

この時点で、まだ勝負のアヤはどちらにも転ばなかった。才木は広島打線を抑えている。だが、阪神打線も広島先発・岡本を崩し切れない。満塁機を二度逃し、走者を出しても返せない。投手戦で先に点を取れないまま進んだことが、才木に重圧のかかる展開を生んでいった。

 

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才木、二塁打、犠打、適時打で唯一の失点

均衡が破れたのは7回表だった。0-0のまま迎えた終盤、先頭の坂倉にフェンス直撃の二塁打を許した。ここで広島はモンテロに代えて矢野雅哉を起用。矢野が送りバントを決め、1死三塁となった。三塁走者の坂倉には代走・辰見鴻之介が送られ、広島は1点を取りに来た。

才木は、1死三塁で野間を迎えた。カウント2-0から、野間が左前へ適時打。三塁走者の辰見が生還し、広島が1点を先制した。スコアは阪神0-1広島。この1点が、結果的に決勝点となった。

才木にとっては、7回に許した唯一の失点だった。先頭の長打、犠打、適時打。広島はこの回、シンプルに走者を進め、確実に1点を奪った。阪神が3回、4回の満塁機を逃したのとは対照的に、広島は終盤のチャンスを確実に得点へ結びつけた。

ただし、才木はここでも崩れなかった。1死一塁となった後、持丸を4-6-3の併殺打に打ち取り、追加点は許さなかった。7回を投げ切り、失点はこの1点だけ。110球、4安打、9奪三振、1四球、1失点。先発投手として、責められる内容ではない。むしろ、これだけの投球をしながら敗戦投手になったことが、阪神打線の援護不足をより際立たせた。

その裏、阪神にはすぐに同点機が訪れた。7回裏、先頭の梅野がたたきつける打球で遊撃内野安打。梅野はこの日、4回の左前打に続くマルチ安打で、執念の出塁を見せた。続く福島が犠打を決め、1死二塁。才木の代打として嶋村麟士朗が送られた。ここで広島は岡本から髙太一へ継投。嶋村は詰まった打球の投ゴロに倒れたが、二塁走者は三塁へ進み、2死三塁となった。

打席には1番・髙寺。3回には右前打で満塁機につなげていた打者だった。一打同点の場面。しかし髙寺は見逃し三振。阪神は7回も得点圏に走者を進めながら、同点に追いつけなかった。

才木が許した1点は、投手戦の中では確かに痛かった。だが、敗因を才木の失投や失点だけに求めることはできない。才木は7回を1失点にまとめている。阪神が敗れた原因は、才木が1点を失ったこと以上に、打線がその1点すら取り返せなかったことにある。

8回表は及川雅貴が登板し、二俣を二ゴロ、代打・田村俊介を三ゴロ、大盛を左飛に打ち取って三者凡退。9回表は岩崎優が登板し、菊池を見逃し三振、小園を二ゴロ。2死から辰見に投手左へのプッシュバントで内野安打を許したが、矢野の打席で一塁走者の辰見をけん制で誘い出し、盗塁失敗。追加点を与えなかった。

リリーフ陣も仕事を果たした。才木の後を受けた及川、岩崎は無失点。投手陣全体で広島を1点に抑えた。それでも勝てなかった。投手陣が1失点に封じながら敗れる。これほど明確に、攻撃面の課題が浮き彫りになる試合はない。

5安打4四球で無得点 才木が悔しい黒星

阪神は8回裏にも反撃機を迎えた。広島のマウンドはハーン。先頭の中野が安打で出塁した。無死一塁。打順は3番・森下、4番・佐藤輝へ向かう。1点を追う終盤としては、絶好の並びだった。

しかし、森下は右飛。続く佐藤輝は左飛に倒れた。さらに一塁走者の中野も戻れず、ダブルプレー。無死一塁から一気に3アウトとなり、反撃ムードはしぼんだ。ここも大きな分岐点だった。先頭打者が出塁しながら、走者を進めることもできず、イニングが終わった。

9回裏、阪神は中﨑翔太に対して最後の攻撃に入った。先頭の大山は遊ゴロ。続く木浪が四球を選び、1死一塁。代走に植田海が送られた。まだ同点の走者は出た。だが、梅野は右飛、福島は二ゴロ。阪神は最後までホームを踏めず、0-1で敗れた。

この試合の阪神打線は、髙寺が4打数1安打、中野が3打数1安打1四球、佐藤輝が4打数1安打、梅野が4打数2安打。チーム全体では30打数5安打、4四球、5三振。数字だけ見れば、走者を出すことはできていた。それでも得点はゼロ。得点圏で決め切れなかったことが、すべてだった。

特に3回と4回の満塁機は、才木の好投を勝利につなげる最大のチャンスだった。3回は2死満塁で森下が中飛。4回は2死満塁で才木が遊ゴロ。7回は1死二塁から2死三塁まで進めたが髙寺が見逃し三振。8回は先頭の中野が出塁したが、佐藤輝の左飛で一走も戻れず併殺。9回は木浪が四球で出たが、後続が倒れた。

これだけ得点機がありながら、1点も奪えなかった。才木が好投したにもかかわらず敗れた原因は、ここに尽きる。投手が1点に抑えれば、通常なら勝機は十分にある。だが、打線がゼロでは勝てない。5安打4四球を得ながら無得点に終わったことが、才木の黒星を決定づけた。

広島は、岡本が6回1/3を無失点。阪神に走者を出しながらも、要所で踏ん張った。7回途中から髙太一、8回はハーン、9回は中﨑とつなぎ、完封リレーを完成させた。阪神は広島投手陣を攻略し切れず、最後までスコアボードに「0」を並べた。

一方で、広島は7回の一度の好機を得点に変えた。坂倉の二塁打、矢野の犠打、野間の左前適時打。派手な攻撃ではないが、投手戦を勝ち切るには十分だった。阪神は複数の好機を作りながら無得点。広島は限られたチャンスで1点。この差が、そのまま0-1という結果になった。

才木は敗戦投手となり、今季成績は4勝2敗となった。7回1失点、9奪三振。初回から三振を重ね、4回の満塁機も無失点で切り抜け、7回の1点以外は広島に得点を許さなかった。投手としての責任は十分に果たした。

それでも、白星はつかなかった。阪神にとって痛かったのは、才木の力投を勝利に変えられなかったことだ。3回、4回、7回、8回、9回。どこか一つで1点を取っていれば、試合は違う展開になっていた。だが、その「あと一本」が出なかった。

甲子園に残ったのは、才木の快投の余韻と、そして打線の沈黙に対する不満だった。0-1。たった1点差。しかし、その1点があまりにも遠かった。阪神は投手陣が広島を1点に封じながら、打線が5安打4四球で無得点。才木浩人の好投は報われず、チームは悔しい零敗を喫した。

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