ここに辿り着くまでに、想像を絶する困難がいくつもあったはずです。それらを乗り越えて、高橋遥人投手が完璧なピッチングを披露してくれました。崖っぷちにあるチームを救う大きな1勝は、本人にとっても大きな自信となったはずです。ポストシーズンに向けて、貴重な戦力です!
高橋遥人、1048日ぶり甲子園で勝利「やっぱり投げやすい」岡田監督も「完璧」と評価
(日刊スポーツより)
<阪神4-1中日>◇3日◇甲子園
ハルト様様様や! 阪神高橋遥人投手(28)が1032日ぶりの1軍甲子園マウンドで快投し、1048日ぶりの聖地星を手にした。中日打線を7回3安打無失点に封じ、今季3戦3勝。中日高橋宏との「タカハシ対決」に完勝した。チームは今季の甲子園中日戦で8勝1分けと不敗。5年連続で中日戦のシーズン勝ち越しを決めた。この日は上位3チームで「独り勝ち」。首位広島とのゲーム差を4・5、2位巨人とは4に縮め、虎が息を吹き返した。
試合開始直前、高橋はじっくりと準備を整えた。まっさらなマウンド上で歩幅や感触を確認。慌てず、1球1球丁寧に投球練習を行った。右翼からは「頑張れ遥人」コールも発生。1032日ぶりの甲子園で、自分のために時間を使った。
「ここに立つのを目標にずっと頑張ってきた。たくさんの人の前で投げられて勝つことができて、うれしいです」
3回までパーフェクト投球と抜群の安定感。7回に2死二、三塁を背負ったが、村松を外角146キロ直球で空振り三振に仕留めた。7回を3安打無失点。1048日ぶりの甲子園星となる今季3勝目を挙げた。
昨年11月に甲子園で行われたファン感謝デー。同郷の先輩岩崎の粋な計らいで、イベント内のミニゲームでマウンドに立った。「ピッチャー、高橋遥人!」。球場からはどよめきと歓声。感じたのはありがたさと少しの恥ずかしさだった。「やばいやばい」と焦りながらネックウオーマーやパーカを慌てて脱ぎ、小走りで右翼からマウンドに向かった。
「無我夢中だった。僕の時間を取っちゃダメだと思ったので」
軟式球で練習を含めて計6球の登板。それでも聖地の感覚は懐かしかった。
「景色とかもすごく久々で。やっぱり投げやすいなって。うれしかったです」
甲子園の思い出は1つに絞れない。静岡・常葉学園橘高2年夏に甲子園初出場。初戦敗退だったが「夢のような時間だった」。ルーキーイヤー18年のプロ初登板初勝利も甲子園。今年5月、2軍くふうハヤテ戦の聖地復活登板も心に残る。どれも特別な一戦。だが鮮明には覚えていないという。
「良いことってすごく一瞬。記憶が曖昧でもある。あまり覚えていないけど、それくらい夢中になれていたのかなと思います」
この日も「いっぱいいっぱい」と無我夢中の91球。岡田監督は「完璧な投球じゃないですかね」と評価した上で、次回について「抹消せえへんよ」と明かした。すでに2勝を挙げる13日の広島2連戦初戦に中9日で向かうことも可能だ。
1・5ゲーム差で4位DeNAに迫られる中、首位広島とは4・5差に縮めた。帰ってきた左腕が文字通り「虎の救世主」を地で行っている。
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