次から次へと好投手が成長している今のタイガースでは、1軍への復活は険しい道のりと言わざるを得ないでしょう。それでも、多くの虎キチは秋山投手が復活を成し遂げ、また甲子園のマウンドで仁王立ちをするシーンを心待ちにしています。頑張れ!
【元虎番キャップ・稲見誠の話】「中途半端」に終わった阪神・秋山拓巳の〝初陣〟 最後の1軍登板なのか
(サンケイスポーツより)
独特の言い回しで阪神・秋山拓巳は〝初陣〟を振り返った。
「ボコボコにされるか、抑えるかどっちか、と思って、中途半端になった」
12日の紅白戦。紅組の先発で登板し、1番・佐藤輝明に本塁打を浴びた。結果は2回3安打1失点。打者9人に3安打で許した相手は佐藤輝、大山、近本の主力クラスだった。「真っすぐを打たれて変化球やっと投げ始めたから。ちょっと自分のスタイルを考えないとアカンよな。いくらなんでも」。結果では評価しないと話していた岡田彰布監督の感想だ。玉砕と貫禄ピッチの両端を意識し過ぎたのか。いずれにしても、若手に交じって2軍の具志川から乗り込んだ宜野座で、秋山は厳しい現実を突き付けられた。
昨年に続いて行われた1、2軍合同の紅白戦で11日の初戦は茨木秀俊&門別啓人の19歳コンビが先発を任された。D2位・椎葉剛(21)、現役ドラフト入団の漆原大晟(27))もマウンドに上がった。第2戦はD5位・石黒佑弥(22)、D6位・津田淳哉(22)、育成D1位・松原快(24)のルーキー3人が岡田監督の視線を受けながら、御前登板を終えた。体調不良で調整が遅れていた才木浩人(25)は白組の先発で、1回を三者凡退に抑えていた。32歳の加治屋蓮が中継ぎ登板したものの、20代投手の首脳陣への現状報告投球が続く中、1991年生まれで4月の誕生日で33歳になる先発・秋山の存在は異質だった。
「昨日(11日)、上のピッチャーが真っすぐばかり投げてたし、僕も真っすぐで行ってみようと思って、いきなり、すごいホームラン浴びて…。カウントがほしいところでボールになったりしたので、変化球も投げ出して、コースもいろいろ投げて。力では無理だと改めて感じることができた登板でした」
本人の感情を抑えたコメントが重い。力では無理ー。身上を再確認できたとしても、1軍での次は確約されてはいない。「球が弱いので頑張らないと。去年よりはいいと思う」と語り、前を向くしかなかった。
村上頌樹(25)に伊藤将司(28)。才木と青柳晃洋(30)がいる。左肩の良性腫瘍の切除手術を受けた大竹耕太郎(28)、右ふくらはぎの違和感を訴えている西勇輝(32)は揃って独自の調整を続けている。強固な投手陣に門別が加わり、先発に挑戦する及川雅貴(22)、2軍から昇格を目指す西純矢(22)がいる。茨木も可能性を秘めている。これだけで10人。「先発ローテ6+3」の9人でシーズンを考える岡田監督にとって嬉しい悩みだが、秋山にしてみればトラブルやアクシデントといったチームではマイナスの風を待つしかない。
数時間の宜野座滞在でファームに戻り、18日の社会人チーム「エナジック」との練習試合に先発登板したものの、一回に適時打を浴び、3回2安打1失点だった。試してみたい投手が揃う中、中5日は首脳陣の配慮。それでも〝ノンプロ〟に痛打を許すなど、結果を残せなかった。
2020年から2年連続2桁勝利を挙げた以降は2年間で1勝。昨年は未勝利だった。1軍通算成績は49勝44敗。一方で2軍では69勝42敗をマークし、昨季は2年連続、通算5度目の最多勝に輝いた。10年に愛媛・西条高からドラフト1位で入団し、いきなり4勝を挙げた。根強いファンは多い。スポットライトへの再登場を待つ虎党も少なからずいる。判官びいきだとしても、復活を期待する声が秋山を後押しする。
辞任を公表した矢野燿大監督で最悪の開幕を迎えた22年。4月28日の中日戦(甲子園)で挙げた49個目の白星が最後の勝利。そもそも、さまざまなハードルをクリアしない限り、1軍のマウンドに立てない厳しい状況が目の前にある。タテジマで迎える15度目の球春。佐藤輝に先頭打者弾を浴びた「2・12」が〝初陣〟であり、最後の1軍登板となってしまうのか…。右打者のアウトローに糸を引くようなストレートをもう一度、甲子園で見たい。
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