初回2被弾が決勝点に・・・交流戦負け越し決定

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阪神にとって、あまりにも重い立ち上がりだった。
阪神は6月12日、京セラドーム大阪でオリックスと対戦し、1-2で敗戦。スコアだけを見れば1点差の惜敗だが、試合の流れを決めたのは初回裏、村上頌樹が浴びた2者連続本塁打だった。

1回表、阪神は髙寺望夢が二ゴロ、中野拓夢が投ゴロ、森下翔太が空振り三振に倒れ、三者凡退で攻撃を終えた。その直後の守り。村上は先頭の宗佑磨を二ゴロに打ち取り、まず1死を奪った。ここまでは平常運転に見えた。しかし、続く2番・西川龍馬への初球が試合を動かす。西川は積極的に振り抜き、打球は右翼席へ。オリックスが先制のソロ本塁打で1点を奪った。さらに間を置かず、3番・紅林弘太郎。カウント1-1からの3球目、甘く入った変化球を捉えられた打球は左翼スタンド上段へ飛び込んだ。わずか1死からの2者連続被弾。阪神は試合開始早々、0-2と追う展開を強いられた。村上にとっては痛恨の2球だった。西川は「いい投手なので初球から積極的にいった」という趣旨のコメントを残し、紅林も西川の一発で良いイメージを持って打席に入れたと振り返った。つまり、オリックスは村上の立ち上がりを待たずに仕掛け、最初の好機を一振りで得点に変えた。

村上はその後、太田椋を中飛、中川圭太を三ゴロに抑えて初回を終えたが、2点は最後まで消えなかった。試合後、村上は「あの2本が決勝点になってしまった」という趣旨の言葉で初回を悔やみつつ、「動揺はなかった」とも語った。実際、2回以降の投球は粘り強かった。2回は先頭の山中稜真に中前打を許し、杉本裕太郎の三ゴロで1死一塁。来田涼斗を空振り三振、若月健矢に四球を与えて一、二塁としたが、宗を二ゴロに仕留めた。3回は先頭の西川に四球を出したものの、紅林を三併殺に打ち取り、太田を一ゴロ。5回にも来田の左前打、若月の犠打、宗の四球で1死一、二塁とされたが、西川を二併殺に打ち取り、追加点を許さなかった。

7回を投げ切り、111球、5安打2失点。藤川球児監督も、初回以降はきっちりゲームを作ったとして村上の仕事を評価した。ただ、どれほど立て直しても、初回の2発で背負ったビハインドは消えない。初球から迷わず振る西川、続く紅林の連続弾は、セ・リーグの通常対戦とは違う打者の入り方を象徴する場面でもあった。村上は崩れなかった。しかし、崩れる前に2点を失った。これが、この夜の最大の分岐点となった。

好機は作った。それでもあと一本が出なかった

阪神打線は完全に沈黙したわけではない。

5安打、4四球、1死球。走者は出した。満塁も作った。だが、あと一本が出ない。2回表、先頭の佐藤輝明が中前打で出塁した。大山悠輔の遊ゴロで1死二塁とし、前川右京が死球を受けて一、二塁。反撃の形は整った。しかし、立石正広は遊飛、坂本誠志郎は中飛。得点には届かなかった。3回表も惜しかった。熊谷敬宥が見逃し三振、髙寺が三直に倒れ、2死走者なし。ここから中野が中前打で出塁し、森下が左翼線への二塁打を放って二、三塁。佐藤は四球を選び、2死満塁まで攻め込んだ。打席には大山。だが、打球は左飛。初回の2点を返す絶好機を逃した。

5回表、ようやくスコアは動く。1死から熊谷が三ゴロ、髙寺が空振り三振で2死。ここでも中野が中前打で出ると、森下が右前打で続き、一、三塁。佐藤が四球を選んで再び満塁。ここで大山が押し出し四球を選び、阪神が1点を返した。2-1。なお2死満塁で、流れは一気に阪神へ傾きかけた。だが、前川は遊ゴロ。あと一押しがなかった。オリックスはこの日、先発ペルドモを3回で降ろし、入山海斗、髙島泰都、吉田輝星、岩嵜翔、山﨑颯一郎、椋木蓮、マチャドとつなぐ8人継投。いわゆるブルペンデーの継投に対し、阪神は局面ごとに走者を置きながらも、最後の一打を封じられた。

6回表には岩嵜から坂本が四球で出塁し、熊谷が投犠打を決めて2死二塁としたが、髙寺は遊ゴロ。7回は山﨑の前に中野が空振り三振、森下が左飛、佐藤が空振り三振。8回は椋木に対し、大山が遊直、前川は一塁アウトの判定に阪神がリクエストを要求したが覆らず遊ゴロ、立石も三ゴロ。9回はマチャドの前に、坂本の代打・福島圭音が中飛、熊谷の代打・嶋村麟士朗が二ゴロ、最後は髙寺が空振り三振に倒れた。

藤川監督は打線について、得点できていないことで投手の失点の重みが増しているという見方を示したうえで、変化球でかわされ、相手に上回られたという趣旨の言葉を残した。さらに、積極的に仕掛けていくことの重要性にも触れた。中野はこの日、2安打を放ち、2度の好機の起点になった。3回も5回も、2死から塁に出て打線をつなげた。試合後には、アウトカウントに関係なくチャンスを作る役割は変わらないとし、個々が後ろへつなぐ意識をさらに持てば打線はつながるという趣旨のコメントを残した。森下も3回に左二塁打、5回に右前打と2安打。3試合ぶりのマルチ安打で存在感を示したが、本人は勝敗を受け止め、切り替える姿勢を示した。結果として、阪神は5安打で1得点、9残塁。安打数はオリックスと同じ5本だった。それでも、オリックスの5安打は初回の2本塁打で2点に結びつき、阪神の5安打は押し出し四球の1点にとどまった。この差が、1点差以上に重く見えた。

