10月2日、甲子園球場で行われた阪神対ヤクルトのリーグ最終戦は、阪神が6-2で快勝した。村上頌樹が7回2失点で待望の14勝目。打線は前川右京の3ラン、佐藤輝明の40号2ランなどが炸裂。さらに、この日は原口文仁選手の引退セレモニーが行われ、代打での最終打席と9回裏で捕手に入るというシーンには球場中が沸いた。満員の観衆42,594人の前で、阪神は勝利と感動を両手でつかんだ夜となった。
1回裏、ヤクルトの先発・青柳が先頭打者の近本に二塁打を許すと、中野が進塁打で三塁へ。1死三塁の場面で佐藤輝がきっちり犠牲フライを打ち上げ、1点を先制する。2回は両軍ともに無得点。青柳は直球と変化球で阪神中軸を封じ、村上もテンポよく打者を処理。しかし3回裏、阪神の強襲が飛び出す。サトテルが強烈なピッチャー返しで内野安打、大山の四球で2人のランナーが溜まる。2死一、二塁の場面で打席には前川。青柳の外角ストレートを狙い澄まして捉え、打球は右中間へ。劇的な3ランホームランとなり、スコアは4-1。虎キチ達は総立ちとなり、ベンチも選手全員で迎えるとは思えぬ大喝采。前川にとって、この一発は1軍に定着できずに苦しんだ今シーズンを総括する力強い一打だった。
5回裏、阪神が試合を決定づける一打を放つ。1死二塁から佐藤輝が2ランホームラン(節目の40号)をライトスタンドへ叩き込む。100打点&40本という大台の目標をクリアし、見事に2冠に輝く結果となった。ヤクルトは5回表に反撃を試み、オスナのタイムリー二塁打で1点を返すが、これ以上は及ばなかった。
この試合は、阪神一筋16年、今季限りで引退を発表していた原口文仁にとって現役最後の公式戦となった。7回裏2死一塁の場面で、代打・原口がコールされた。スタンドは一瞬静まり返り、そして大きな拍手が湧き上がる中、原口が打席に入る。代打での最後の打席にファンもナインも目を凝らす。センターフライという結果に終わったものの、その静かな登場と敬意をもって迎えられる姿は、長いキャリアを称える劇的な演出となった。
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さらに9回裏には、捕手としてマスクをかぶる場面があった。原口がベンチからマスクを手にしてキャッチャー位置に座るというシーンは、長年愛された選手としての“最後の守備”として最高の演出だった。このような配置替えは通常あまり見られず、引退試合ならではの粋な演出であった。
先発の村上は7回を投じ、被安打5、失点2、奪三振8、与四球0。球威・制球とも安定し、徹底した投球で相手打線を押さえ込んだ。待望の14勝目、奪三振も144個となった。継投陣は畠、岩貞、湯浅がそれぞれ無失点でつなぎ、試合を締めた。阪神打線は合計9安打。前川は3ランを含む2安打3打点、佐藤輝は2ラン含む3安打3打点と主軸として結果を残した。近本、中野、坂本らも出塁を重ね、打線のつながりを感じさせた。ヤクルトは5安打にとどまり、得点は村上のソロとオスナのタイムリーのみ。
この夜、原口選手への花道は勝利と多くの拍手に包まれた。代打の打席、さらには捕手マスクをかぶる演出も交えられ、長きにわたるキャリアへの讃辞と、チームの歴史に名を刻む試合となった。甲子園の夜空に甲子園を拡げた歓声は、原口に捧げられた拍手とともに、タイガースの未来を照らしていた。レシュラーシーズン最後のゲームは、今季ベストな形で大円団となった。
