敵地での3タテだけは阻止したい大事な一戦で、背番号5が躍動しました。先制の4号2ランに、守備でも美技で沸かせました。こどもの日のゲームはこれでなんと8連勝。球場に詰めかけた子供たちに、夢を見せてくれる最高のゲームとなりました。
阪神・近本光司、こどもの日にヒーロー弾 美技でもチームを救って5月5日はプロ野球最長に並ぶ8連勝
(サンケイスポーツより)
(セ・リーグ、巨人2-4阪神、9回戦、4勝4敗1分、5日、東京D)背番号5がヒーローだ!! 阪神は巨人に4―2で勝利し、連敗を2で止めた。近本光司外野手(29)が先制の4号2ランを放ち、守備でもファインプレー。今年も5月5日に輝き、チームも2015年からこどもの日はプロ野球最長に並ぶ8連勝だ。虎が誇る斬り込み隊長はこれからもチビっ子に夢と笑顔、虎党に勝利を届ける。
勢いよく打って、思いっきり飛んだ。近本がチビっ子でも一目で分かるヒーローの背中を何度も示し、虎の白星をがっちりつかんだ。先制2ランとダイビングキャッチで3連敗を阻止し、チームはこどもの日のプロ野球最長に並ぶ8連勝。今年も強い虎を見せつけた。
「とにかく先制点がほしかったので(走者を)かえす気持ちで。高めの真っすぐに(合わせて)と思っていた。スライダーだったので打球が上がった感じだと思います」
まずはバットで、三回に均衡を破った。先頭の木浪が左前打、才木の犠打で1死二塁。近本はカウント1―2から先発・高橋礼の高めに甘く入ったスライダーを仕留めた。打球は高々と上がって右翼スタンドへ飛び込む4号2ラン。今季2度目の対戦だった下手投げ右腕から9イニング目で初めて得点を奪った。
見せ場はこれで終わらない。四回の守備では、2死三塁で坂本の打球が中堅へ。あらかじめ頭の中にあった「右打者の右中間への打球」が飛び、ボールが地面につく寸前に身を投げ出してキャッチ。グラブが外れそうな勢いで飛び込んで捕球し、失点を防いだ。
プロ入り後、こどもの日は通算5度目の試合で打率・429(21打数9安打)と大活躍。「自分の中でもこどもの日、結構ヒーローになっていると思っているので」と笑顔を見せた。中学生のころの夢はパン職人。決して早くからプロの世界を見据えてはいなかった近本が、今では球界を代表する選手として少年少女に夢を与えている。
そして家に帰ればまな娘のパパだ。昨年、死球骨折で戦線離脱時は「抱っこができなかった。(テレビで)野球してるのになんでパパいるの?と思っていたと思う」と振り返る。今季はここまでフル出場。ゴールデンウイークでも触れ合える時間は限られるが、いつも通りに躍動するパパの姿を見せることが自身の子供たちの笑顔にもつながっている。
今でも子供の遊びのような動きが準備のひとつだ。試合前のフリー打撃や打席に入る前、両手でバットを握って、クネクネ、ゆらゆら…と左右に揺らす。「バットにも重心があって、意識しないと使いこなせない。そのための動きです」。繊細な感覚を打撃につなげる近本の活躍で、チームは連敗をストップ。2位巨人とのゲーム差を再び2に広げた。東京ドームに足を運んだ4万1747人が何度も思い出すであろうプレーでチームを勝利に導いた斬り込み隊長は、プロ野球選手としての誓いを新たにした。
「子供がたくさん来ていると思うので、勝てて特別な日だなと思います。たくさんのファンの人の記憶に残る試合が1試合でもできるように頑張ります」
5月5日のヒーローは背番号「5」を輝かせ、胸を張った。
■データBOX
◉…阪神はこどもの日に行われた試合で、2015年から1分けを挟んで8連勝とした。1955―63年の西鉄、64―70年のロッテ、2014―24年のソフトバンクに並ぶ最長記録
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