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森下が決めた!若き大砲の決勝弾でビジター連敗を7でストップ

森下が決めた!若き大砲の決勝弾でビジター連敗を7でストップ

6月28日、阪神タイガースは猛暑の中で行われたデーゲームに臨んだ。ここ数試合、打線の繋がりを欠き、特にビジターでは7連敗中。敵地での勝利が遠ざかっていた中、今季のキーマンである森下翔太が久々の大仕事をやってのけた。まさに“主役”として、チームを救った一夜だった。

試合は阪神先発ジョン・デュプランティエと、ヤクルト高橋奎二の投げ合いで始まった。阪神は1回から得点圏に走者を進めるも、あと一本が出ない展開が続いた。ヤクルトもデュプランティエの巧みなピッチングを攻略できず流れをつかめない。両軍の先発投手がテンポ良くアウトを重ね、4回まで終了して0−0の膠着状態。観客の焦燥感が高まる中、5回表の阪神の攻撃が試合の均衡を破る。

先頭のデュプランティエが倒れるも、近本が四球で出塁。盗塁こそなかったものの、高橋の牽制をかいくぐって果敢にリードを広げ、相手バッテリーに圧をかける。続く中野が凡退し、2アウトながら走者は二塁。そして迎えるのが、打撃不振に悩みながらも今季は継続してクリーンナップを担う森下翔太だった。4月以降、好不調の波が激しく、ここ最近は54打席ノーアーチ。それでも岡田監督は3番に据え続けた。それは「結果じゃなくて、内容を見ている」と語った信頼の証だった。

そんな中で迎えた勝負所。カウント1-1からの3球目、高橋が投じた高めのストレートを、森下はコンパクトかつ力強く振り抜いた。鋭い打球は高々と舞い上がり、左翼スタンド中段へ飛び込む2ランホームラン。ベンチもスタンドも一斉に沸いた。これが54打席ぶりの一発であり、12号アーチ。さらに、この一打で森下は今季50打点の大台に到達。セ・パ両リーグを通じて最速の到達記録である。

打球の行方を確認した瞬間、森下は控えめに一礼するような仕草を見せ、ゆっくりとダイヤモンドを回った。ベンチ前ではチームメイトが拍手とハイタッチで迎え、重苦しい雰囲気が一気に晴れ渡る。「最近ずっと感覚が悪くて…とにかく自分のスイングだけを意識しました。結果が出て素直に嬉しい」と、試合後のヒーローインタビューでは静かに語った。

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この一打に応えたのは、投手陣の圧巻の継投だった。先発デュプランティエはヤクルト打線を7回まで3安打に封じ込める快投。持ち味のツーシームとカーブで打者のタイミングを外し、ランナーを出しても動じることなくゼロを重ねた。8回は及川雅貴が1死からの連打でピンチを招いたが、湯浅京己が踏ん張って無失点に抑える。最終回は守護神・岩崎優が3人でピシャリと締め、今季14セーブ目。盤石のリレーで“虎の勝ちパターン”がようやく戻ってきた瞬間でもあった。

この勝利には、森下を起用し続けてきた首脳陣の我慢も実った。コーチ陣としても、森下のフォーム修正やメンタルケアに力を注いでいたという。打てない日々でも、守備や走塁での貢献を忘れず、森下は黙々と戦い続けていた。

一方、ビジターでの7連敗を止めた意義は大きい。敵地での戦いに苦しんできたチームが、この試合を機に巻き返しを狙えるか。特に若手主体の打線は、ここからの真夏の一戦一戦が真価を問われる時である。試合後の森下は「暑い中応援してくれたファンの皆さんのおかげ。ここから連勝して、また甲子園でいい姿を見せたい」と語り、頼れる主砲の覚醒を予感させた。

試合時間は2時間52分、観衆29,330人。スコアは阪神2−0ヤクルト。ヒーローインタビュー後のスタンドには、ユニフォームを掲げるファンの姿と、「モリシタありがとう!」と手書きのボードを掲げる子どもたちの姿があった。初夏の空気に包まれた球場に、虎キチ達のささやかな充足感が満ちていた。

この勝利を支えた“森下の一撃”が、今後のシーズンを左右する分水嶺になる可能性を秘めている。苦難を乗り越えて立ったバッターボックスで、結果を出した男の背中が、今日は一際大きく見えた。

 

 

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