「鯉キラー」大竹が4回3失点でまさかの連敗

「鯉キラー」大竹が4回3失点でまさかの連敗

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首位・阪神が、最下位の広島にまたも主導権を奪われた。15日のマツダスタジアムは2-5の逆転負け。前日は1-6で敗れており、2夜で計11失点の連敗となった。巨人との3連戦を全勝して広島に乗り込んだ勢いは、赤く染まった敵地でいったん止まった。

立ち上がりは理想的だった。初回、先頭の近本が一塁への内野安打で出塁。中野がきっちり送り、1死二塁。ここで3番・森下が斉藤優の内角直球を左中間席へ運んだ。今季29号の先制2ランだ。前日は広島に先手を取られたこともあり、この日は先制する意識で試合に入ったという森下。その狙い通り、わずか3人で2点を奪った。

だが、そのリードを先発・大竹が守り切れない。初回裏、小園、菊池に連打を浴び、モンテロを遊ゴロに仕留めて1死一、三塁。坂倉の二ゴロで一塁は当初アウトと判定されたが、広島のリクエストで覆り、その間に三塁走者が生還。2-1と1点差に迫られた。続く秋山は一ゴロに抑えたものの、先制直後に失点し、試合は早くも接戦へと引き戻された。

広島は大竹との相性を踏まえた打順を組んできた。試合前まで今季の大竹に9打数4安打だった小園を今季初めて1番に置き、8打数4安打1本塁打だったモンテロを来日初の3番に起用。その上位打線は初回から小園、菊池の連打で機能し、3回にも得点を生み出した。大竹は広島戦で通算25試合16勝5敗と大きく勝ち越してきたが、この敗戦で広島には自身3連敗となった。

痛かったのは3回だ。先頭は相手先発の9番・斉藤優。大竹の高めの直球を中前にはじき返され、プロ初安打を許した。小園を中飛に打ち取った後、菊池に二塁打を浴びて1死二、三塁。モンテロの二ゴロの間に同点とされ、なお2死三塁から坂倉に左前適時打。2-3とひっくり返された。大竹は4回にも2死から斉藤優を四球で歩かせたが、小園を投ゴロに仕留めてこの回を終えた。4回63球、5安打2四球、奪三振なしの3失点で降板。8敗目を喫した。

大竹自身は次戦へ向けた課題を問われ、「今から考えます」と短く答えた。藤川監督も、広島側の対策を受けた内容について、再び相手を上回るための「努力と研究」を求めた。評論家の桧山進次郎氏は、直球のキレと制球の両方を欠いていたと指摘。特に投手の斉藤優に高めの直球を中前へ運ばれた場面を、その状態を象徴する打席として挙げた。井川慶氏も、斉藤優に安打と四球で二度出塁を許した点に着目し、流れを考えれば4回は3人で終えたかったとみた。かつて「鯉キラー」として広島を封じてきた左腕が、今回は立て直せないまま早い回でマウンドを降りた。

打線は“初モノ”斉藤優を崩せず

攻撃で光ったのは、やはり森下だった。29号は、ラッキーゾーン撤廃後の阪神の日本人右打者では2005年・今岡誠の29本に並ぶ数字。さらに生え抜きの右打者として30本に到達すれば1985年の岡田彰布以来となる。前日に26歳の誕生日を迎えたばかりの背番号1は、大台へあと1本とした。だが、個人記録へ近づく一発がチームの勝利には結びつかなかった。

森下は初回の2ランだけではない。4回の第2打席は三塁・坂倉の悪送球で出塁。6回には2死から岡本の球をフェンス直撃の右翼二塁打とし、8回には2死二、三塁で四球を選んで満塁へつないだ。3打数2安打2打点1四球。記録上は4回が三失だったため安打は2本だが、4度の打席で継続して広島バッテリーに圧力をかけた。

