今季躍進を目指す高卒2年目の門別投手が、小6以来となる地元・札幌ドームでの凱旋登板を実現しました。ご両親が見守る前で4回2安打1失点の好投で成長した姿を見せてくれましたが、求めるところはもっと上にあります。1年間を通じて活躍できるよう、まだまだ伸びてもらわないと！
阪神・門別啓人が反骨ピッチ「開幕ローテを目指したい」 北海道凱旋登板で４回１失点と好投
（サンケイスポーツより）
俺は大志を抱く！ 阪神は２日、日本ハム戦（札幌ドーム）に２－３で逆転負け。オープン戦開幕４連敗となったが、先発した門別啓人投手（１９）が４回２安打１失点と好投。北海道出身の左腕は両親らが見守る前で故郷に錦を飾った。現状では開幕ローテーション構想外だが「目指したい」と宣言。北海道開拓の父、クラーク博士もビックリ？の闘争心で、北の大地を熱くさせた！
たくましくなって、北海道に帰ってきた。レプリカユニホーム、タオルがスタンドで揺れている。警備員に「大きすぎる！」と注意されるほど巨大な横断幕まで出た。〝本拠地〟に立った門別が志の強さを証明した。
「うれしかったです。完璧なピッチングではなかったですけど、高校のときより、ちょっとは成長した姿を見せられたんじゃないかと思います」
小学６年時以来となる札幌ドームのマウンド。父・竜也さん（４０）、母・実保さん（４２）も見守っていた。２０２３年に東海大付札幌高からドラフト２位で入団し、同年は１軍で２試合登板。岡田監督の配慮で凱旋登板が実現した。
一回は２三振と上々の立ち上がり。ただし、序盤から直球中心だったことが影響したのか、徐々に苦しくなった。二回には四球から２死二塁を招き、田宮に適時打を献上。最速１５０キロの直球に１１０キロ前後のカーブなどを織り交ぜながら４回２安打１失点と耐えた。岡田監督は「きょうはあんまり。スピードガン見てもあんまり出てなかったもんな」と振り返ったが「今年一年の先発としての１軍戦力になる」と及第点を与えた。
「開幕ローテはないといわれている中ですけど、それでも開幕ローテを目指したいなと思っている。ここからまだどうなるか分からないですけど、どんどん投げ続けてローテーションに入っていけたらいいなと思います」
門別はプロ初勝利へ、先発６枠を目指して取り組んでいた。現時点で指揮官は潜在能力の高さを認めながらも「開幕ローテは１００％ない」と断言している。まだ高卒２年目の１９歳。昨季は中継ぎでスタートし、先発に転向してから最優秀防御率、ＭＶＰに輝いた村上のような道を歩ませることもできる。しかし「門別は若いし、先発で育てなあかんのちゃう？」とこだわる。次回登板も１軍戦の見通しだが、あくまでも経験値を積ませるため。それでも門別は岡田監督のプランを覆すべく、必死になっている。
「情けない姿を見せたくない」
凱旋登板を前に、故郷で応援してくれる人の笑顔を思い出していた。ぶざまな姿を見せるわけにはいかない。重圧を感じながらも、自らを奮い立たせる気持ちの強さがあった。
「真っすぐもそうですし、変化球の精度だったりとかコントロールもスライダーが全然ストライク入らなかったですし、全部決めにいく球になってしまった。全然ダメでした。次の登板を見てもらいたい」。反骨心でエースになる。北の国からドラマをつむいでいく。（中屋友那）
◆門別について阪神・安藤投手コーチ 「真っすぐの強さもありますし、変化球もうまく投げられていた。ボール自体はいいボールなので続けていってほしい」
★巨大な横断幕は…
試合前練習からバックネット裏左には「門別啓人投手 頑張れ！！」と書かれた巨大な横断幕が掲げられた。門別が通った東海大札幌高の近くで練習する中学軟式野球のクラブチーム「ＰＥＡＣＥ ＢＡＳＥＢＡＬＬ ＣＬＵＢ」が前日に制作したもの。オフにあいさつに来てくれたという門別に高山基樹監督（５７）は「今日はお返しに、盛大に応援しようということで」としながらも、あまりにも大きすぎて警備員から注意されたことを笑顔で明かした。「はい、怒られました」。門別は「見ました。ちょっとやりすぎかな」と苦笑いしていた。
■門別 啓人（もんべつ・けいと） ２００４（平成１６）年７月１０日生まれ、１９歳。北海道・日高町（旧門別町）出身。小学１年で富川野球スポーツ少年団で野球を始め、６年時に日本ハムジュニアに選出。富川中では軟式野球部。東海大札幌高では１年秋から背番号１でベンチ入り。甲子園出場なし。２３年Ｄ２位で阪神入団。同年９月１５日の広島戦（マツダ）で１軍初登板。通算２試合、０勝０敗、防御率３・３８。年俸８００万円。１８３センチ、８６キロ。左投げ左打ち。背番号「３０」
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