村上は立て直し、木下も快投。投手陣は踏みとどまった

敗戦投手は村上についた。だが、試合全体を見れば、阪神投手陣が崩れた試合ではない。

村上は初回に西川、紅林の2者連続本塁打で2点を失った後、2回から7回まで無失点。7回111球、5安打2本塁打、5奪三振、3四球、2失点。初回の2発を除けば、粘りの内容だった。2回は山中の中前打と若月の四球で二塁まで走者を進められながらも、宗を二ゴロ。3回は西川の四球直後に紅林を併殺に打ち取った。4回は中川を見逃し三振、山中を空振り三振、杉本を中飛で三者凡退。5回は来田の左前打から1死一、二塁を背負ったが、西川を二併殺。6回は宜保翔を見逃し三振、太田を空振り三振、中川を遊ゴロ。7回は先頭の山中にこの日2本目となる中前打を許したものの、杉本を捕邪飛、来田を左飛、若月を二ゴロに仕留めた。

藤川監督は村上について、初回以降は十分な役割を果たしたという評価を示した。村上自身も中5日の影響を否定し、暗くなりすぎず、いつも通りやっていく姿勢を語っている。これは、負けがついた投手のコメントとしては前向きだった。確かに、初回の2発は痛かった。しかし、そこで試合を壊さなかったからこそ、阪神は最後まで1点差で追い続けることができた。8回には2番手の木下里都が登板。宗を二ゴロ、西川を一ゴロ、宜保を空振り三振に仕留め、わずか14球で三者凡退に抑えた。木下は試合後、落ち着いて投げられたことや、テンポを意識したことを口にした。ビハインドの終盤、追加点を与えれば勝機がさらに遠のく場面での快投だった。

阪神バッテリーの課題は、やはり初回の入りに集約される。オリックスは村上を攻略するために、長い攻防に持ち込まず、早いカウントから仕掛けた。オリックス打線は一巡目の入りから迷いがなく、阪神はその最初の圧に2点を失った。一方で、村上はその後、山中に2安打を許しながらも、太田、中川、杉本ら中軸以降を要所で抑えた。チームが敗れた以上、村上に白星はつかない。自身5試合連続のクオリティースタートとなる内容でも、6勝目には届かなかった。それでも、試合を作った事実は残る。だからこそ、藤川監督の言葉も、投手への責任追及ではなく、得点できない打線への危機感へ向かった。1点差負けの責任は、初回の2発だけではなく、その後の7イニングで追いつけなかった攻撃にもあった。

 

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4連敗、交流戦負け越し決定。必要なのは“勝ち切る執念”

この敗戦で阪神は今季ワーストの4連敗。交流戦は4勝10敗となり、残り試合を待たずに負け越しが決まった。

博多でのソフトバンク3連戦から続く悪い流れを、京セラドームでも断ち切れなかった。オリックスは初回の2本塁打以降、得点していない。阪神にも十分に勝機はあった。2回、3回、5回、6回と得点圏に走者を置いた。特に3回と5回は、ともに2死から中野、森下、佐藤がつないで満塁を作った。3回は大山が左飛。5回は大山の押し出し四球で1点を返したものの、続く前川が遊ゴロに倒れた。ここで同点、逆転まで持ち込めなかったことが最後まで響いた。

藤川監督は試合後、勝ちにいく執念を示さなければならないという趣旨の強い言葉を残した。言い換えれば、内容が惜しいだけでは足りないということだ。ブルペンデーの相手に対して、阪神は毎回のように投手が代わる難しさと向き合った。ペルドモには3回で3安打を放ちながら無得点。4回の入山には三者凡退。5回の髙島、吉田から1点を奪ったが、岩嵜、山﨑、椋木、マチャドの終盤4イニングでは無安打に抑え込まれた。7回、山﨑の力のある球の前に、中野、森下、佐藤の上位が封じられた場面も痛かった。

オリックスの得点は西川の初球本塁打、紅林の早いカウントでの本塁打。阪神の得点は、走者をためた末の押し出し四球だった。もちろん、四球を選ぶことも攻撃の一部であり、大山の1打点は貴重だった。ただ、勝つためには、もう一本が必要だった。立石はこの日、7番で出場し、遊飛、右飛、見逃し三振、三ゴロの4打数無安打。藤川監督は若手を起用しながら打線の打開を図ったが、結果には結びつかなかった。9回には福島、嶋村というフレッシュな代打も送ったが、福島は中飛、嶋村は二ゴロ。最後は髙寺の空振り三振でゲームセットとなった。

阪神の守備に失策はなく、投手陣も初回以外は無失点。試合としては壊れていない。だからこそ、敗戦の悔しさは濃い。勝てる余地があった試合を落としたからだ。4連敗という数字以上に、好機を作りながら得点に変え切れない停滞感。先発が粘っても、救援が無失点でつないでも、打線が1点で止まれば勝利には届かない。藤川阪神に必要なのは、流れを待つことではなく、自ら動かす一打だ。初回にオリックスが見せた積極性を、今度は阪神が示せるか。1-2の敗戦は、単なる惜敗ではない。交流戦終盤へ向け、突きつけられた課題がはっきり浮かび上がった一戦だった。

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