リードを守りきれずに追いつかれ、延長12回まで戦い抜いてのドロー。チームにとっては疲労感の残る結果となってしまいましたが、それでも収穫はありました。“攻めの継投”を選択肢の1つに。次回以降は、勝ち切る野球を見せてほしいですね。
【虎になれ】“攻めの継投”で押していれば…阪神、痛いドローだ
(日刊スポーツより)
<阪神6-6DeNA>◇2日◇京セラドーム大阪
ビーズリーは明らかに序盤から飛ばしていた。今季初先発。助っ人にしては…という言い方はおかしいかもしれないが意気に感じてガンガンいくタイプだ。そんな真価が発揮されたのは5回表だった。
阪神打線が逆転した直後。この回先頭の佐野恵太に右前打を許すと、続く戸柱恭孝には右翼線二塁打を浴び、無死二、三塁。「同点は仕方ないな」と思った虎党も多いだろう。
しかし森敬斗を空振り三振に切ると9番・大貫晋一のセーフティースクイズを犠打にさせない。2死二、三塁となって売り出し中の1番・梶原昂希を遊ゴロ、無失点に抑えるのだ。
言うまでもなく「無死二、三塁」は得点が入りやすいケース。踏ん張ったビーズリーは見事と言える。この時点で球数は68球だった。だが飛ばしていたし、危機をしのぎ、心身ともにこたえただろうし「代えるかな」と思ったのである。
だが5回終了のインターバルを挟んだ6回も続投。しかし、ここは粘れなかった。先頭の牧秀悟、三森大貴に連続二塁打を許し、同点に。さらに5番・宮崎敏郎にも適時打を浴び、逆転を許し、KOされる結果となった。
ここが難しい。シーズンは始まったばかり。言うまでもなく、ブルペンのフル稼働するにはまだまだ早い。すぐ投手を代える大リーグのことはともかく、現状は先発に多くのイニングをまかせたいところだろう。
だが別の見方もできる。指揮官として横浜ベイスターズを98年、日本一に導いた権藤博(日刊スポーツ評論家)の話をふと思い出した。現役時代に酷使された経験もあってか、よくこんなことを聞かされた。「若い投手が5回をうまく投げたらそこでスパッと代えてやる。色気を出して続投させたらいいことはない」。
ビーズリーは若い投手ではないし、経験もある。続投させた阪神ベンチが間違っていたとは思わない。それでも「外国人」「今季初登板」、さらに飛ばしていたという要素を考えれば、5回でブルペン陣にスイッチしてもよかったのかな、という考えも頭をよぎったのである。
DeNAに対して阪神が優位に立つのはブルペン陣だ。もちろんこうなった直接の要因はゲラの誤算だったが“攻めの継投”でつないでいけば、また違った展開になっていたかも…。どこまでも結果論だが、そう感じてしまうドローだ。
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