前日の大乱戦がウソだったかのように渋い投手戦となったこの試合、勝負を決めたのは中野選手の一打と守備での美技でした。先発の才木投手は安定したピッチングを披露し、前日の大逆転負けのショックを引き摺る事なくきっちりと借りを返す1勝をゲット!瞬時に首位に返り咲きました。
阪神2安打で勝った!前日の乱打戦から一転 中野が決勝二塁打 守備でも超美技「捕れると思っていた」
(スポーツニッポンより)
3回までに10安打9得点しながら逆転負けした前夜から一転、阪神が3回に全2安打で挙げた“虎の子の1点”で勝ち切った。2死無走者、カウント0―2から、9番・才木が四球をもぎ取る。続く井上は中前打。一、二塁とし、中野が大貫のフォークを鋭く右翼線へと運んだ。選手会長の決勝二塁打が、この試合で猛虎がともした最後の「H」ランプとなった。
「(自軍が)カウント不利に進められることが凄く多かったので、なるべく早く仕掛けた。タイミングを合わせていかないと、と思っていたので、積極的に振りにいった」
1球で打ち取られることを嫌う中野は、昨季から初球は見逃すスタイルを基本とする。だが、カード勝ち越しを期す第3戦、絶好の先制機は受け身に回らず、好球必打を選んだ。ファウルになったものの、この打席は初球攻撃を解禁。1球ボールを挟んだ3球目、浮いてきた真ん中のフォークを逃さず叩いた。
守備でも魅せた。5回1死一塁、京田が打ち上げた二塁と中堅の間の飛球に対して一直線に落下地点へ入り、向こう向きのままキャッチ。既に三塁に達していた一塁走者・山本もアウトにした。落ちていれば1死一、三塁の同点機。球場内をどよめかせる超美技で併殺を奪いながら「捕れると思っていた」。事もなげに振り返る表情に、昨季ゴールデングラブ賞の誇りがにじむ。
岡田監督は「結局、ヒット2本やんか。あの回だけやで。それでよう勝ったよ」と苦笑いした。チームが2安打以下で勝つのは、14年4月29日広島戦(甲子園)以来、10年ぶり。前夜の悪夢を払拭し、苦闘続きの3連戦を「母の日」の辛勝で勝ち越した。「ここまで丈夫に産んでくれた。勝利したタイミングで“ありがとう”の言葉を伝えられたら」――。孝行息子の中野は、最愛の母に思いをはせた。
▽14年4月29日阪神―広島戦VTR 広島・バリントン、阪神・メッセンジャーの両外国人による投手戦。阪神は7回2死から鳥谷がチーム初の走者となる左翼線二塁打で出塁したが後続が倒れて無得点。8回2死からチーム2安打目となる福留の中越えソロで先制すると、この1点をメッセンジャーが守り抜き、2安打12奪三振で完封した。
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