18歳の高卒ルーキー・今朝丸投手が新人合同自主トレに参加、初めてブルペンに入り20球を投げました。震災は生まれる前の出来事で実感はないはずですが、伝え聞いた体験談を後の世代へ伝えていく事も大事な役割。プロアスリートとしての第一歩を踏み出しました。
阪神D2位・今朝丸裕喜、藤浪級風格 プロ初ブルペン 「雰囲気とかオーラとか」平田2軍監督スター性実感
(サンケイスポーツより)
阪神のドラフト2位・今朝丸裕喜投手(18)=報徳学園高=が17日、鳴尾浜で新人合同自主トレを行った。阪神大震災発生から30年を迎えた節目の練習前には被災者に黙禱(もくとう)をささげ、初めてブルペンに入り20球を投げた。見守った平田勝男2軍監督(65)は、同じ高卒入団だった藤浪晋太郎投手(30)=メッツからフリーエージェント=から感じたオーラをまとっていると絶賛した。
生まれる前に故郷が見舞われた震災での犠牲者を思い、目を閉じて祈った。阪神大震災発生から30年の節目の日。プロとして歩み始めた兵庫・神戸市出身のドラフト2位右腕の今朝丸は、神妙な面持ちで口を開いた。
「震災当時の話は先生や親から聞いたことがあります。震災は防ぎようがないですが、知っているのと知らないのとでは、対策などのやり方も変わってくると思う。自分が聞いたことをしっかり次の世代につなぎたいと思います」
大きな被害を受けた神戸市東灘区で生まれ、報徳学園高出身の18歳。折に触れて当時の映像や写真を目にし、経験談を耳にしてきた。「道が通れないというか、そういう状況だったので、ほんとに怖いなっていう印象はあります」。半旗にした球団旗のもと、被災者に黙禱をささげた。
キャッチボールや投内連係で汗を流すと、新人合同自主トレでは初めてブルペンに向かった。捕手を立たせて真っすぐのみで20球。小気味いいミット音を響かせた。
「感覚よく、しっかりいい回転で投げられた。すごくよかった。(力は)8割ぐらい入ってました」と振り返り、クイックモーションも混ぜたことには「ずっと高校時代にやっていたんで、ここでもちょっとやってみようかなって思いました」と意図を説明した。
そんな落ち着いた姿を視察に訪れた平田2軍監督は「さすが報徳でエースを張っていただけあって、そういう雰囲気というのは持っているよね。大事なことやねん。雰囲気とかオーラとか」と絶賛。さらに「そりゃ、藤浪晋太郎はオーラがあったよね」と、同じ高卒入団でルーキーイヤーから10勝を挙げ、現在は米国を舞台にする剛腕のかつての姿に重ねた。
多くの注目を集め、片山ブルペンコーチらも見守る中でも、今朝丸は実に堂々としていた。「やりにくさはあんまりなくて、むしろ力が入るというか、いい形で投げれるっていう気持ちがあります」と強心臓ぶりを見せつけた。
熱烈なファンの視線を集める甲子園のマウンドは居心地がいいに違いない。節目の日にベールを脱いだ次代のスター候補。虎の未来、そして生まれ育った故郷の未来を輝かしいものにしていく。
◆阪神・片山ブルペンコーチ兼ブルペン捕手「伸びしろしかないんじゃないかな。指にかかるとすごい力強い球を投げていた。将来的にも期待できる」
◆阪神・久保田2軍投手チーフコーチ「投げ方がきれい。しっかりできたんじゃないかなと思います」
■今朝丸 裕喜(けさまる・ゆうき) 2006(平成18)年6月2日生まれ、18歳。神戸市東灘区出身。東灘小で野球を始め、横屋川井少年野球部に所属。報徳学園高では1年秋からベンチ入り。2、3年時に選抜大会準優勝。3年夏の選手権大会は1回戦敗退。25年D2位で阪神入団。契約金6000万円、年俸720万円。最速151キロ。変化球はスライダー、カットボール、フォーク。187センチ、77キロ。右投げ右打ち。背番号「28」
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