ストーブリーグの補強具合を見ると、今季のタイガースはこれまで活躍してきたレギュラー陣や生え抜きの若虎たち、あくまでも日本人選手を中軸に据える戦い方を模索するようです。助っ人はあくまでも“助っ人”として機能してもらう。和製打線&投手陣の爆発に期待しましょう!
【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】巨人&DeNAは大物助っ人に投資し、藤川阪神は日本人選手重視 春季Cの成果がV奪回の鍵握る
(サンケイスポーツより)
さあ、いよいよ2月1日から12球団一斉に春季キャンプをスタートさせます。藤川球児新監督の初年度の春季キャンプは沖縄・宜野座と具志川で行われます。新監督の意向で、1軍キャンプ、2軍キャンプという呼び方はせず、宜野座組と具志川組に分かれてのキャンプイン。その心は春季キャンプの段階では1軍枠を巡って全ての選手が競争し、勝ち上がった選手だけがシーズン開幕戦(3月28日の広島戦=マツダ)のベンチ入りを勝ち取る…という環境作りと意思表示を行ったということでしょう。
「長いペナントレースを勝ち抜く上では支配下選手70人、場合によっては育成選手も含めた全選手で戦うという姿勢が大事になってくる。岡田前監督もよく『ペナントレースを戦うのは1軍のベンチ入り選手だけじゃあない。全選手がひとつの目標で戦わなければ143試合は戦い抜けない』と言っていた。そういう意識が新監督も強くあるのだろう」と阪神OBは話していました。そして、春季キャンプに突入するということは一応、ポストシーズンに一つの区切りがついたことも意味します。昨季の全日程終了後から12球団は今季に向けて戦力補強を行い、優勝を目指す態勢を整えました。その昔に星野仙一監督は「ストーブリーグはフロントの戦争」と表現していましたが、どのような戦力構成で優勝を目指すのか…はオフの戦力補強の結果を見れば、ある程度は輪郭が見えてきます。藤川阪神が優勝を争うであろうライバル球団の補強を見ると、今季に対する意欲や戦い方が見えてきます。
昨季の覇者・巨人はフリーエージェント(FA)でソフトバンクから甲斐拓也捕手(32)を獲得し正捕手に据えるはずです。投手陣では中日をFAとなったマルティネスを獲得して守護神に。抑えだった大勢をセットアッパーに回すようですね。先発陣では菅野が海外FAでオリオールズに移籍後、楽天を自由契約となった田中将大投手(36)を獲りました。昨季、シーズン成績は3位に終わりながら、クライマックスシリーズのファーストステージから勝ち上がり、日本シリーズではソフトバンクを下して日本一に輝いたDeNAはバウワーの2年ぶりの復帰を決めました。DeNAの先発投手陣には右腕のジャクソンと左腕のケイが機能していましたが、これで先発ローテーションのうち、3枚が強力な外国人です。
巨人とDeNAの戦力整備にかけた金額をもっと詳しく見ると、巨人は年俸12億円の4年契約でマルティネス争奪戦に勝利しました。また、主砲・岡本の背後を担う5番打者としてトレイ・キャベッジ外野手(27)=前エンゼルス=を1年契約の年俸1億6000万円で獲得しました。
DeNAもバウワーに対して単年総額で10億円規模の契約条件を提示していたと言われていますね。ジャクソンの年俸は2億3800万円、ケイの年俸は1億5000万円。そして4番オースティンの年俸は4億9500万円。外国人選手だけで20億円近い資金を捻出していることが分かります。
外国人選手を除く年俸総額は巨人が37億4570万円、DeNAは26億7350万円(2024年度発表)ですから、外国人選手に対する経費の割合は極めて高いです。それらに比べて阪神はどうでしょう。
今季の阪神の外国人は育成選手を含めて総勢9選手。残留したゲラ、ビーズリー両投手と新外国人投手としてニック・ネルソン投手(30)、ジョン・デュプランティエ投手(31)、新外国人野手としてラモン・ヘルナンデス内野手(29)。育成では残留のペタンセスとマルティネスに加えて、ジーン・アルナエス内野手(22)とスタンリー・コンスエグラ外野手(24)ですが、年俸は3億円のゲラが最高でビーズリーの2億4000万円が続きます。ネルソンが1億4000万円、デュプランティエが1億2000万円。育成選手の年俸は安いので9選手の年俸を足し算しても10億円未満と見られます。
阪神の外国人選手を除く選手年俸総額は34億1300万円(2024年度発表)ですから、外国人選手の比率は巨人やDeNAに比べると明らかに低いわけです。そのことはそのまま阪神球団や藤川球児新監督の戦力編成への方針に直結しますね。つまり、藤川阪神は外国人の力をあくまでも補助、補完戦力と考えていて、チームの中心軸は既存のレギュラー選手と若手の成長分に置いているわけです。外国人選手の力を頼らず、日本人選手中心のチーム構成で2年ぶりのリーグ優勝を目指すーという意欲がお金の流れを見れば、クッキリと浮かんできます。
なので、2月1日からの春季キャンプでは巨人やDeNAに比べて「調整」の色合いが格段と薄くなり「競争によるレベルアップ」が大きなテーマとなります。そうした意識付けの中でいかに収穫を積み上げるのか…がV奪回に向けて重要になります。育成に外国人選手が4人もいるわけですから、外国人選手も「調整」ではなく「レベルアップ」による1軍戦力化が求められますね。
もし勝てなければ、なぜもっと高額な外国人選手を獲らなかったのか…と批判されるでしょう。そういう声を封じる意味でもレギュラー&若虎は泥にまみれて練習しなければなりません。もうサイは投げられました。(金額はすべて推定)
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