【門別・伊原・富田】左腕トリオで最強ローテ結成?

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西勇輝、伊藤将、そして大竹。実績も名前もある投手たちが不調に苦しむ状況に陥ったタイガース。看板の投手力を不安視する声も拡がってきましたが、これは門別、伊原、富田ら若虎たちが出番を奪い取るチャンスでもあります。新戦力の台頭が必要ですね。

【鬼筆のトラ漫遊記】誤算続きの阪神投手陣 新たな左腕トリオ結成が妙手となるのか?防御率11位の体たらく
サンケイスポーツより)

藤川球児新監督(44)率いる阪神投手陣は群雄割拠の激しい競争中なのか、それとも誤算続きの〝上げ底状態〟に陥ろうとしているのか…心配ですね。阪神はオープン戦6試合消化時点で2勝3敗1分け。不安は投手陣です。9日の巨人戦(甲子園)では西勇輝投手(34)が2回⅔で8失点。キャンプ中に下肢の張りで離脱した大竹耕太郎投手(29)は復帰のメドが立たず、伊藤将司投手(28)もオープン戦で失点続き。若手の左腕トリオ(門別、伊原、富田)が席を奪う形で結果を出せば、むしろ最強ローテ完成と歓迎できますが果たして…。チーム防御率4・67は12球団中11位の惨状です。

寒風吹きすさぶ球場の記者席で震え上がりました。特有の浜風に?いやいや西勇の投球に…です。オープン戦とはいえ、宿敵・巨人を迎えての伝統の一戦。スタンドは4万1839人の大観衆で埋まりました。熱戦、好ゲームが期待されたのですが、西勇が初回に3失点、三回にも連打を浴びて、こだまするのは巨人応援団の誠に楽しそうなトランペットの演奏だけ…。この回も5点を取られて、2回⅔で8失点の大乱調でした。

登板前に「手の内は見せない」と話していた西勇は「変化球の曲がりや落ち方で使える使えないを精査する時間でもあった」と〝試運転〟だったことを強調。三回途中に交代を告げた藤川監督も「キャリアを持った投手なので、次の登板を見てみたい」と冷静でした。

次の登板とは16日のウエスタン・リーグ広島戦(SGL)です。開幕3戦目となる3月30日の広島戦(マツダ)での先発が予定されている右腕は、次の舞台で立ち直った姿を見せることができるのか。オープン戦の最終登板となる23日のオリックス戦(京セラ)では「本番OK」と首脳陣が笑顔を浮かべるのか…。日曜日の試合の先発を託そうとするベテランの調整具合は注目というか、もう心配でなりません。

西勇が心配…。そんな余韻に包まれた甲子園球場の巨人戦の試合後、ベンチ裏ではこんな声まで流れていました。

「今年の阪神は先発ローテーションがちゃんと組めるんでしょうか?」

沖縄・宜野座での春季キャンプではブルペンで様々な投手が投げ込む壮観な風景に「虎の投手絵巻」などと評する声もありました。それが、オープン戦残り7試合(カブス、ドジャースとのプレシーズンゲームを含めると9試合)の段階で「先発ローテは大丈夫?」という声が出ている事実こそ、現状への強い危機を感じます。

西勇だけではありません。春季キャンプ中に下肢の張りを訴えた大竹はこの段階でもオープン戦での登板予定が明らかにされていません。どこが悪いのか、どれほどの重症なのか…。しかし、試合に投げていない現状は客観的な事実として明らかで、このままでは開幕ローテーション入りは急ピッチ仕上げ以外には無理でしょう。

さらに伊藤将です。先週も書きましたが、オープン戦では復活の兆しがありません。5日の中日とのオープン戦(甲子園球場)でも3回を投げて6安打3失点。今春の対外試合は3戦連続失点。指揮官は「崩れ落ちたくないと思う気持ちもあると思うが、築き上げると思って」と奮起を促していましたが、ネット裏で見ていた阪神OBは「もともと右打者の内角をビシッと突いて、外角の変化球で打ち取るピッチングスタイルだった。でも、右打者への内角球にキレがない。だから外角に踏み込まれて、簡単に打たれている」と話しました。このままでは4勝に終わった昨季の悪い流れを引きずったままでしょう。

大竹、伊藤将に加えてビーズリーも体調不安で5日の中日戦の先発を回避しています。同じ5日に先発した新外国人投手のジョン・デュプランティエ投手(30=前ドジャース3A)も2回3安打3失点でした。とても太鼓判を押せるような内容ではありませんでした。

さあ、これは大変ですよ。本来は計算ができる投手たちが次々に不安要素を漂わせて「先発ローテは組めるのか?」もまんざら誇張した話ではないですね。

一方で仮に西勇、大竹、伊藤将らが開幕に揃わなくても、代わりになる投手はいます。8日のDeNA戦(甲子園)で4回2安打無失点の左腕・門別啓人投手(20)がその筆頭。昨季は期待されながら1軍登板5試合で0勝2敗でしたが、今季は「計算できる投手にならなければいけない」と阪神OBも話していました。またD1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=もここに来て先発候補として名前がクローズアップされてきました。オープン戦で結果を出し続けている富田蓮投手(23)も有力候補です。

門別、伊原、富田はいずれも左腕。すでに3月28日の広島戦(マツダ)の先発は村上、第2カードの本拠地開幕である4月1日のDeNA戦(京セラ)は才木の先発が確定しています。2人はオープン戦でも万全の調整。ここに、もし新しい左腕トリオが開幕ローテに入るならば、逆に虎の先発陣は新鮮で勢いのある布陣に大変貌します。なので、現状は群雄割拠の激しい競争の末に構築される最強先発陣への生みの苦しみと捉えてもいいのかもしれません。

ただ門別も伊原も富田も先発経験に乏しく、なんら実績がないのも事実です。計算した投手たちが軒並みダメだから「上げ底」で作った先発陣と捉えられても仕方ありません。群雄割拠の末に生まれた最強投手陣なのか、それとも上げ底か…。これはシーズンに入ってのマウンドを見てみるしかないでしょう。

過去の実績よりも現状の力を優先するのがこの世界です。現時点で見るならば、春季キャンプから描いていた藤川監督ら首脳陣の計算には違いが生じているのは間違いないでしょう。阪神のオープン戦6試合でのチーム防御率は4・67です。12球団中11位です。失点33も11位。後ろを振り返るとオリックスしかいません。ちなみに阪神の昨季のチーム防御率は2・50。巨人(2・49)に次ぐ2位でした。優勝した2年前は2・66で断トツの1位でした。目を疑う4・67という数字は春の幻であって欲しいものですが、3・28開幕まであと2週間ちょっと。時間は止まってくれません。

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