スタメン落ちも腐らず“チームのために”糸原の功績

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プロである以上、試合に出続けたいと思うのは誰しも同じはず。今季、出場機会が激減してしまった糸原選手は、それでも腐る事なく数少ないチャンスのために準備し、そしてチームメイトを鼓舞し続けてくれました。MVP級の活躍でした!

【オレが見た!アレのソレ】阪神日本一記念連載 トラ日本一の陰に糸原の気配り ミエちゃんにウイスキー「角」5リットル
サンケイスポーツより)

38年ぶりの日本一に輝いた阪神の番記者が今年一年で印象に残ったシーンを振り返る連載「オレが見た! アレのソレ」(全7回)。第3回は糸原健斗内野手(30)の短期決戦での活躍と、〝舞台裏〟での気配りについて新里公章記者が語る。オリックスとの頂上決戦で打率4割の数字を残した仕事人の存在も、悲願達成に欠かせなかった。

〝一発勝負〟の代打稼業は、スタメンとは異なる重圧との戦いが待っていたはずだ。それでも、糸原はオリックスとの日本シリーズで打率・400(10打数4安打)と結果を出し、第6戦はDHでスタメン入りもした。

「上位に回せば2点差はなんとかなる。あとの打者が続いてくれて得点になってよかった」と胸を張ったのは第5戦だった。0-2の八回。オリックス・山崎颯から先頭の木浪が二塁内野安打で出塁し、湯浅に代わった糸原が7球目の直球を詰まりながらも左前へ落としてチャンス拡大。近本、森下のタイムリーなどで一挙6得点のビッグイニングとなり、王手をかけた。岡田監督も「糸原のアレが大きかったな」とうなった。

糸原は2021年は125試合、22年は132試合に出場したが、今季は岡田監督が中野を二塁にコンバートしたため、69試合の出場で主に左の代打の切り札としての役割を担った。

「慣れはないですよ。普段通り、準備して、打席で後悔のないように。1球しかないので。しっかり準備することを心がけています」と、試合開始の何時間も前から、回ってこないかもしれない打席に備え続けた。ただ、チーム構成は20代の若手中心。30歳は集中力を研ぎ澄ます作業と同時に、ムードメーカーという〝二足のわらじ〟もはいていた。来日1年目のミエセスとは息の合ったコンビ。首位を走る重圧を和らげるチーム内のオアシスのように映った。

7月13日。ミエちゃんの28歳の誕生日にウイスキー「角」を贈った。5リットルの業務用サイズを。「気持ちっす。ミエセスへの気持ちが大きかったので、選びました」と笑った。シーズン後に確認すると、M砲は「ほぼ飲んでますよ」と完飲を報告してくれた。

糸原の周囲にいたナインの表情はいつも柔らかかった。日本一のために1球に懸ける日々を送り、舞台裏でもチームリーダーの一人として岡田虎を支えた。

 

 

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