岡田監督がたびたび楽しみな存在としてその名を挙げていた門別投手に、ようやく1軍先発マウンドでの出番が巡ってきそうです。「長島茂雄DAY」として注目される一戦で、その能力を存分に発揮してチームを勝利に導いてくれる事を願っています。
【元虎番キャップ・稲見誠の話】阪神・門別啓人に、やっと訪れた先発チャンス 〝予備〟にも「賞味期限」がある? 鉄は熱いうちに…
(サンケイスポーツより)
「待ち続けた男」阪神・門別啓人にようやく、〝予備〟に別れを告げるチャンスが到来した。5月3日の巨人戦(東京D)での先発プランが浮上。当日、巨人は伝統の一戦を、球団創設90周年記念特別試合「長嶋茂雄DAY」として開催する。エース候補にとっては、何かの巡り合わせか。昨年秋から、起用について、細心の注意を払った岡田彰布監督にも、その時が訪れようとしている。
言葉は悪いが、扱いは行ったり来たり…。強固な開幕ローテ6人衆を横目に指揮官から命名された〝予備1番手〟は1軍でシーズンを迎えた。今季初登板は0ー5で開幕2連敗を喫した3月30日の巨人戦(東京D)の八回だった。1回無失点でスタートを切り、その後も中継ぎで2試合登板。4月5日に抹消され、2軍で2度の先発で計11回を投げて、得点を与えることはなかった。そんな状況で1軍は中継ぎの登板過多が続き、19日に再び、呼び戻された。
開幕直前まで先発調整。シーズンが始まると中継ぎに回り、3試合投げ、1軍から離れた。ファームでは先発に戻り、声がかかるのを待ち、やっと指名されたと思えば、また中継ぎ。並の投手なら、どこかで調子が崩れる。岡田監督が惚れ込んだ逸材は、それでも力を出し続けた。プロ2年目の19歳は開幕後、1軍でも2軍でも0を並べ続けている。
今回は2024年の先陣を切った青柳晃洋の代役。26日のヤクルト戦(甲子園)で投手に押し出し四球を与え、内野陣のエラーも重なり、3回1/3を投げ、5失点(自責2)で降板した。ここまでの疲労も考慮され、翌日に抹消された。3連戦の初戦の金曜日。門別に課された役割は大きい。青柳の処遇については「1回飛ばすから」と岡田監督。開幕から続いた6連戦が5連戦になったことで、一時抹消された西勇輝も戻った。村上頌樹、伊藤将司、大竹耕太郎、才木浩人は健在。門別には万全な先発陣を、こじ開ける力が求められる。
紆余曲折を経て、首位に立つ阪神。試合後のコメントを巡って、岡田監督が激怒。報道陣の囲み取材に応じない時期が続いたものの、怒りは氷解し、日常は戻った。27日のヤクルト戦で併殺を狙った木浪聖也の失策には「あの打球でゲッツー取れへんよ、はっきり言うて。慌てる必要ないねん、一つでええねん」と就任以来、力説し続けた〝あわよくば〟のプレーを諫めた。五回無死一、二塁で坂本誠志郎のバントは三塁封殺となった。「あんなんも高めのクソボールやろ。ランナー、スタートきれんて。自分だけのバントじゃないんやからな」と厳しい言葉を続けた。試合後には野手を集めて、ゲキを飛ばした。
「打ち取られ方が悪いからさ。だからお前、それで言うたんよ。明日までに切り替えて、ちょっと考えろ言うて」
その結果は逆転勝ちで、連敗を阻止した。「一番典型的なんは近本のホームランやった」と逆転2ランの1番打者を称えた。開幕直後は我慢の日々が続いたが、チーム状態は通常に戻った。山あり谷ありのシーズン。この先、何が起こるかわからない。長い戦いを見据えたオカダ流の危機管理のひとつが、門別の先発起用だ。
予備より常駐。代役より主役。リザーブでいい事なんて、さほどない。鉄は熱いうちに投げるしかない。ここまで門別の1軍通算登板数は「5」。待ちに待った6度目のマウンドは首位攻防戦の可能性がある5・3の東京ドーム。初勝利が待っている。
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