日本シリーズ開幕!サトテル決勝タイムリーで逆転勝利!

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10月25日、福岡・みずほPayPayドームに詰めかけた虎党の声援が、夜の空気を震わせた。リーグ制覇からの王者決戦。阪神はリーグ独走制覇から好調を維持し、ついにこの日、日本シリーズの舞台へと辿り着いた。対する相手は、パ・リーグを制したソフトバンク。過去3度の対決でいまだ日本一になれていない阪神にとって、この第1戦は、全国虎キチ達の長い願いを叶えるための第一歩であった。

マウンドに上がったのは、阪神のエース 村上頌樹。彼は1回表に二死二塁から先制打を許すも、崩れることなく徐々に立て直した。1回を終えて0-1のビハインド。しかし、それ以降は六回までをその1失点のみに抑える好投を見せ、6安打6奪三振という数字を叩き出した。特に二回以降、ストレートとスライダーのコンビネーションが冴え、ソフトバンク打線を追い込む場面が何度もあった。敵地にも関わらずスタンドの黄色い声援は、「頑張れ村上」「阪神を勝たせろ」というタイガースへの応援で満ちていた。

攻撃面では、1点を追う6回裏に試合が動いた。先頭打者の 近本光司が中前安打で出塁。続く中野拓夢 が三塁線ギリギリに転がるバント安打を決め、ファールになるかと思われたがグラウンド内でボールが止まりオールセーフ、無死一・三塁。これで場内の興奮が一段と高まる。3番・ 森下翔太の遊ゴロ時に近本が本塁へ滑り込み、ついに同点。今季何度も見せてくれた、勝負どころでの粘り強さを思い起こさせる展開となった。そして続く4番・ 佐藤輝明が3ボールから右中間へ豪快に適時二塁打。スコアは2-1となり、阪神が逆転に成功した。勝負を決める“虎の一撃”だった。

この一連の攻防は、まさに阪神らしい“流れを作る野球”。投手陣が粘り、走塁・バント・決定打のコンビネーションで勝機をものにした。虎キチの「六甲おろし」の大合唱が始まり、遠く甲子園を離れた福岡の地であっても、タイガース応援団の熱気は確かに存在していた。

村上は8回を迎えるまで続投の意思を見せたが、7回を終えてマウンドを降りた。7回6安打1失点の内容。リリーフ陣へのバトンタッチも完璧で、阪神はこの日、ソフトバンク強力打線を“1点止まり”に封じきってくれた。一方ソフトバンクの先発・ 有原航平も6回を2失点で降板。阪神打線が6回に試合をひっくり返したところが、結果的に勝敗の分岐点となった。

守備でも光る場面がいくつもあった。特に中継ぎから抑えへの交代タイミングでのリズムづくりが見事だった。8回以降は継投が機能し、阪神はソフトバンクに追加点を許さず。8回に及川、そして守護神の石井が登場。石井は回跨ぎで9回も登板し磐石のリリーフ。まさに“強い阪神”のゲームを第1戦で見事に演じ切った。

 

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阪神は日本シリーズの初戦を2-1と僅差で制し、大きなアドバンテージを得た。NPBの歴史を振り返れば、日本シリーズで敵地での勝利スタートとなったチームがそのまま勢いに乗って日本一を勝ち取る確率は7割強とのこと。このまま一気に流れを掴みたいところだ。試合終了の瞬間、選手たちがベンチ前に集合し、「タイガース2年ぶり日本一」を信じる虎キチから、大きな拍手が送られた。佐藤輝はヒーローインタビューで「先制を許しましたが、その後はチームで粘れて良かった。ファンの声援が背中を押してくれた」と言葉を詰まらせながら語った。近本も「大事なところで出塁できて良かった。次も走って守ってバットでも貢献したい」と力を込めた。

阪神はこの第1戦を勝利で飾った事により、ベンチの雰囲気も一段と引き締まった。監督・ 藤川球児 のブルペン前での指示、選手たちの“虎の顔”がより鮮明になった。日本一への扉が確かに少し開いた。

この試合が象徴したのは、阪神が「リードされた場面でも粘る」「一発で決める」「守備と投手で守り切る」という三本柱。1点ビハインドからの逆転勝利は、たとえ相手が王者ソフトバンクであっても、タイガースには不可能ではないという強烈なメッセージになった。虎キチは次戦以降も「虎道」を信じ、選手を後押しし続けるだろう。どんな逆境であっても、虎は走り、打ち、守る。日本一を目指す戦いは、まだ始まったばかりだ。

阪神はシリーズ初戦の白星で自信を深め、前向きにベンチ裏へと引き揚げていった。スタンドは「六甲おろし」の大合唱で夜空を包み、タイガース最後の戦いは最高の形で幕を開けた。

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