一方で、森下の前後がつながらなかった。2回は前川が見逃し三振、坂本が空振り三振、元山が二ゴロ。3回も大竹が見逃し三振、近本が二ゴロ、中野が空振り三振で三者凡退。4回は森下が失策で無死一塁に出た直後、4番・佐藤輝が1-6-3の併殺打。大山が遊撃内野安打で出塁したものの、前川は左飛に倒れた。5回も坂本が左飛、元山が投ゴロ、代打・ガルシアが中飛。初回に2安打を集めた後、斉藤優から5回までに記録した安打は大山の内野安打1本だけだった。

広島先発の斉藤優は5回76球、3安打4奪三振、無四球2失点。阪神にとってプロ初対戦の右腕だった。桧山氏は、今季も初対戦に近い若手投手を攻略し切れないケースがあることを踏まえ、「初モノ」への対応を課題に挙げた。初回には森下が仕留めた。それでも2巡目に入ってから打線全体で修正し、追加点につなげることはできなかった。

6回にも惜しい場面はあった。岡本に対し近本が一直、中野が遊ゴロで2死となった後、森下が右翼フェンス直撃の二塁打。ここで佐藤輝が迎えた打席は、一打同点の場面だったが二ゴロに終わった。7回は遠藤の前に大山が左飛、前川が空振り三振、坂本が左飛。広島が斉藤優から岡本、遠藤へとつなぐ中、阪神は森下の一打を得点へ結びつけられなかった。

最大の反撃機は8回だった。先頭・元山が右前打。代打・髙寺は左飛に倒れたが、近本が詰まりながら左前へ運んで一、二塁とした。中野の遊ゴロを巡って阪神がリクエストしたものの判定は変わらず、2死二、三塁。森下が四球を選び、満塁で4番・佐藤輝を迎えた。長打なら一気に試合を動かせる場面。しかし、佐藤輝の打球は二遊間方向へ飛び、シフトを敷いていた遊撃手が処理して遊ゴロ。無得点に終わった。

佐藤輝はこの日4打数無安打だった。初回は右飛、4回は投手への併殺打、6回は2死二塁で二ゴロ、8回は2死満塁で遊ゴロ。走者を置いた3打席で結果を出せなかった。試合後は「また明日、集中するだけ」と切り替えを口にした。大山は4打数1安打、前川は4打数無安打3三振、坂本も4打数無安打。近本は4打数2安打、元山は3打数1安打と出塁したが、阪神の得点は初回の森下の2ランだけ。計6安打を放ちながら、2回以降は8イニング連続で「0」が並んだ。

 

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才木に続き大竹も4回降板、湯浅は痛恨の2ラン被弾

追う展開になってからも、阪神は流れを引き戻せなかった。前日もマツダで2本塁打を浴びており、この日のファビアン弾で、阪神は今季マツダスタジアムで行った全10試合で被本塁打を記録することになった。2試合続けて長打でも点差を広げられた。

5回から大竹に代わって湯浅が登板。菊池を投飛、モンテロを右飛、坂倉を三直と三者凡退に仕留め、まずは反撃へのリズムをつくった。ところが6回、先頭の秋山に右前打を許すと、続くファビアンに2ランを浴びた。打球はスタンド上段まで届き、2-5。3点差へ広げられた一発は最後まで響いた。湯浅はその後、佐々木と石原を連続三振に仕留め、代打・大盛には右前打を許したものの、大盛の二盗を阻んでイニングを終了。成績は2回3安打2失点だった。

7回は神宮が登板。小園に中前打を許し、代走・辰見を菊池の犠打で二塁へ進められたが、モンテロを空振り三振。坂倉を申告敬遠した後、代打・佐藤啓も空振り三振に仕留めて無失点。8回はこの日1軍へ戻った桐敷がマウンドへ上がった。先頭ファビアンを四球で歩かせ、佐々木に左前打、石原の犠打で1死二、三塁とされたが、大盛を空振り三振、勝田を一ゴロ。1回を無失点に抑え、追加点は許さなかった。リリーフ陣では神宮と桐敷が踏ん張った一方、6回の2点が攻撃側にさらに重い条件を突きつける形となった。

