テーマは“時短”野球界に変革は起こるのか?

テーマは“時短”野球界に変革は起こるのか?

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1球1球の駆け引きを楽しみながら観戦するのがプロ野球、と言われればその通りなのかもしれませんが、世間は、世界はゲームのテンポアップと「時短」が大きなテーマとなっています。時流に乗り遅れないためにも、色々なアイディアを出してチャレンジする変革も必要かもしれませんね。

【阪神よもやま話 元虎番の独り言】7イニング制、申告三振…一度試してみては
サンケイスポーツより)

昨年あたりから、プロ野球を見ながら「試合が長いなぁ」とつぶやいく回数が増えてきた。昔は何も感じなかったが、制球が悪く、ボール、ボールと続く投手を見ただけで「あ~ぁ、また長くなるよ」と小声で文句を言うタイプに変貌している自分に気付いた。年のせいか? 3時間を超えるプロ野球には、かなり飽きてしまったのは事実だ。

伝統ある野球を心底愛する方からすれば「野球という競技を分かっていない」と叱られるんだろう。「野球は1球1球に意味がある。3つめのストライクをどう取るかを考えたら、夜も眠れない」と教示してくれた名将・野村克也さんの下で担当記者をしたこともあるが、教えを理解していなかったことになる。そんな筆者にとって、プロ野球の12球団監督会議で、時間短縮の提案がいくつかなされたことは、ちょっぴりワクワクした。

高校野球界が声を挙げて、検討がスタートしようとしている「7イニング制」。個人的に猛反対していたが、気が変わってきた。最近は単純に試合時間を短縮できる提案だと賛成に傾きかけている。日本ハム・新庄監督も賛成だとか。「やってみれば、すぐに慣れる」という解説をしていた。試しに1年か2年、導入するのもいいと思い始めている。

これまでの記録がおかしくなる、整合性がなくなる、と反対意見を唱える人も多いのは、以前にもこの欄で書いた。でも、よく考えたら、長いプロ野球のシーズンの試合数は時々で増えたり、減ったりして、現在に至る。シーズン記録の不公平は当然でているだろう。なのに、収益アップのために、さらに増やそうという一部球団からの意見も出ている。

最近は、過去を振り返って記録面で平等ではない、という意見を聞いたことがない。新庄監督が言うように、やってみれば「慣れる」と思う。

メジャーだって、突然ようにベースを大きくして、塁間距離が変わってしまった。いちいち、文句を言う人は少数だ。

「申告三振」

これも面白い。ソフトバンク・小久保監督はなかなかのアイディアマンだ。冴えわたる現代の監督たちだ。余分な球数を減らせるわけで、試合時間短縮の一手ではある。わざとアウトになるのは「敗退行為」につながりかねないという論理を展開する人もいるようだが、打席の一番後ろで棒立ちしたままストライクを見送る姿も「わざとアウトになっている」わけで、「申告三振」と大差はないように感じる。

もちろん、いろんな可能性を考えてしまう。ある試合で先発投手が球数をかなり要して、ヘロヘロになりながら、なんとかゼロで抑えてベンチに下がる。ここで、万が一、相手が「三者連続申告三振」したら、ヘロヘロの投手がすぐにマウンドに行かなくてはいけなくなる。大ピンチ? ルールの悪用? バカバカしい空想をしてしまうのだ。

小久保監督の提案は「交流戦だけ」「投手の打席」だけだから、こんな事態にはならないだろうけれど。まあ、この妙案も一度、試してみればいい。やってみれば、問題点が浮き彫りになることもある。そこで考えればいい。

五輪競技として常に認められたい野球界だが、世界的に賛同を得られないのは、試合時間が長いこと。そのためには、「九回」にこだわる必要はない。

テニスだって3セットマッチもあれば、5セットマッチもある。バレーボールも卓球も、大会によって変化ある。五輪は7イニング、WBCは9イニングでもいいし…。とにかく、短くなる努力は重ねましょう。

と書き綴ってきたが、40年近い野球記者生活で一番印象に残った試合は? と問われると「1992年9月11日の阪神VSヤクルト、史上最長6時間26分の死闘」と答えてしまう筆者。全く整合性を欠いている。すみません。

ただ、あの夜の試合は全く長く感じなかった。ムダに長くはなかった。要は試合の中身、なのかも。

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