藤浪、メジャー移籍へ。チームも容認の方向

藤浪、メジャー移籍へ。チームも容認の方向

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これがタテジマを着て投げる最後の姿となるのか。多くの虎キチが、スワローズ戦でマウンドに上がる藤浪をそんな目で見つめていたことでしょう。藤浪投手がメジャー移籍へ動き始めました。自らの夢を叶えるため、全力で頑張ってほしいと思います。海の向こうで大暴れしてほしいですね。

【元虎番キャップ・稲見誠の話】「強靭」阪神・藤浪は引く手あまた? 念願のメジャー移籍へ 日本を代表する〝名馬〟が海を渡る
サンケイスポーツより)

10月14日、大きな〝爪痕〟を残して、4年間に及んだ矢野阪神が終戦を迎えた。スタメンに戻した佐藤輝にバントを命じ、最後は守備の乱れから、1安打で5点を奪われてジ・エンド。ヤノ野球を象徴する結末だった。敗戦が決まった瞬間、ヤクルト・高津監督に歩み寄り、右手を差し出したのも矢野監督らしい。去り行く将を全員で見送ったヤクルトナインもカッコよかった。「1・31発言」から荒波に船出した2022年の阪神はクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで3連敗を喫し、最後は拍手に包まれて、ようやく航海を終えた。ひと息入れる間もなく、旅支度をまた始めるのが2013年から10年間のタテジマ生活に別れを告げようとする藤浪だった。

〝玉砕〟だった。第1戦を西勇の背信投球で落として、アドバンテージを含め、0勝2敗で迎えた13日の第2戦に藤浪は満を持して先発した。1点リードの三回、村上に逆転2ランを浴びて、この回で降板した。メジャー移籍が叶えば、この3回2失点が〝最終成績〟。その後、テレビカメラは藤浪の覚悟を捉えたかったのか、ベンチで立ち上がって、手をたたき、チームメートを激励するシーンを何度も映していた。

「球団はもう藤浪のメジャー移籍を認めている」と関係者は断言する。スコット・ボラスを代理人として、すでに準備に入っているとも続ける。マリナーズ・イチロー、レッドソックス・松坂大輔ら、ポスティングシステムによるMLB挑戦は何例もある。同時に最近では19年の広島・菊池涼、20年の巨人・菅野、日本ハム・西川(現楽天)のように交渉が不成立に終わったケースもある。しかし先の関係者は「藤浪の場合、〝引く手あまた〟の可能性がある」と語る。

昨年、広島から同制度を利用してカブスに移籍した鈴木誠の譲渡金は約17億4000万円。さらに年俸は5年総額8500万ドル(約100億4900万円=当時のルート)。投手と野手の違いはあるものの、藤浪の場合、例えば「3年12億円」といった「格安」となるケースが考えられる。今オフの海外FA権行使を断言したソフトバンク・千賀の場合、年俸総額100億円は下らないと言われる。格は確かに落ちる。逆にヤンキースなど資金力のある球団だけではなく、アスレチックス、ロイヤルズ、パイレーツといった弱小球団も参加できるメリットがある。金額が実力であり、評価。それでも藤浪が「メジャーで投げたい」という純粋な思いを貫けば、道は開ける。

藤浪にとって最大のセールスポイントは何か?それは体の頑丈さ。あれほどボールがすっぽ抜けて、フォームに欠陥があると言われながら、肩や肘の故障経験はない。それが千賀にない長所。マウンドの傾斜、土の質とボールの違いという「不慣れ三点セット」の前に松坂を筆頭に何人の投手が苦しんで来たか。知らないうちに体に負担がかかり、肩が悲鳴をあげるパターンだ。だが藤浪には他人にはない強靭な体の強さを持っている。それが売り。「無事」を誇る日本を代表する「名馬」が堂々と海を渡り、向こうで大金を稼ぐ可能性は十分にある。

それにしても…。そんな藤浪とは対照的に、佐藤輝の〝評価〟はガタ落ちと言えば強引か。単純比較はもちろんできないが、最悪の内容だった。CS6試合で19打数3安打で打率・158。打点はソロによる「1」。三振は「8」。ヤクルトとの第1戦でテレビ解説を務めた松井秀喜(元ヤンキースなど)は佐藤輝の空振り三振のシーンで「慣れもありますが、打席の中で頭の中を整理しないといけない。今の球は何回振っても当たらないので」と指摘した。皮肉にも監督就任発表を待つばかりとなっていた岡田彰布がラジオ解説で球場を訪れた第2戦はスタメン落ちだった。

「打てないところを打てるようにする必要はない」「打てるように変えて失敗することが多いんですよ」「(3割バッターは)打てるボールを確実にヒットにしているからでしょ? (佐藤輝は)スイングできていないから飛ばない。(これまで)ホームランにしていないボールをホームランにしようとしているから自分のスイングができていない」

松井も岡田も考え方にメスを入れた。ある意味、昨年以上の大失速。これからどう成長していくか。極端に言えば、このまま、年間20本塁打を前後する打者に終わることも考えられる。まだ2年目だが、先行きの厳しさがわかったファストステージからのCS6試合だった。

藤浪に話を戻す。虎投からは藪恵壹、井川慶、藤川球児がメジャーに挑戦したが成功とは言い難かった。37歳シーズンの2005年、アスレチックスからMLB生活を始めた藪は100試合に投げ、7勝6敗1セーブ10ホールドで防御率は4・00。07年、ヤンキースのピンストライプのユニホームに袖を通した28歳の井川は期待に沿えず、16試合登板で2勝4敗、防御率6・66で阪神には戻らず、12年からオリックスに在籍した。33歳でカブスに入団した藤川も2年間の在籍に終わり、レンジャーズから四国アイランドリーグplus・高知という異例のルートを経て、16年に阪神に復帰した。メジャー成績は29試合登板で1勝1敗2セーブ1ホールドで防御率は5・74だった。

終戦から一夜明けた15日、阪神球団は矢野監督と退任と岡田監督の就任を正式に発表した。16日の会見で15年ぶりのタテジマ復帰を決めた指揮官はポジション固定の姿勢を打ち出し、「一塁・大山」「三塁・佐藤輝」の理想を掲げた。独特の野球観を持つ新虎将との〝相性〟を見たかったが、藤浪は29歳シーズンで挑戦を始め、「かねてそういう気持ちがあった。野球人としてぜひ挑戦したいトップレベルの世界」と語っている。11月1日からポスティング申請の受付が始まる。期間は12月5日まで。以前は最高入札額の球団が独占交渉権を得たが、現在は譲渡金支払い意思のある全球団と交渉できる。目の前に大きな可能性が広がっている。阪神の負の歴史を変えてほしいと願うのは酷だろうが、ここ数年の自身のモヤモヤを一気に晴らしてほしいと思う。ブレない心と壊れない体を武器に藤浪が太平洋を横断する。

 

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