より目につくのは、この2試合で先発が続けて5回を投げ切れなかったことだ。前日の14日は才木が4回3失点で降板し、チームは1-6で敗戦。そしてこの日は大竹が4回3失点。先発投手が2試合続けて5イニングを投げ切れなかったのは今季初だった。しかも両日とも、相手先発投手の安打が失点につながっている。14日は広島先発・森下に適時打を浴び、この日は斉藤優のプロ初安打から逆転の2点を奪われた。藤川監督はその点を問われ、「そういう結果ですね」と受け止めた。

前日は6失点、この日は5失点。計11失点の中身を見ると、15日は先発の大竹が3失点、2番手の湯浅が2失点。神宮、桐敷は無失点だった。前日の才木に続いて、先発の柱として計算される投手が序盤でリードを渡し、早い段階から継投に入ったことが連敗の大きな構図となった。桧山氏も、才木、大竹という計算していた2投手がそろって4回3失点だった点を一つの「試練」と捉えた。藤川監督は大竹について原因を一つに決めつけず、相手を上回るための研究と努力を促す言葉にとどめている。

8回満塁も「あと一本」出ず 広島戦は8勝8敗1分に

結局、スコアボードの阪神側に刻まれた得点は初回の「2」だけだった。2回から9回まで8イニング連続無得点。9回は広島の守護神・森浦の前に、大山が投ゴロ、前川が空振り三振、坂本が遊ゴロと三者凡退に終わり、ゲームセット。6安打2得点で、広島の10安打5得点に及ばなかった。勝った斉藤優が今季2勝目、大竹は8敗目。森浦に14セーブ目がついた。

数字以上に惜しまれるのは、追いつく機会がなかったわけではないことだ。6回は森下が2死から二塁打を放ったが、佐藤輝が二ゴロ。8回は元山、近本の安打と森下の四球で2死満塁まで攻めたが、再び佐藤輝が遊ゴロに倒れた。4回には無死一塁で併殺打もあり、4番に3度走者を置きながら得点につながらなかった。一方の広島4番・坂倉は、初回に二ゴロで打点を挙げ、3回には勝ち越しの左前適時打。評論では、この試合について両軍の「4番の差」に焦点を当てる見方も示された。

それでも佐藤輝の8回の打球は、二遊間への安打性の当たりをシフトに入った遊撃手に処理されたものだった。本人は試合後、結果を引きずる言葉を残さず「また明日、集中するだけ」と話した。森下も敗戦を「野球は紙一重」と受け止め、切り替えを強調した。個々の打球内容と、スコアとして残った「2」との間には差がある。それでも結果として初回以降に1点も奪えず、8回の満塁を含む好機を得点に変えられなかった。

この連敗で今季の広島戦は8勝8敗1分となり、対戦成績は五分。15日終了時点で阪神は58勝46敗1分、広島は40勝57敗4分。順位表では首位と最下位に分かれている両軍だが、今季17度の直接対決では完全な五分となった。阪神は2カードぶりの負け越し。2位・巨人も敗れたためゲーム差は「2」のまま動かなかったが、最短の優勝マジック点灯は19日へ延びた。残り38試合となった。

藤川監督は試合後、巨人3連勝後の連敗について問われても「そういう結果ですね」と繰り返した。そして打線にあと一本が出なかったことには、やるべきことがあるとした上で、次の試合へきっちり向かう姿勢を示した。感情的に敗因を一つへ絞ることはせず、大竹にも相手を上回るための準備を求めた。

15日の2-5という敗戦で数字として残った課題ははっきりしている。森下が29号2ランを放ちながら、その後は8イニング無得点。先発・大竹は2点の援護をもらいながら4回3失点で降板し、前日の才木に続いて先発が5回に届かなかった。そして一打で試合を動かせる8回2死満塁では得点できなかった。前夜の6失点に続く5失点、そして打線は森下の一発による2点止まり。首位の座こそ変わらなかったが、マツダで喫した連敗は、投打双方で勝ち切れなかった事実をくっきりと残す一戦となった。

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